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死屍累々──獰猛の目覚め

「で、こいつらに乗ると酔うんだけど?」


「言ってらんないでしょ、姐さん!ゲーテも死んじまう、みんなやられちまう!乗って。」


わたしがナボールさんに、伝える事が終わると外から、京ちゃんとジピコスの喋る声が聞こえてきて、クスッとしちゃう。

そんな場合じゃないらしいの何となく解るけど、ジピコスの必死な叫び声が耳にピリピリする感じ。


また、オークなんだ。

あの日あの時、わたし達は、確実に巣を潰した!オークは全滅してたもん。


京ちゃんが怖いカンジで、歩いた後はオークの残骸って言っていいぽい状態のが足元を埋め尽くしてて、怖いよ、怖かったよ。

オークなんかよりずっと、京ちゃんのふいんきが怖くて。


『ゲームじゃ無くてリアルだ、他人の死に様に一々感情的になってたら心が保たない』って言ってた京ちゃんの精神的なリミッターが外れたみたいに、目に見える敵を全部絶ち斬ってた。


はっ!

オークって聞いて何か回想に耽っちゃってた。

ダメだなー。


今、なんだかんだ酔うからとか言ってた京ちゃんがトラウマになっちゃったのか、青い顔で名前も知らない巨大な鳥・シャダイアス──チョコ○より大きくて、6人余裕で乗れて頑張れば後2人くらいのスペースがある背中に乗るんだけど、実はこのシャダイアスは肉食、しかも燃費つまり、エネルギー消費が激しくておっきな肉塊を一つ丸々ぺろり食べても満足しない。

そんな食い意地が張ってるせいで、町から町へ移動する商人には不人気なのも頷けちゃう、幾ら馬より早くてもコストが倍々だと商売に向かないもんね。


え?今、何してるか?

オレンジ、背中の毛色がオレンジだからオレンジって安直な呼び方をしてる、目の前のシャダイアスにガソリン補給って訳ではないけど、グランジのブロック肉をあげてるとこだったりする。


がっつく姿は鳥ってゆーより、空想的恐竜番組に出てくる恐竜そのもの、なんか・・・怖い。

自然と口元がひきつる感覚。

チョコ○みたいに眼がおっきい訳じゃなく、鋭い眼が恐竜を思わせる。

牙も無いのに、肉を啄みながら美味い美味い連呼してるのは、さすがにふぁんたじー!じゃないと有り得ない光景。


「待って、ジピコス。乗るからーっ!」


いけない!

餌をがっつく姿に、妄想を脳内で重ねてると食べ終わったオレンジがドスドスと歩き始め、Uターンしてスピードがあがる。

えっと、・・・わたしまだ乗ってないのになー。


「凛子、手を出せっ!」


オレンジの背中に据えられた、四隅の柵付きの鞍からジピコスが身を乗り出して叫ぶ。

声に気付いた時には、少し進んでUターンした後だった、ヤバい置いてかれる、どうしよおっ!


「うんっ。」


乗り出したジピコスに向かって走りながら、手を伸ばすとぐいっと、伸ばした手が引っ張られて次に浮遊感が襲う。


ひぇえ!

宙ぶらりんだ。


ま、すぐに引っ張り上げられて、オレンジの背中の上だったんだけど、マジ洒落ならないから!


車並みに早い、シャダイアスに飛び乗らせるとか!


「おーしっ、オレンジ!すまねーっ、山に戻ってくれ。大急ぎで!」


大丈夫か。と声をわたしに掛けて、その答えも待たずにジピコスはオレンジの首の後ろに座ると羽の付け根辺りを蹴ったんだ、どうして解るかって?

オレンジが『羽の付け根蹴んなっ!』ってジピコスには鳴き声くらいにしか聞こえない、わたし達には解る叫び声を出したからに決まってる。


動物の声を聞ける人いるじゃん?あの人たちも、動物の声を聞いたらこんな、わたしみたいにビミョーな感情になるのかな、いや・・・ならないよね・・・きっと。


カルガインではペット的なのをゲームの頃は見掛けたけど、本気で犬とか、猫なんかを見ない。

ノルン内では犬とか人間で、まだ見てない猫だって多分そう。

んっと、エウレローラの言葉を借りるなら、人類ってこと?


オレンジの背中に座ってると、つい感傷に浸りたくなっちゃった。


びゅんっびゅんっと、現れた景色が一秒と経たずに流れて消えちゃう、ホントそんなとこも車ぽいね。


60㌔出てるかも、出会った日のあのスピードは・・・100㌔以上あったんじゃ、って思う。


そんな事を考える内に、ジピコスがオレンジの首を叩いたぽい、何故かって『首はやめろ、叩くな!』ってオレンジが。

正直止め方解んないよね。

スピードが緩み始めると嫌な匂いが鼻を刺す。

血だ。


鉄錆みたいな、それも大量に流れ出してるみたいで・・・濃くて、それが風に乗って、まだ何も見えないのに漂って来る。


ジピコスは気が気じゃないんだと思う、わたし達を呼ぶためにゲーテを置いて来てるんだから。


「ゲーテ、生きてるっ?」


「姐さん、・・・ま、何とか。」


ゲーテの周りも血だらけ、足元を見たくもないくらい誰の血なのか、血だまりが出来てて吐き気を堪えるのが・・・やっと。


死屍累々。

そんな言葉が頭に思いついちゃう、そんな惨状。

誰か仕留めたんだと思われるオーク、その周りには飛び散った××××・・・見るのが怖くて、吐き気がまた喉まで触って・・・気持ち悪い・・・。


死体は、うん。

見たことあるよね、そうだあれはカルガイン襲撃の時・・・はっ!


自己防衛でか、勝手に目の前の惨状を無かった事にしようとした、そんな光景が見回した先に広がってた。


誰かの手に見えるもの、顔の残骸、五体繋がってるのが解っても、有り得ない方向に手や足が折れ曲がっている遺体、下半分無い遺体、首を無くしてしまった遺体、どうしたらそうなるの・・・頭半分と左の腕しか無い遺体。

ゲーテの周りは遺体か、判別出来ない残骸か、オークの肉塊しか転がってなくて。


土の色が解らなくなりそうなくらい赤、緋、朱、紅。

・・・血の色。

・・血の匂いが、支配してた。







やったら、ぽぴゅらーで凶悪で食べられちゃう、オークです。


餌と思われてるから悲惨です、食べられてますねー、かじられてますねー。


ゲーテもどうやらお荷物スタート。


で、死屍累々はっじまるよー。


短くてゴメン、3時間は真面目に文章作ったんだけど。

色々・・・ね、あって。

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