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死屍累々──獰猛の目覚め 11

うーーーっ


つ、・・・疲れたー・・・。


山盛りの野菜と肉を、鉄板焼みたく焼くのはしんどい。


魔法で冷気がすぐ傍に無かったら汗だく、うん。


きっと、途中で潰れちゃってたかもよね。


無事乗り切って山と積んだ、焼けた野菜と肉を見てそう思う。


出来上がったとはまだ言ってないんだけど?

鉄板代わりの鋼のタワーシールドの周りには、脂が熱っせられて放たれる鼻を刺激する、腹が鳴る、そんな冒険者がわらわらと集まってた、焼き鳥屋に群がるサラリーマンみたいに。


えーと、ね?

摘まみ食いは許さないわよ!


わたしの悪名を知る冒険者には睨みは聞く、けど。


悪名を知らない・・・気にしないグループもある。

女だ。


すこぶるウザいけど、・・・焼いてる最中に話し掛けてくる娘。


「ねえねー、何が出来上がるの?」


「このジュワジュワと脂の焼ける匂いだけで、アタイらノックアウトー!なんだけど、ちょっと摘んでいい?」


「楯を鉄板代わりにするのってなかなかいい考えよねー、よくやるの?」


「死んでった奴らに悪いけど、肉だけは山盛りあるもんね、今。焼き肉やるべきだよねー。」


「肉だけでいいのにー。でも何このいい香りー、オロトルソース?さすが、お姫様指揮の討伐隊よねー。普段なら絶対食べれないもの食べれるし。」


「オークの肉って食べた事無いけど、こんなに凶悪な・・・お腹に悪い匂いするんだあー、ゴクッ!ねー、一切れ、いいでしょ?」


この辺りの成人の基準は凛子・・・愛那の歳くらい。

わたし?わたしはここでは成人の部類でしょう。

酒を飲んでも怒られない歳なので。


にしても、こいつら多分・・・成人したかしてないくらい、あんなにオークいたのに良く今まで生きてたな?

そっちが逆に不思議だ、わたし的に。


五月蝿いだけで実害無いのが・・・実力行使して排除しちゃうわけにもいかないわよね?

って踏み止まっちゃう。


わたし?黙って肉と野菜焼いてる。


ゲーテには野菜運びを頼んで、凛子には野菜をてきとに刻んでねって、ジピコスは火の番を、これもテキトに。


オーク肉をジピコスとか、食べた事無いんだって。


ウルフ肉は食べるくせにねー、豚肉の美味しさを知らないなんて可哀想と思ったとかじゃないんだけど、唯食べたかっただけ、わたしが。


鉄網で炭焼きと行きたかったんだけど、いざ出して貰ったらさ。

大きくて、網の目。


これは焼いてたら下に落ちると、勿体無いなと思ったわけ・・・で、タワーシールドで何とかなんないかなーって思って使ってみたら、これが思った以上に大ハマリ。


それはいいんだけど、汚い手で肉に触んなよな?

決闘今からする、そんなノリじゃないけど・・・恨むわよ?呪うわよ?


ん、ん?

わたしが相手しなかったからか、何か話ながら女三人組は目の前から消えてくれた!

やった、やったわ。


そんな感じで女冒険者を撃退し、無事野菜炒めも焼ききった。


どれどれ?

まずは自分の分。

物資の中に大量にあった木皿に山盛りの豚肉さん。

あ、野菜もてきとに。


残念なのはもやし的な野菜が物資に無かった事、野菜炒めにもやし無いとね・・・物足りないとゆーか、わたし的に減点・・・マイナス。


さっきまで野菜が山盛り入ってた木箱に腰掛け、いただきまーっす!


ほむっ。


うっわ、自画自賛だけど。

この野菜炒めっ、ちょーっ!ウマイ!わたしGJ!


オロトルソースとかゆー、イライザか、ダンゼか、それとも冒険者の誰か知らないけど持ち込んでたソースが味の決め手。

豚肉さんの脂だけでも、凶悪に美味しいとか思ったんだけど、野菜炒めには何かそれなりにソースよねって、わたしルール発動。

いーや、使っちゃえって。


野菜もいい感じの焼き具合、キャベツ的なパリッ、シャキシャキっな噛み応えが堪んない、・・・美味しいよ?美味しいんだけど、よく解らない野菜。


ニラ的な風味が漂う野菜も、美味しい。


見た目はピーマンとか茄子みたいな、おっきなきゅうりみたいな。


愛那いれば『これは何々で、なんとコレは!』な解説してくれるんだろーけど。

急いで出てきたから、居ないのよねー、生憎。


生産をしつこくやってたわけじゃないわたしは、モンスター素材なら解るかな?ってレベル。


どうにも野菜は詳しくないの、ごめんね。

美味しいよ、美味しいからそれでいいのよ。


皆、食べてるし食べれないもの口に入れてるわけじゃないのは確か。


コホンっ!

気を取り直して肉を食べよ、肉、肉ぅー、豚肉さんっ!


んぐ、・・・わぁ、溶ける。

肉の脂がっ、口に入れたら溶けちゃった。


筋張ったとこはしっかり噛み応えあるなぁ、めりめりっ!てゆー感じで。

やっぱり野菜炒めは至高。

箸が止まんない、むぐむぐ。


はふはふ、・・・いや、物足りないのが何かって解るけど、村には探しても無かったし、どーにもならないんだけど。


やっぱりごはんでしょ、野菜炒めには。

無いのよね、残念。

んはっ、んぐ。


一皿ぺろりとイケちゃう。

しっかり火が通った豚肉と、シャキシャキの野菜ってホント、罪。

ここで!愛那からくすねたマヨを取り出してっと。


ほむ、ほむっ、・・・んふ。

マヨとも合う豚肉さんマジ美味すぎ。


コショーが結構、かなりいい値段するのは見たんだよねー、でも・・・1つ買っておくべきだったかな?

物資には勿論無かったんだけど、1つあると味に幅が出る訳だし。


そんな感じで考え事をしてたら、お代わりした分もいつの間にか空に。


鉄板代わりのシールドをちらり。


なかなか減ってる、減ってる。

野菜を切ってくれてた凛子をちらり。


まだ、食べてないみたい。

しょーがないなぁー、持ってってやるか。

手元に在った木の板をお盆代わりに、野菜炒めを盛った木皿を人数+わたしの分を乗せてっと。


「・・・食べないの?出来てるわよ?」


凛子が野菜を切ってたタワーシールドの上に木の板を置いて、タワーシールドをコンコンと叩いてからそれでも気付かないみたいで、ついイラっと。

声を荒げちゃったな。


気付いた人からテーブル・・・数個の木箱を足代わりにしたタワーシールドの周りにやって来て、木箱を椅子に座る。


凛子、ゲーテ、ジピコス、イライザ、わたしの5人。

何かの様にイライザに引っ付いていたダンゼが見えないけど、まいっか。


悪巧みでもしてるんでしょう、自分のせいだなんとか言ってたし、イライザを危険に晒したの。


わたし、三杯目。

食べたくて作った野菜炒めなんだから、これくらい悪くない・・・わよね?

悪くない、うん。


そう思いながら、むぐむぐ口に詰め込む。

美味しいのは、散々食べたから解ってるんだし。


凛子は一口含む度に、むー!とかうっわ!とか百面相をしてたんだけど、それ美味しいって事なのよね?

物足りないと言うとしたら、やっぱごはんなのかな。

わたしだって、ごはんを舌が求めてるの解るもん、日本人なら米だよねとか言うと胡散臭いけどそれでもやっぱり野菜炒めは定食って感じなんだ。

ごはん無しの定食なんて・・・。

あ。学食のイメージ強いなぁー、わたしは。


閑話休題、そんなわたしの回想はこっちに寄せといてっと。


ゲーテもジピコスも無心でがっついてら、『よく噛んで食べなさい?』って言ってあげたくなるくらい、ほふほふ言いながら木皿の上の肉も野菜も本能のまま、口へ放り込み。


三人ともまずまず美味しそうに食べてる。

いやぁ、作った甲斐あるわぁー。


で、見る前からこの娘は違うって解るけど。

そうイライザは一口一口丁寧に味わって食べてるのもそうだし、その上で幸せそうな顔して頬を押さえて微笑うその表情1つからも、全身で美味しいを表現してくれてるのが見てるこっちにも伝わってくるくらい。


ディナーのムニエルとかじゃ無いんだよ?

これは野菜炒めでそんな畏まって食べるもんではね、違う。


温かい内に食べて欲しいのに、量を考えてんぐんぐして欲しいのにッ。

育った環境とか、なんだろーかこの、筆舌しがたい敗北感はっ。







やっぱり暑いと脳ミソが沸騰して文章も思い付いても溶けちゃいます。


と、サボりの言い訳ってわけでもないんですが、ホントに何にも浮かばなくなっちゃうってゆーか、プロットがあるのにそこに繋げる文章を思い付くのが・・・アニメ見ながらでは集中出来なかったのぜっ。


集中してる時はサラッと文章も浮かぶのにね、おかしいね?ニコッ。



言い訳はホントこれくらいで、プロット通り行けば・・・サクサク書けちゃうのぜすが、ここ2日プロット丸無視で進んで、オーク食べてたから。


やっとプロットに繋がったってゆーか。


次回──昼、脳ミソ湧いてたら夕方かな〜


バトル無い接続部分は書いてて詰まらないよー。


でも、書いて無いと後でおかしくなるから頑張って書かないと。


イェア゛

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