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死屍累々──獰猛の目覚め 27




突然。

訳も解らずに。

ガラガラとかバリバリとかとにかく派手で、大きな音を立てて氷の壁が崩れた。

中に閉じ込められていたオークは心配ない、完全に死んでいるみたいでピクリとも動いてない。


結構前に京ちゃんを追ってゲーテは、壁の向こう側へ行ってしまった。

その壁がほとんど崩れて向こう側も丸見えになったから理解した。


京ちゃんが相当な数のオークを一人で相手にして、みんな倒してしまったこと。


ご馳走とでも思ってるのか、白いシャダイアスが無心で散らばるオークの肉塊を啄んでて、あ。


上に放り上げて大きな口を開けて一飲みにした。


気楽に食べてるなあ。

そう言えば、オレンジもお腹が空いたらその辺のオークを食い千切って食べてた、食べてた。


壁が崩れて向こう側は少し見えてあんな感じだけど。


どんな感じって・・・オークの肉塊が散らばってるのを、白いのが美味しそうに食べてるなあってとこしかイマイチ見えてないけどね?


頑張ってるよ、きっとまぁ、京ちゃんもゲーテも。


他人任せ?そう言われちゃうとそーなんだけど・・・わたしには、わたしが出来る範囲しか出来ないから。


まだまだ京ちゃんと肩並べるなんてムリムリ、うーん、ゲーテとも、ジピコスとだって難しいかな。


言ってて悲しくなるけど実際、そうなんだし。


どこかでガッツリれべる上げて、追い付いて京ちゃんと背中同士を預けられるぐらいになりたいな、あ。


そうなる前に日本帰って来てるかもだけど、さ。


あっちは京ちゃんがめちゃくちゃ倒してるけど、こっち側は、獣化したイライザの頑張りってそれは凄かったよ。


お陰で一度も危ない場面って無かったかな。


オレンジもオークが近寄ると離れてくれるし、もち、わたしもジピコスもフローレも、背中の上から矢が無くなるまではオークを一発必中のつもりで倒してたもん、サボッたりしてないよ?


時々、猛獣の吠える声。

グルォォォォって。


イライザなんだと思う。


周りを見ればイライザが暴れ廻った跡が、ね。


ぶちぶちに千切れた肉片とか、胸を貫かれたオークとか、噛み千切られた腕とか、頭がバックリ割れて脳から何か飛び出てるのとかもう色々。


グロい?うん、グロいけど慣れちゃった。


今も目の前のオークが上下をイライザに片方ずつ掴まれて、上下別に引き裂かれて内臓をばら蒔いて死んじゃったし。


そんなのばっかなんだもん、今日のは。


頑張ってるのってイライザだけじゃないよ。


カイオットだって大きな槍を頭の上で振り回して奮戦。

大きな体で数体のオークを相手してくれてるし。


そう、それから意外とダンゼが強い。

二足歩行の狼になってからは、素早い動きでオークを何百と引っ掻いて肉片にしちゃったり、噛み付いたままその場でぐるんぐるん回転して引き千切って殺したり、蹴りの一発でオークの首をへし折ったり、やれば出来るんだよねー、狼ってやっぱ強いね。


今は、さ。

普通の矢は使いきってしまってドスタから渡された取って置きの矢しか無いけど、次いつドスタの店にいけるか解らないから、使うの渋っちゃうな。


矢が無くなったら無くなったでジピコスはフローレの様に、投げナイフでオークを一撃じゃなくても仕留めてる。


得物がナイフとか短剣全般なだけあって形になってんだよね、わたしには出来ないから素直にスゴいって。


そう思うなー。


わたしには、狙ってナイフを投げるのは難しいから、羨ましいな。

さすが、心の師匠。


あ、ヤバいよ。

地面が揺れて、地鳴りと地響きがしたから音のした方に顔を向けたら。

京ちゃんと、大きなオークが視界に飛び込んで来た。


空はね。

遠くに入道雲なんか見えちゃったりするのが・・・日本を、ちょっとだけ思い出しちゃう。


葵ちゃんとプール行ったり、クラスの女子と男子も皆で海行ったこととか、葵ちゃんに誘われて近所のコンクリに囲まれた川でザリガニ釣りしたこととか・・・っていけないいけない。

そんなのは、今じゃない時にしよう、今はヤバいんだった。


空は澄みきってて青い。その空の下にでっかいオーク、・・・オークキングだ。

金色の毛で覆われてて、でっかいくて強そう。

どれくらい大きいかってゆーと7、8階のビルくらい、かな?


そんなスケールの大きなオークキングがあちこち傷だらけなのは京ちゃんの攻撃の凄まじさがわかるね、特に眼なんて両方潰されてて、さ。


え?

何、嘘!!


うゎあ、・・・い、嫌、嫌だ!


京ちゃんと戦ってるオークキングの肌、ううん、全身に数えきれないくらい・・・眼があっちにもこっちにもぎゅうぎゅうに生えて、・・・ダメだ、吐きそう。


嘘だよ、こんなオークって今まで見た事も聞いた事も無いし、何かのゲームとかでも無いかな・・・あ。何かの妖怪で居たかも、障子とか土壁全体に眼の妖怪。

あれっぽいんだ。

でもそれよりもっと別の異質なカンジ。






何がヤバいかってゆーとね。

今、全身が蒼白いオーラに京ちゃんは包まれてて、何かが爆発したみたいにオーラが白く全体に光って飛び散ったんだ。


目の前の光景は見慣れたアレだ、京ちゃんの取って置き。


そしてコレ、エクセ・・・うーん、何だっけ?


いいや。

解ってるのはトンでもないスキルを使っちゃったから、これからは京ちゃんはただの足手まといになっちゃったってコト。


スキル使用後の京ちゃんは、何があっても起きなくなっちゃうんだ。


急激に生気でも使っちゃったから寝ちゃうのかも知れないけど、本人に聞いても『そうゆーものだもん、仕方無いよね』だって。


京ちゃんが解らずにわたしが、どうして京ちゃんがスキル使っちゃったら寝ちゃうのか解る道理が無いよねー、あははは・・・。


でももし、もしだよ?京ちゃんが倒れて・・・まだ・・・オークキングが、死んで無かったら・・・。


「な、何?」


う、そ・・・何で!


まだ・・・動く、まさか!


さ、再生?して、るっ?


勝てないよ、そんなぁ・・・こんなのって、こんなのって無いよ!


目の前で、ブスブスと音を立ててオークキングは再生を始めてしまった。


咄嗟にイライザの方を見る。

イライザや、ダンゼや、カイオットや、ゲーテや、ジピコスでも勝てるはず無いのに。


京ちゃんとオークキングの姿をわたしが集中して見てる内に獣化切れのクールタイムになってたのか、イライザは膝を突いて苦しそうにしてるとこで。


ダンゼはそんなイライザを庇いながら、林の方に追い込まれそうになってて。


・・・どうしよう?


イライザより早く獣化したゲーテだってクールタイム突入だよね?戦える人が居ないよ!


京ちゃん抜きで、イライザもゲーテも時間切れなのに・・・どうやって。


この何か目玉だらけになったオークキングを倒したらいいのっ!







わたしが万策尽きたぁっ、て叫びそうになったその瞬間。


わたしから見て左側、北の方向から女の子の高い声がした。


何とも戦隊物の援軍か、昔のアニメのヒーローかっ、てそんな台詞だった。


わたしだって懐かしいアニメ映像特集みたいな番組で、見たきりだからよく解らないけど。


今どきそんな台詞、好きで使う人を知らないけど・・・ノルンの人が戦隊物被れな台詞を喋ったりしないと思う。


だから、


「はーっ、はーっはーっはーっ!ヒーローは遅れて登場ってのは相場が決まっとるちゅうわけやな、うん。」


こんな台詞を叫んで、あの一際高い木の上でポーズ・・・カッコイイと思ってンのかな?

両方の手でグーを万歳みたいに突き出してるのは。


・・・ユーザーだよね、今まで会った事無いタイプの人だけど、味方してくれるっぽいから・・・ま、いっかぁ。







27です。


ストックが無いよ。

忙しくて、しんどいよ。

夏、早く終わらないかなぁー。

あ。

昨日、別の短編を勢いで書いたせいで全然。


ストックが作れてないです、プロット的なのも。


あははは・・・あ、ははは。

全部、夏のせいにして、10時間くらい寝たいなー。



新キャラ登場です。

何でかってゆーと、エクセザリオス一発どかーん、はい終わりじゃオークキング相手じゃダメだろうと、んで召喚師編で出そうと思ってたあの人を登場です。


頑張って、新キャラ。


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