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死屍累々──獰猛の目覚め 10


うわー、わたし毒されてる?ね、毒されてるかなぁー、きっと京ちゃんに。


イライザ様の笑顔や態度を見てただけで何故かどこからかヨダレが出てしまって、反省。


「いやいや、どっちも名前なんです。だから間違いじゃないですよ。」


うっわ、イライザ様に気付かれてたりしたらちょー恥っずいよ、ヤバいわたし。


だから誤魔化し気味にイライザ様の前で頭をポリポリ掻いて答えた。


「なるほど、そう言う事でしたら二つ憶えて置きます。」


ンン、可愛い。

わたし妹好き属性あったのかな〜、京ちゃんが言うには『歳上』らしいけど、しゃがんでニコニコしながら話してくれるこの物腰とゆーか、ふいんきが妹なカンジ。


と、ダメだ。

イライザに誘惑されてる、えーとわたしが勝手にだけど。


背も同じくらいだから、同年代に扱えちゃうし・・・あ!

解った、どうして妹なふいんきがあるのか、腰が低いんだ。


ゲーテとかジピコスとか愛那とか。


周りが上から目線で喋る人達が固まっててイライザみたいに、下から目線で話してくれる人は居なかったからなんだ・・・気付いてすっごく悲しくなる、と同時にイライザに感謝の気持ちが湧いてくる。


わたしってどれだけお姉ちゃんしたかったのかとか、こっちに来て散々な扱いなんだなわたしってこととか!


色々気付けて嬉しい。


黙って考えてるとイライザが微笑いながらも困った表情になってて、ああ、悪いことしちゃったなって、ぺこり。


「ちょっと考え事しちゃってたゴメン・・・。」


素直に謝るとイライザはいえいえと言いながら、ニコッて。


そんな事されちゃったから思わず、抱き締めちゃったイライザ様をぎゅって。


ふわわ、・・・いい匂い。


何だろ?花の香り、若草の香り?


って、うひゃあ。

腕の中でイライザの困り顔が見えて、すぐに離れてマッハで土下座しましたとも。


こんな可愛いのに、お姫様だかんね、あれ?

お姫様だから可愛いのか?

思考回路がおかしいよ、ショートして、バグってるかも、お腹空いてるとバカになるのかも、そんな事考えてるとイライザ様の声も耳に入らない。


「──と、言っても。」


ようやく我に返ったわたし、どうしてこうなったか解んないけど、イライザ様の膝枕で微睡んでます?

がっちり肩押さえられてるから、病人認定されちゃったかな。


言動が、態度がおかしかったのは認めます、でも病人じゃぁ無いです。


病人は京ちゃんだもん、あれー?


こうされると、視界にイライザ様の顔しか入ってこなくて何か・・・シアワセ♪


いやぁ、殺伐としか言い表せない世界に現れた癒しの清涼剤ってカンジだわぁ、優しい笑顔見てるだけで癒される・・・違っ?


わたしはノーマルだよ、何か京ちゃんに仲間認定された気がして脳内否定した。

脳内に京ちゃんが現れた事で、イライザ様の呟く声を聞いた、我に返ったわたし。


視線に気付いて、イライザ様の優しい視線にくぎ付けにされちゃう。


・・・京ちゃんに呼ばれた気がした、アブノーマルの扉が開きそうで怖い。


ダメダメ、って思ったんだよ?

信じてぷりーず。

でもほら、がっちり肩押さえられてるから首と瞳動かすしか出来ないんだよ、え?離してって言えばいいってー?言うわけ無いじゃん、わたし、今・・・シアワセなんだよ?


だから、一回くらい京ちゃんにも膝枕くらいなら許してあげようなんて思ってた。


「まるで別世界に来たみたい。凍ったオークに囲まれてオーク肉を食べるなんて。」


あんまりシアワセな時間って続かないものだよね、しくしく。


膝枕されて惚けてたわたしはガツンという、腰を蹴られた感触で気付いたらイライザ膝から1㎡も転がってて、こんな事するのは勿論京ちゃん・・・じゃなかった!


羨ましいなら言えばいいじゃん?あ、・・・ゲーテにとっても、触れがたい・・・お姫様なんだよねイライザは。


それにしても蹴るなんて、ゲーテ。


京ちゃんに似てきてない、ンン、元々か。


そっか、そうだね、出逢ったあの日のゲーテは粗暴(あらくれ)って感じだったもんねー。


ゲーテ、そんなにちょー睨まなくてもいいじゃん。


え?何ならわたしから言ってあげよっか?


こっちのゲーテもお姫様の膝枕をしてほしいってー?


いや、まぢで怒らなくても・・・ジョーダン唯の冗談半分におどけただけ・・・あ、それでもわたし殺されちゃうの?


痛いのは勘弁してほしー、ヒール連打でなかなか死なないで逃げれるとは思うけど。

・・・あははは・・・はは?


ゲーテほら、イライザ様を見てよ。


困った顔してんじゃん、わたし達仲良しだよねー、マブダチだよね?ゲーテ。


一緒に稽古もしたんですよ、一応ゲーテは師匠・・・みたいな、そんな感じ、えへへ。


だから、ゲーテが何か悪さしてるとかじゃないですよ?イライザ、じゃれてるの。

じゃれてるだけだから、あはは・・・。


え?イライザ様・・・イライザだって勿論、モチノロン、マブダチ!マブダチですよー、えへへへ。


・・・疲れた、可愛いけど、疲れるなぁー、イライザ様。


違うよね?

ゲーテが乱入してきて、わたし無駄にエネルギー使ったの。


そうしてる間にひょっこり顔を出した、


「・・・食べないの?出来てるわよ?」


京ちゃんがそう言いながら物凄く凶悪にお腹の虫を刺激する料理を、まな板代わりにしてたおっきな楯の上に置かれて、まな板代わりがテーブル代わりだねって。


塩と、肉と野菜を煮込んだスープから抽出した旨味ソースで味付けされてるらしい。

ンン、塗り箸も出してくれるなんて京ちゃん解ってるね、これでごはんあったらな。


木皿に盛られた野菜炒めから立ち上がる煙りを嗅ぐだけで散々待たせた腹の虫が・・・ぐーるるる、きゅーるるるーぅ・・・。


腹の虫も美味しそうに思う匂いがしてるんだね、って京ちゃんに返すと噴き出して、そうだねって返された・・・何とか恥ずかしいのも薄らいだかな。


ゴクリっと唾を飲み込んで、いざ。


いただきますっ!


んほっ、匂いは豚肉なのに食感はもっと上質な何か。

モンスター肉はやっぱり似て非なるモノ、養殖された何かの豚肉とは違ってガツンとくる味だったり、その癖にトロリと口に入れて唾液で融けちゃう。


ブランド豚肉も食べた、うん、でもその何よりも美味しいのは何なんだ?


京ちゃんを見る、まぁもうぺろりと一皿空けちゃったみたいで、逆に周りを観察してるぽいじゃないですかー、そいえばコレ・・・京ちゃんの手料理だもんね、そりゃ気になるよねー。


ゲーテを見る、がっつきながら美味い美味いを連呼してる、おまいはシャダイアスか?

何故かオレンジの顔と重なる。


気を取り直してジピコスを見る、野菜はそんなに好みじゃないとか言いながら、手は正直だよ・・・もう、物凄くがっついてます、なんだろね?

ゲーテもジピコスもシャダイアスと重なるんですが、落ち着いて食べよう?


ではイライザ様を見てみよう、うっわ!

見ちゃいけない神々しい光を放つかの様なヤバい笑顔をしながら、一口一口味わってます。


さすが、王族テーブルマナーきっちりって・・・テーブル無いじゃんって言われたら無いんだけどね。


上品に食べてるなぁー、たかが野菜炒めなんだけど。

パンだって無くて野菜炒めだけなんだけど、美味しそうに食べ・・・ううん、召し上がるイライザ様を見てたら、お代わり欲しくなるじゃん。


って、あるぇー。


山盛り京ちゃんの焼いてた野菜炒めはもうほとんど売り切れ間際。


山盛り二杯焼いてたよね、冒険者の胃袋をがっちり京ちゃんの野菜炒めは掴んだようで。


何とか、木皿に盛る。


「んんーっ!豚肉美味しーっ。」


肉多め、野菜少なめ、この極上の野菜炒めは今まで食べたどの野菜炒めより美味しいって、断言できる。


周りの冒険者もオーク肉がこんなに美味いなんて、と二重丸どころか大きな花丸を戴けたみたいです。


豚肉の甘さも凄くいいし、ヘンテコな形をした名前の解らない野菜達もピーマンやキノコ類の風味があって、どことなくニラっぽかったりキャベツの食感があったり、但し見た目はあべこべで。


大根みたいな見た目なのに食感はゴボウだったり、白菜みたいな見た目だったのに焼き上がるとエリンギな食感だったり。


「凛子・・・。」


無心で食べてるように見えたかな?


黙って食べてるけど、ちゃんと美味しくいただいてます、京ちゃん。


「御馳走さまでしたっ!」

あー!

美味しかった♪







書き始めると長いわー。


プロット一万文字のうちまだ半分なのに。


次は、、、またまったりゆるゆるお喋りするだけ。


伏線ばりばり感の会話ですが、クドゥーナのギルマスについてわーきゃー・・・


全部喋りそうなのでこれくらいで。

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