第二十五話
ネコミミと尻尾をつけられた連休の次の休日。バイトのみんなはもうすぐ来る予定だ。俺はメイドさんがするカチューシャをしてネコミミを出して朝食を作っている。
「ユキ〜お腹す・・」
坂下は俺を見て固まった。そして俺は固まった坂下の方を振り返った。振り返った時に肩甲骨辺りまである伸ばした髪がなびく。そして固まった坂下に
「どうしました?ご主人様?」
と笑顔で返事をする。すると坂下は俺に飛び掛かり抱き着いた。
「ユキ〜可愛い〜私凄く萌えたわ〜」
「ご主人様、離れて下さい!危ないです!」
そして危なく火傷をしそうになりながらも朝食が出来た。テーブルに朝食を置きながら坂下に言った。
「ご主人様、調理中は危ないですから抱き着かないで下さい」
「ユキ、ごめんなさい・・あまりにも可愛かったから・・」
泣きそうな坂下に俺は耳元で囁く。
「仕事が終わったら沢山遊びましょう、機嫌なおしてくださいご主人様」
すると坂下は突然元気になった。(まさか嘘泣きか?)
その時呼び鈴が鳴った。どうやらバイトさん達が来たらしい。
「ご主人様、バイトさん達が来ましたよ」
「わかったわ。ユキ出迎えて」
「わかりました」
そして俺はバイトに来た人達を出迎えた。今日来たのは高橋さん、長瀬さんと先生だった。
「おはようございます皆さん。今日もよろしくお願いします」
と笑顔で挨拶した。しかもネコミミを出して。すると
「お、おはようございます!坂本さん・・」
と返事が返って来た。全員顔が赤く興奮している。そして俺が
「では中でご主人様が待っていますのでどうぞ」
と言い、振り返った瞬間背中に重みを感じた。
「坂本さん〜可愛いです〜興奮します〜」
と長瀬さんと高橋さんが抱き着いて来た。先生は興奮で身動きが出来ないらしい。
「長瀬さん、高橋さん離れて下さい!」
離れないので俺は背中に抱き着いた二人をそのままに先生をお嬢様だっこして更衣室に連れて行った。更衣室に着いても全然離れない二人に俺は尻尾を出して二人をくすぐるとすぐに離れた。
「坂本さん、くすぐったいです!」
「では着替えてリビングまで来て下さい」
そしてリビングにいる坂下にお茶を出した。(もちろんネコミミと尻尾はしまった)坂下はお茶を飲みながら俺に言う。
「ユキ、お茶おいしいわ。ありがとう」
「ありがとうございます」
俺は頭を下げた。
(ちぇっ、ネコミミが出なかったか・・)とかなり残念そうな坂下だった。
そしてみんなが着替えてリビングに来た。
「今日もよろしくお願いします、ご主人様!」
「みんなよろしくね。じゃあみんな手分けして掃除をお願い」
「はい!」
「それとユキは私と来てね」
「わかりました」
そしてみんなは掃除に取り掛かり俺は坂下に着いて行った。そして着いた部屋は坂下の部屋だった。(まさか・・)この後のシナリオが頭に浮かび俺は逃げた。しかし無駄だった。
「ユキ、こっちに来なさい!」
すると俺は振り返り素早く坂下の元に駆け寄った。
そして部屋の中に入り、檻の前に立つと
「ユキ、檻に入って」
やっぱりか・・。俺はリードを繋がれて檻に入った。すると坂下はデジカメを持ってきて写真を撮り始めた。「ユキ、ネコミミと尻尾を出して」
「わかりました・・」
そしてひょっこりネコミミと尻尾を出す。
「凄い・・私ネコミミメイドを飼ってる・・」
すると写真のシャッターを切る音が爆発的に増えた。
「ヤバイ、抱き着きたい・・」
こんな時に檻の中でよかったと思うなぜなら鍵を開けなければ抱き着かれないから。すると坂下は凄い速さで部屋を出た。数分後に坂下はメイド服に首輪にネコミミのカチューシャをしていた。そしてビデオカメラをセットして録画のボタンを押して檻の鍵を外して自分も中に入ってタイマー式の鍵をして中に入った。
「ご主人様、あの・・」
「ユキ、喋らないで」
「はい・・」
こうなると檻は残酷だ。逃げたくても逃げられない。
「ユキのネコミミ大好き・・」
そして坂下はネコミミに触れる。そして俺は尻尾で坂下をくすぐる。
「きゃっ、ユキ!くすぐったい!」
俺は更に両手を追加して坂下をくすぐった。しばらくすると部屋の扉がノックされた。
「ご主人様、坂本さん、昼食をお持ちしました」
「お願いします」
そして入って来たのは先生だった。俺はネコミミて尻尾をしまった。
「坂本さん!ご主人様はどうしたのですか!?」
「眠っています」
坂下は笑い疲れて寝ている。
「食事はどうしますか?」
「置いてって下さい」
「わかりました」
そして先生から食事を受け取った。皿はいつもの皿で中はスープだがスプーンが無い。
「先生、スプーンがないですけど?」
「ご主人様が今日から檻の中にいる人に食事を出すときにスプーンはいらないと申しまして・・」
「そうですか・・」
そして俺はネコミミと尻尾を出してスープを舐めて食べ始めた。先生はその光景を黙って見ていた。しばらくして食べ終わり先生に皿を返した。
「あの・・ご主人様の分は・・」
「ご主人様はお腹が空いたら食べますから大丈夫ですよ」
「そうですか・・」
先生は先程から興奮しているようだ。
「先生、早く出ていかないと大変ですよ」
「そうね!じゃあご主人様によろしくね!」
と先生は慌てて皿を持って部屋を出た。(さて、どうしようか。坂下は寝かせたし檻は時間来るまで開かないし、やることがないから寝るか)そして俺は寝る事にした。しかしネコミミと尻尾をしまい忘れてしまった。 そして俺は寝苦しさで目が覚めた。すると坂下が覆いかぶさってネコミミと尻尾を触っていた。
「・・ご主人様・・」
「ユキ、さっき私死ぬかと思ったわよ」
「私もですけど」
そして鍵が開いた。
「ご主人様、私出ますね」
「却下!」
出ようとした俺のリードを引き中に戻す。そして坂下は素早く外に出て普通の鍵をかけた。
「ご主人様、どうゆうつもりですか?」
「さっき私を殺そうとした罰よ。しっかりと反省してね」
「わかりました・・」
「しかしあなたを見てると段々と興奮してくるわ。凄くネコミミとか尻尾とか触りたい・・」
「私を檻から出せば触れますよ」
「そっ、そうね・・ってユキ、あなた逃げようとしたわね!」
(ばれた・・)
「罰として明日まで入ってなさい。それと檻とか鍵とかは一切壊さないでね。もちろんネコミミと尻尾は出したままよ」
「わかりました」
そしてネコミミと尻尾を出した。坂下は凄く俺を見ていたが見ないようにして俺は寝ようとした。
「ユキ〜こっちを向いてよ〜」
「ご主人様は私に明日まで檻や鍵を壊さずにネコミミと尻尾をだしていなさいとだけ命令しているので私は寝ることにします」
「じゃあ私が命令すればユキは実行するのね?」
「今の私はご主人様の命令に絶対服従のメイドですよ」
「じゃあ命令するわ・・ユキ、こっちを向いておすわりのポーズをして」
「はい」
そして坂下の前でおすわりのポーズをした。すると坂下は写真を撮った。
「ユキ、可愛いわ〜最高よ!」
「もういいですか?」
「う〜ん、もう写真を大量に撮ったし、ビデオも見たいし編集もしたいから寝てもいいわよ。その前に・・はいご飯」
と皿に入ったスープを差し出す。もちろんスプーンはない。
「いただきます」
そして俺は食べ始めた。坂下は俺の食べている姿を凝視している。俺は出来るだけ見ないようにして食べ続けた。しかし最近俺はこの食べ方に慣れてきてしまったらしい・・。しばらくして食べ終わり皿を返そうとした。しかし坂下は拒んだ。
「ねえユキ、皿をくわえてみてくれない?」
「こうですか?」
と俺は犬のように皿を口でくわえた。すると坂下はシャッターを切りまくった。
「もういいわよ。ユキ、皿をもらうわ」
坂下は俺のくわえている皿を受け取った。そして俺は坂下が部屋からでると同時に眠りに落ちた。
そして次の日に起きると坂下が俺と同じ服装で隣で寝ていた。