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第二十七話〜後編

 屋敷に帰ると玄関で坂下が出迎えた。長瀬さんは流石に帰っていた。もう時間は真夜中だ。

「ユキ、お帰り〜でナツはどうなったの?」

「それはご主人様の部屋でじっくりと話しますので」

「わかったわ。すぐに行きましょう!」

と少し坂下は興奮しているようだ。そして坂下の部屋の中でテーブルを挟んで向かえ合わせに座った。俺はナツを抱き抱えている。坂下は早く知りたくてソワソワしている。

「じゃあユキ、ナツについての説明をお願い」

「はい。とりあえず預かってすぐに犬としての一通りの事は覚えました」

「やはり賢いわね。それで研究所でナツをどうしたの?」

「研究所では・・説明するより実際に見てもらった方が早いですね」

と坂下にナツを手渡す。

「ご主人様、ナツに何か話しかけて下さい。ナツは人の言葉を理解出来るらしいです」

「本当?ナツ、私の言っている事がわかる?」

「はい、ごしゅじんさま!」

とナツが喋った途端に坂下は激しく驚く。まあ無理も無い。

「ゆ、ユキ!・・い、今ナツが・・ひ、人の言葉を喋ったわよ!」

坂下は言葉を聞いて頷くとかの行動で返事をすると思っていたようだ。

「ご主人様が私好みにしてとおっしゃいましたので、人の言葉を理解、話す事が出来るようにしました」

「凄いわね、ユキ」

「ありがとうございます。ご主人様、それだけじゃありません。肉体強化液を投与しまして普通の犬の数十倍の身体能力を兼ね備えています」

「ユキだけでも凄いのに・・」

「更にナノマシンと特殊な酵素を投与してますので怪我をしてもすぐに治りますし、酵素の働きで食べた物を完全に栄養として体に取り込みます。なので排泄の心配がありません」

「・・だったらトイレの躾はいらなかったわね」

「そうですね。ご主人様、更にナツは首輪している間私とご主人様の命令に絶対服従です」

「なんであなたもなの?」

「私はナツの姉ですから・・」

「じゃあにナツに私が右足を上げてと命令して、ユキが左足を上げてと命令したらどうなるの?」

「試してみます?」

「勿論よ!ナツ、右足を上げて」

「ナツ、左足を上げて」

と二人でナツに命じるとナツは素直に右足を上げた。

「もしも私とご主人様の命令が同時に反するものだった場合は基本的にナツはご主人様の命令を最優先と判断して実行します。ちなみに私もらしいですが自分の生命にかかわるような命令、例えば自殺をしろ等は実行しません」

「そうなの?ならいいわ」

「実はもう一つあります」

「まだあるの?」

「ちょっとナツ、着いて来て」

「はい、おねえさま」

と俺とナツは部屋を出た。そして変身させて服を着せて(俺と同じメイド服)部屋の外にナツを待機させて俺は部屋に戻った。

「あなたナツに自分の事をお姉様って呼ばせてるの?」

「いいじゃないですか。ではご主人様、ナツを呼んで下さい」

「しょうがないわね。ナツ、入って来て」

「はい、ごしゅじんさま!」

と言って入って来たのは人型になったナツだが坂下は気がついていない。

「あれ?入って来たのは・・ユキ?ナツはどこ?」

目の前にいるのは同い年位の女の子である。しかも俺と鏡のようにそっくりである。

「ご主人様、ナツは目の前ですよ目の前」

「目の前・・まさか・・あなたがナツ?」

「はい、ごしゅじんさま!」

坂下は驚きを隠せない。

「ナツ、犬に戻って」

「はい、おねえさま!」

と言い、光りを放ち元の犬の姿に戻った。

「どうですか、ご主人様?ナツを人型に変身出来るようにしました。ちなみに人型のモデルは遺伝子の事と姉ということで私です。でも一つ問題が・・」

「問題って?」

「実は今ナツの知能は幼稚園児位しかないのです」

「別にいいじゃないこれからじっくり育ててれば」

「ご理解いただきありがとうございます」

ちなみに人型のナツと俺は姿どころか声まで一緒だが残念な事に犬の姿になると若干だが声が変わってしまう。しかし研究者の話によると明日にでもにそっくりになるらしい。

「凄すぎて呆れるわ・・まさか犬が言葉を理解、それに喋ってユキそっくりになるとはね・・」

「あの・・ごしゅじんさま、わたしのこときらい・・?」

と恐る恐るナツが聞く。

「そんな訳ないじゃない・・予想以上よ・・ユキもありがとう・・」

とナツを抱きしめる。

「ありがとうございます、ご主人様」

そして坂下はナツにGPS内蔵の首輪を嵌めて眼鏡をプレゼントした。(腕輪は犬になると外れるてしまうため嵌めなかった)ナツはご主人様に首輪をしてもらいとても嬉しそうだった。そしてナツは人型になって俺と同じメイド服を来て眼鏡をかけて

「これからよろしくおねがいします。ごしゅじんさま!」

と挨拶した。

これで俺とナツは坂下に絶対服従の双子のメイドになった。(しかしユキはナツを言葉を喋らせるどころか人に変身出来るようにしたのね・・予想以上だわ・・双子のあの子達を見分けるのはユキのしている腕輪だけか・・流石ユキね、私の考えがわかってるわ。ヤバイ、今後の事を考えると萌えて来た・・)

 その後ユキとナツは不定期に交代して朝に坂下を起こした。起こす際にネコミミと尻尾を出して眼鏡をかけて(ナツは犬だが人型になると尻尾と耳は俺と同じになる)

「ご主人様、私はどっちでしょうか?」

とクイズを出した。

勿論俺の時は腕輪を隠している。ちなみに坂下は当たる確率は結構低い。(あてずっぽうである)そしてバイトに来た女の子達は全員ナツに興味をしめした。

「名前はなんて言うの?」

「ナツって言うの」

「可愛いですね」

「ねえ、実はナツは凄く賢くて人の言葉がわかるのよ」

「本当ですか?」

「私はあなた達に嘘ついた事がありますか?」

みんな首を横に降る。

「じゃあ何か言ってみて」

ナツは彼女達の言う事を確実に実行した。

「凄い・・」

そして俺に歳と種別が違う新しい姉妹が出来た。

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