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第三十三話

 「ユキ〜起きて〜早く〜」

朝早く坂下は寝ている俺を起こした。いつもは俺が坂下を起こすのだが彼女が 俺を起こすのは絶対何か変な事を思いついた時である。

「・・ご主人様、おはようございます。なんですか、朝早くから?」

「ちょっとやってほしい事があってね」

(やっぱりか・・)

「何ですか、やってほしい事って?」

「ユキにお人形さんになってほしいの」

「・・わかりました」

「あれ?断ると思ったのに素直ね」

「どうせ首輪してますし、嫌って言ってもご主人様は無理矢理やらせるんですから」

「わかってるじゃない」

「なんで私を人形なんかに?」

「小説読んでてやってみたくなったの」

「聞くだけ無駄だと思いますがどんな小説ですか?」

「残念だけど秘密」

「ちゃんとした答えは期待していませんから」

「・・ちょっとムカつくわね」

「じゃあ早く私を人形にしてください。ご主人様!」

「・・私の部屋に来て」

「わかりました」

坂下の部屋に着く

「これに着替えて」

「はい」

俺が渡されたのは黒い服でリボンやフリルが沢山ついている服でいわゆるゴスロリ服?というやつで俺はゆっくり着替えた。

「ユキ可愛い〜じゃあネコミミと尻尾を出してベットに座って壁にもたれかかって」

俺は素直に指示(命令)に従った。

「じゃあユキは私のお人形さんとして過ごしてもらうからね。もちろんお人形さんは喋らないし動かないからユキも喋ったり動いちゃ駄目ね。瞬きとか呼吸とかはしょうがないから許してあげる」

(俺は生理現象の自由もないのか?)

「ユキが私に返事をして私が合図するまではユキはお人形さんだからね」

(俺・・一体どうなるんだろう・・?)

「じゃあスタートね」

「はい」

俺は諦めて坂下の人形になる事にした。首輪のおかげか坂下が見ていない時に体を動かそうとしても指一本動かない。俺の体は坂下の命令に忠実に守っている。(ヤベェ・・マジで俺人形になってる)

「じゃあユキに何しようかな〜今はまったく抵抗できないんだよね〜」

(ヤバイ、逃げられない・・)

「とりあえず椅子に座らせてお化粧しましょうか」

(坂下一人だと俺を運べないし、ナツは今寝てるからどうするんだろ?)

「ユキ、化粧台の前の椅子に座って」

すると体が勝手に動き出して化粧台の前の椅子に座る。

「順応、順応。じゃあお人形さんにお化粧しましょう」

(どうやら俺は坂下の操り人形のようだ)

そして化粧が終わると自分で言うのも恥ずかしいがいつも以上に可愛かった。

「凄く可愛い・・」

すると坂下は髪をブラシでとかし始めた。

「あ〜私のお人形さんはどんどん可愛くなるな〜」

するとブラシを化粧台に置いて抱き着いてきた。俺は動けないので抱き着かれた勢いで倒れ床に倒れ込む。受け身もまったくしていないが全然痛くない。おそらく俺の体が人形として感覚を制御しているのだろう。坂下はしばらく俺に抱き着いていた。

「そういえば朝ご飯食べてないわね・・ユキは人形だけどご飯は食べないといけないわよね。じゃあ持ってくるね」

坂下は俺を床に倒したまま部屋を出た。(せめて起こしてから行けよ・・)

 しばらくして坂下は部屋に食事を持ってきた。食事はスープだった。

「ユキ、まだ床で寝てるの?」

(俺は坂下の指示がないと指一本動かないんだぞ!)

「そっか。ユキはお人形さんだから動けないのか。じゃあユキ、テーブルの前に座って」

すると俺の体がまた勝手に動きだしてテーブルの前に座る。

すると坂下はスープをスプーンですくう。

「はい、あ〜ん」

俺の体はまったく動かない。おそらく俺は人形なので食事が必要ないのだろう。

「そっか、ユキは人形だから食事は必要ないのか」

(俺は人形だと飯を食えないのか。まあ当然か)すると坂下は食事を終えて部屋を出ていった。するとすぐさま戻ってきて俺の目の前に座り見つめる。俺は恥ずかしかったが表情は無表情のままだった。すると今日バイトに来た人達がメイド服で部屋に入ってきた。

「ご主人様・・それお人形さんですか?随分と大きいですね」

(それって・・酷い・・)

「そうなの〜触ってもいいわよ」

「この人形坂本さんにそっくりですね。でもお化粧してて可愛いです」

「でしょ。私がお化粧したの」

そしてみんなは色々な所を触るが俺はまったくなんともない。

「お人形さんにしては凄くリアルですね」

「実はね、このお人形さんはユキなの」

「えっ!でもまったく動きませんよ?」

「ユキは凄く我慢強いからね。ちょっと胸とか手首とかに手を当ててみて」

するとみんなが胸や手首に手を当てる。

「本当だ・・生きてる・・」

(生きてるって・・)

「今日は仕事が終わったらこのお人形さんで遊びましょ」

「はい、ご主人様!」

(みんなテンションが高いな・・)

そしてみんなが仕事のために部屋を出ると坂下も出ていった。すると坂下はナツを部屋に連れて来た。

「わ〜おねえちゃんきれ〜」

「お姉ちゃんはねお人形さんになったのよ」

「へ〜おねえちゃんおにんぎょうさんになったんだ〜わたしもなりたいな〜」

「ナツ、お人形さんになりたいの?」

「うん!」

そして坂下は俺と違うゴスロリ服を着て首輪をした。

「ナツ、あなたは私に返事をしたらお人形さんになるのよ。だから体も動かないし喋られないわ。わかった?」

「うん!」

そしてナツは俺と同じで人形になってしまった。

(うわ〜。からだがぜんぜんうごかない〜。ほんとにおにんぎょうさんだ〜)

すると俺とナツは俺と向かい合わせに座り、俺は化粧を落とされた。化粧を落とし終わると仕事を終えたみんなが入って着た。

「ご主人様、仕事は終わりました。って、あれ?お人形さんが二体、いや二人・・?」

「実はね、ユキには妹がいたの。名前はナツって言うのよ。よろしくね」

「凄く可愛いですね」

「じゃあユキとナツで遊びましょう!」

「は〜い」

そして俺はナツと一緒にみんなに遊ばれ、化粧させられたり着替えさせられたりした。どちらかといえばナツの方が人気はあった。しばらく遊ばれた後に昼食の時間になった。みんなは俺とナツを囲んで食事を取った。みんなは食事を俺とナツに食べさせようとするが俺達が無反応なのでちょっと残念そうなのを坂下が見ると

「お人形さんは食事をしないでしょ?」

と話すとみんなは納得した。

そして昼食を食べ終わるとみんなが坂下の人形になると言ってきたので坂下は俺とナツを人形の状態から解除した。

「ユキ、ナツもう動いていいわよ」

すると体が動くようになったが体が痺れて動けない。

「どうしたの?もう動いてもいいわよ?」

「体が痺れて動けないんです」

「みきおねえさん〜たすけて〜」

しばらくすると俺達姉妹は動けるようになった。

「ナツ、みんなに挨拶してね」

「えっと・・みなさんはじめまして。ユキおねえちゃんのいもうとのナツです。よろしくおねがいします」

みんなは

「可愛い〜」

と叫びナツに抱き着いた。

「ユキちょっと来て」

俺はナツを心配しながら坂下に近づくと耳打ちをしてきた。

「実はね、あなた催眠術が使えるのよ」

「本当ですか?」

「だからちょっとみんなに体が動かなくなるようにしてあげて。あと声は出るようにしてね」

「なぜですか?」

「声を出せなくしたらみんなトイレに行きたいとか体が痛いとか訴えたくても無理なのよ?」

「わかりました」

「じゃあみなさんトイレに行きたい人は行ってきて下さいね」

そしてみんなトイレから帰ってきた。そして坂下とナツを部屋から出して俺はみんなに催眠術をかけた。

「みなさんはご主人様の合図で人形になります。もう一度合図があると元に戻ります。はいっ!」

俺はみんなに催眠術をかけると廊下に居た二人を呼んだ。

「ユキ、みんな動いてるじゃない。どうしたの?」

「みなさんはご主人様の合図でお人形さんになります。もう一度合図をすると元に戻ります」

「あっ、そうなの?じゃあみなさんお人形さんになって!」

するとみんなは体が動かなくなった。

「凄いわねユキ」

「ありがとうございます」

「じゃあユキ、ナツお人形さんで遊びましょう」

「うん!」

「はい」

そして俺達三人はお人形さんになったみんなで遊び始めた。ナツはみんなに話しかけたりしていた。俺は坂下がみんなに化粧をするのを手伝った。

 そして夕食の時間になって坂下はみんなを元に戻して俺は自分が催眠術を使える事を忘れさせた。みんなは俺の作った夕食を食べ終わるとみんなは帰りナツは寝てしまった。

「そういえば私催眠術を使えたんですね」

「睡眠学習でちょっとね」

「そんなに睡眠学習は万能なんですか?」

「当たり前よ!私があの機械作らせるためにいくら出資したと思ってるの?」

「物凄い金額なのはわかりますから。じゃあ催眠術をご主人様にもかけられるんですか?」

「首輪してる時は基本的には私に催眠術をかけるのは無理よ。私が許可した場合は別だけど」

「じゃあ今すぐ首輪を壊し・・」

「ユキ、人形になりなさい!」

俺は坂下の声を聞いた瞬間に指一本動かなくなった。

「勝手に首輪を壊そうなんて・・。ユキ、お仕置きよ!」

そして指一本動かない俺は坂下のお仕置きを受けた。お仕置きの内容はご想像にお任せする。

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