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死屍累々──獰猛の目覚め 21

うっすら空が白んで紫色の世界の闇が太陽に侵略され、世界が陽の光を受け入れて黒一色しか無かった夜が明けると、世界に様々な色を着けに朝が訪れる・・・何?わたしぽく無いと?


いいの、いいの。

キングが出てきたわよね?そう、キングが現れた。

あれ見てよ、何あの汚いヨダレ塗れの顔。

アイツ、頭沸いてんじゃないの?


ふふ・・・ふふふ、今からわたしが満足する時間。


笹茶屋京、ゲーマーとしてザコばっかでウンザリしてたのよっ!キング、あなたはあっさり死なないでわたしを満足させてね?





「良く出来ましたー、花丸あげちゃうわよ?ダンゼ。」


ザコオークをスパッと斬り払って血を飛ばす様に一振りしてから、ダンゼに向かってお礼の言葉を。


何も無い時に《警戒》は意味あるんだけど・・・バトってると特に効果無いのがね、歯がゆい。


「はあ・・・。」


ダンゼの横を駆け抜けて通り過ぎようとしたら、ボヤく声が耳に届いた。


そうボヤかないの、ダンゼ。

あなたの言う、国難もこれで回避出来るのよ?

知らない所でも、わたしの目の前でも知らない冒険者が沢山死んでったけど、それも全部・・・国を、人を守ろうとしたからでしょ?コイツから!


「オレンジ、食い荒らせっ!全力で喰いなさいっ!」


そう言って白い毛のシャダイアスに跨がる。


オレンジの上には皆が居る。

大丈夫だ、きっと。

昼には笑ってここの皆で村に帰れる、か──寝てるかな?


出来れば使わないで倒したいけど、ダメなんだろうな・・・ふぅ。


「弓、右側以外射って射って射ちまくって。右は──」


キングの周りには、まだまだ配下のザコオークが居てどうにも邪魔。


凛子、ジピコス、ゲーテ、ダンゼ、弓でザコをお願いします。


羆の人、と・・・爆乳の人あなた達もそれなりに援護お願い。


わたしは──


「──ダルテ!」


わたしの出来る範囲のザコを潰して、キングも潰すッ!


あ。なんかわたし。

微笑ってる?

解るよ、自分の、わたしの事だもん。


楽しみでしょうがないよね?

めちゃめちゃに強いはずのオークキング。

見た事あるのより・・・デカい。


近付くとその大きさは際立ってきて──大仏。そうだ、修学旅行の大仏みたいに大きい。


でも、なんだかんだで鼓動が高鳴って、ドンドン、ドンドン心音が大きく耳に響いてー、興奮してる──歓んでるんだ、わたし。


「わたしの獲物だっああーいっ!キング、ぶっ殺してアゲルっ!」


白いのに跨がったまま、キングにすぐ手が届く所まで駆け抜けて・・・からのっ、股抜き。


キングは振りあげた。

その手に握った化け物サイズの肉斬り包丁・・・何でそう思ったかってゆーと、鍔の無い、それだとまだ鉈なのかも知れないわね?

料理番組で見たままの平たい包丁が、サイズだけ化け物級になった、なら伝わるかしら?

そんな肉斬り包丁をキングはわたし目掛けて振り下ろした!


でも、でもよ?駆け抜けたの、わたし。

股の下をね。


そしたら、どうなると思う?あのバカ、自分で自分の足を包丁で傷付けたのよ、くすっ。

ザマーミロだわ。


「京ちゃん、回復は任せて。届く限り専念するから!」


凛子、わたしまだ何のダメも無いんだけどな、ま、いっか。


視界に入るわたしの躰が光に包まれて、気分が楽になる、落ち着く・・・。


「ふふふっ。ふあっははははは!」


笑いが止まらない。

駆け抜けながらの某、◯想乱舞。

ザコをあの有名ゲーム雑魚の兵隊みたいにわらわら沸いてるザコをめった斬りにする快感!!


うはは、武将になった気分。

もっと、もっと吹き飛べ。

血を散らして、ザコが雑魚であるがままに雑魚らしく死に絶えなさいな。


あーはっは、あはははは?

ある程度周辺の雑魚は微塵に斬り払った。

コンボどれくらい積めたかな、100・・・ううん、200はかたいかな。

後は──


「消し飛べぇー!──パンツァースラストぉ!」


キング・・・お前だぁっ!

血ヘド吐いて倒れろぉっ!


ドンっドンっと空気を引き裂く心地好い効果音をわたしの耳に届けつつ、衝き出した愛剣は真っ直ぐキングの足に突き刺さる。

そして引き抜きながらその身を、骨を抉る、砕く。


んー、気持ちイイ。

ゲームじゃ、こんな感覚無いもんね。


良いとこぶった斬る効果音と血飛沫あげるエフェクトくらいでさぁー。


どうなっちゃうかなぁ・・・帰れたとして、この感覚求めちゃったら・・・ううん、求めそう。

・・・わ。ヤだな、嫌ーな妄想だ。


帰ってこんなの求めるってそれ、どんな殺人鬼になるつもりよって話。


ああ、誰かお願いしますっわたしの為に肉ぶった斬る感覚の活きたフルダイブゲーム作って♪


じゃないとヤバいよぅ。

こんな時に、こんななのに潤んで溢れそうなくらい・・・感じてる──スゴい快感!


や、まぁ。

雑魚を捻り潰しても?こんなになんないし、殺人鬼にはなんないで済むかな、どうにもそうなると・・・強い奴と戦いたくて、殺し愛たくてうずうずしてる戦闘狂かな?・・・それって女子プロレ・・・うや、筋肉マッチョにはならないし、成りたくないな、両親に泣かれそうだし一応?一人娘だもん、箱入りって面倒なのも付いて。


・・・帰ったらボクシングジムでも覗きにいこっ・・・か。


そんなボヤっと妄想しながらでも、雑魚は雑魚としてめった斬りにしてるわたしって偉い。


「ロードが邪魔くさいっ、出てくんな!──ダルキュニル!」


そうなるとロードなんてもう、雑魚にちょっとオマケが付いたってカンジで何っとも思えなくなる不思議。


倒せはしないけどダルキュニルの氷の柱で、とおせんぼっ。かーらーのーっ!


めった斬り。

うっは。

楽しい、めっちゃはっぴー今。


あー、スイッチ入った!


頭のどっかにそんな感覚を覚えたんだよ。


来る、来るッ!


「ふっ、ふふふふふっ!」


あっ・・・何か何でも出来そうな気がした、してきたっ!


これが──



狂気なのかな?









バトル開始ーな21です、まだ終わらないの?キング戦。


襲撃イベントのラスボス程度には奮戦してくれるでしょう。


笹茶屋さんの異常性が垣間見える今回、短いです。



また次回にー。にー。

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