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第五話

 夏休みも後半に差し掛かるが俺は相変わらず坂下のメイド(奴隷)として働いている。俺の予定していたお泊り期間を遥かに過ぎているのだが、幸か不幸か俺の帰りを家で待つ人はいないので心配している人はいない。夏休みの宿題は持ってきていて坂下とやっているので勉強は心配無い。

 まぁ別に奴隷になったといっても生活が変化したわけでない。変わった事を述べるなら俺の身体が変わったことと坂下の暴走が加速している事ぐらいである。

 では今チラッと言った俺の身体の変化について話そう。夏休みの前半頃に坂下が

「ねぇ祐樹」

「はい?」

「あなた女の子よね」

「ご主人様が女の子といえば女の子ですが?」

こんなことを言っているが俺の性別は男なのだ。

「女の子になりたい?」

「ご主人様が望むのであれば私は構いません」

こんな会話が交わされた次の日から毎日お医者様に何かわからない点滴を打たれていた。

「何の点滴ですか?」

とお医者様に聞いても何も答えなかった。治療?を受けている俺に内容を話さないのだから、おそらく坂下家専属のお医者様なのだろう。なので坂下に聞くと決まって

「秘密、後で解るわ」

としか答えてくれないため聞く事を諦めた。しかし夏休みの後半に差し掛ったあたりで俺の身体に変化が現れた。胸が大きくなりはじめ、腰が括れ、お尻が膨らんできたのだ。 日が経つにつれて確実に女の子の身体に近づいていた。夏休みの前半の頃と後半に差し掛かった今では別人のような体型になっていた。身体の変化をみた坂下は

「あら祐樹、こんな身体になっちゃったのね」

「ご主人様、私に何の点滴を打ったのですか?」

「女の子になる薬」

「えっ・・・」

「だって祐樹の身体って身体は中途半端な女の子、性別も中途半端な男の子なんでしょ?」

(性別は中途半端じゃない!男だ!)と叫びたかったが心の中で黙殺した。

「はい・・・私は・・中途・・半端な・・メイド・・です」

「だから私が女の子にしてあげたの。嬉しいでしょ」

「ありがとう・・ございます・・ご主人・・様・・」

正直嬉しくない・・・。

こうして俺は坂下のお陰?で女の子の身体を手に入れつつあるが、今現在彼女は一つだけ俺の身体に不満があるらしい。 自分で言うのもかなり恥ずかしいがかなりいい体型である。そしてある日遂に坂下の不満が爆発した。

「祐樹!今すぐ病院に行くわよ!」

「へ?」

「あなたの身体で一カ所だけ男の子な部分があるでしょ」

「はい」

「今から手術するわよ」

「いっ嫌です!」

「ふ〜ん」

・・・嫌な予感がする・・かなり怖い・・・。

「じゃ祐樹、これ飲んで?」

彼女が俺に渡したのはカプセルみたいな物だった。

「何ですかこれ」

「薬」

「・・・服用する事での効・・・」

「いいから飲め!」

俺は咄嗟に口を必死に閉じるが、彼女は左手で俺が鼻で息が出来ないようにした。右手は薬を持って俺の口近くでスタンバイ完了である。俺は自由な両手で坂下の左手を外そうともがくが彼女の腕力は俺を遥かに上回りびくともしない。結局俺は数秒後に俺は口を開けて薬をゴクンッと飲み込んでしまった。そしてすぐに俺は強烈な睡魔に襲われた。

「我が儘なメイドにお仕置きをしないとね、ごゆっくりおやすみ」

「そ、そん・な・・ご・しゅ・じん・・さ・・・ま・・・」

俺の意識はそこで途絶えた。

次に目が覚めたのは坂下のベットの上だった。

横には坂下が寝ていた。

現在の時間は午前十一時であの騒動が午前七時過ぎぐらいだから三、四時間位寝ていた事になる。ベットから起き上がると俺は一糸纏わない姿だった。首輪も外されている。慌て服を探したが俺の居る部屋には服らしき物が無い。しいて言えば坂下が着ている服しかない。そして俺は坂下に服が無いか聞く事にした。

「ご主人様!ご主人様!起きて下さい!ご主人様!」

と彼女を起こした。

「・・どうしたの〜祐樹〜」

「あの・・大変申し上げにくいのですが・・私の服がありません」

「あっそれなら大丈夫!」

「えっ?」

「私が鍵掛けて管理してるから」

「なら私に鍵を貸して下さい。服を着ますので」

「だめ!」

「どうしてですか!」

「だってお仕置きだもん」

「お仕置き・・あっ!」

「思い出した?」

「だって・・いきなり手術するっていわれても・・・」

「問答無用!今日はそのままの姿で過ごして貰うからね!」

「そっそん・・」

「返事は?」

「はい・・・」

こうして今日は坂下からお仕置きとして一日中一糸纏わぬ姿で働く事になった・・・。まあこの家には俺以外坂下しかいないのだがやはり恥ずかしい。とその時坂下が

「はい、忘れ物、これは身につけていいよ」

と取り出したのは首輪だった。彼女は

「私のメイドのあ・か・し」

とか言いながら俺に首輪を嵌め、鍵をかけた。俺はため息をしてベットから立ち上がった時、妙な違和感を感じた。首輪や胸、お尻は慣れっこだが慌てて部屋にある鏡を見ると・・・俺の身体の唯一の男の子がいなくなっていた。

「ご、ご主人様!わた、私の・・」

と動揺が隠せない俺に彼女は

「あ、今更気が付いたの?」

「ご、ご主人様、い、いいつの間に!」

「祐樹が寝てる時に」

そんなバカな!しかし、あの時薬で俺は・・・。俺は動揺からゆっくり冷静さを取り戻し、坂下に質問した

「私はどれくらい寝ていたのですか?」

「一週間」

「そっそんな・・・」

慌ててカレンダーをみて暦を確認すると坂下に薬を飲まされてから確かに一週間が経過していた。

「ご主人様、まさか・・・」

「そっ寝てる間に病院で手術したの」

「ねぇ祐樹」

「はっ・はい!」

「お・れ・い・は」

「あっ!ありがとうございます!」

・・はぁ・・・。

そんなこんなで俺は裸に首輪というスタイルで仕事をしている。ちなみに坂下は部屋でテレビを見ている。この隙に衣装部屋に忍び込み、服を手に入れようとしたが鍵がしてあって入れなかった。

しかし仮に鍵を開けて服を着ると坂下から更なるお仕置きが与えられるのは目に見えている。(まさか一週間も寝ていたとは。しかもその間に俺の身体は外見上完璧な女性だ。つーか俺の身体に薬とか手術とか・・・。一体坂下は俺の身体に金をいくら使ってんだ?今度聞いてみよ)俺は洗濯を終えて次に掃除をした。(流石に一週間は掃除していないらしいから埃が結構あるな・・・。ってまてよ!俺がこの家に来てから一回も坂下の言う(業者さん)を見た事無いぞ!(業者さん)が来てるなら綺麗で掃除する必要が無いはずだ!)掃除を終えた俺は坂下の待つ部屋へ。

「ご主人様、入ります」

と部屋の中で坂下は相変わらずテレビを見ていた。

「ご主人様、一つお聞きたいことがあるのですが」

「なに?」

「私がご主人様の家に来てから一回も家を掃除する(業者さん)を見た事が無いのですが・・・」

「あっそれなら祐樹がメイドになった時に契約を解除したから」

「やっ・やっぱりですか!」

「だってなんのために祐樹がメイドとしているのよ。しかも祐樹掃除するの凄い速いし、しかもピカピカじゃん」

「・・あ・ありがとうございます・・・」

「だから業者さんもいらなくなったのよ」

(そういえば最近この広い家を掃除しても全然疲れないし全部屋掃除することが出来てるんだよな)

「そうだったんですか・・・」

「あっそろそろ夕食の時間ね。祐樹、お願い」

「畏まりました、ご主人様」

お辞儀をして祐樹は部屋を出ていった。(祐樹が寝ている間に投与している肉体強化液が効いてるわね。順調、順調)


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