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第二十二話〜後編

食べている時に坂下は先生に言った。

「先生、実は倒れたメイドにするのはマッサージで終わりじゃないのよ」

「えっ?」

・・まさか坂下はあれをやるつもりか?俺は慌てて止めようとした。メイドになっても俺達の担任だからだ。

「ごっ、ご主・・」

「ユキは喋らないで!」

「はい・・」

「・・ご主人様、私何をされるのでしょうか・・?」

「昼ご飯を食べるまで私の部屋の檻に入ってもらうのよ」

「檻ですか?」

「別に檻の中で何かするわけではないわ。黙って居るだけでいいの。そうだ檻の中で仕事をしたら?」

「わかりました・・」

「ユキ、先生を私の部屋に連れて来てね。私は準備があるから」

「わかりました。ご主人様」

そして坂下は自分の部屋に向かった。

「坂本さん、あの・・檻って・・」

「・・初めは私がご主人様とゲームをしたときの罰ゲームで使ったのですが・・それ以来ご主人様がメイドを檻に入れて外から眺めるようになってしまって・・」

「そうなんですか・・」

「・・じゃあご主人様の部屋に行きましょうか。あんまり遅いと私まで入れられますから」

「凄いですね。ご主人様は」

「・・たまにご主人様は檻の中で寝ていますよ。しかもメイド服で」

「えっ!どうして?」

「ご主人様は狭い所が好きで落ち着くらしいです。しかもメイド服で檻の中にいるのは萌えるらしいです」

そして先生をトイレに行かせてから坂下の部屋に向かった。

「ご主人様、先生を連れて来ました」

「入って頂戴」

「失礼します」

そして部屋に入ると坂下はベットに腰掛けていた。

「ユキ、遅いわよ」

「申し訳ありません」

「たまにはあなたも入ったら?」

「ご主人様が入れとおっしゃるなら入ります」

「じゃあ入ってね」

「わかりました」

「じゃあ先生、檻に入りましょうか」

「はい・・」

扉を開けて檻に入ろうとする先生を坂下は止めた。

「ちょっと待って先生!檻に入るメイドはこれをするの」

と言って坂下は首輪を出した。そして首輪を先生の首に巻いて鍵をかけた。先生の顔が少し赤い。

「じゃあこれも」

と坂下は二本のリードを出して俺と先生に繋いだ。

「先生、ユキ、さあ入って」

俺と先生が檻に入ると扉に鍵をかけてリードの先端を鉄格子に結んだ。

「じゃあ昼ご飯まで二人で入っててね。先生これ」

と坂下は先生にノートパソコンを渡して部屋を出た。

「先生、顔が赤いですけど・・どうしたのですか?」

「首輪が恥ずかしくて・・私初めてよ首輪なんてしたの!・・そうゆう坂本さんは恥ずかしくないの?」

そりゃそうだ普通の人はしない。

「私は首輪をご主人様に嵌められてからかなりの日数が経ってますので平気です。ちなみに先生、首輪を外そうにも腕輪みたいに鍵がしてあってご主人様以外に外せませんよ」

「破壊出来ないの?」

俺は首を横に振った。

「ご主人様が言うには首輪は腕輪と同じ特殊な合金に革をコーティングしているらしくて、破壊しようとするなら大型の工作機械を使わないと駄目らしいです」

「そうなの・・もしご主人様が鍵を無くしたら一生このまま?」

「最悪の場合はそうなりますね」

(まあそうなったら俺が破壊しますから大丈夫ですよ先生)

先生はうなだれていた。

「・・そういえば坂本さんはさっきご主人様の命令に逆らわなかったわね。どうして?」

「・・話しますから誰にも話さないで下さいね」

「わかったわ。私は人の秘密知っても喋った事無いの。大丈夫よ」

「実は私はこの首輪をしている時に限りご主人様の命令に絶対服従するようになったんです」

「そうなの?でもこの首輪外れないのでしょ?」

「はい・・」

そして話す事も無くなり先生はノートパソコンを開いて仕事を始めた。俺は先生と背中合わせになった。しばらくすると坂下がやって来た。

「何話してたの〜?」

「話したことといえば私とご主人様の先程のやり取りに関してです」

「ふ〜ん、まあいいか。はいご飯」

「ありがとうございます。ご主人様」

やはり食事はスープで犬や猫が使う皿に入っていた。

「いただきます。・・って先生は食べないのですか?」

「なんかこの皿で食べるのに抵抗があって・・」

「スプーンはありますよ。しかも食べないと檻から出してもらえませんよ」

「本当?」

「先生、私は嘘をつかない性格なので。しかもしばらくするとご主人様がスプーンを持って行きますから大変ですよ」

「でも・・」

「ごちそうさまでした。先生!早く食べないと・・」

「わかってるんだけど・・手が・・」

「はい時間切れ。ユキは出してあげるけど先生は食べるまで入っててね」

すると坂下は素早くスプーンを先生から奪い取った。そして俺はリードを外してもらい外に出た。先生は出ようとしたがリードが結んであるので出られなかった。

「先生、罰として手を使わないで食べてね」

「そっ、そんな・・」

「じゃあいい記念だから写真撮っておく?ユキ止めないでね」

「わかりました」

「やめて!それだけは!坂本さん、何とかして!」

先生は涙目で俺に訴えている。

「先生、先程おっしゃいましたが今の私はご主人様に絶対服従のメイドなんです」

「そんな・・」

先生は絶望していた。

「ああ〜萌えるわね〜美人女教師がメイド服着て首輪して檻に入ってるわ〜やっぱり写真を撮るしかないわね!」

「・・ご主人様、やめて下さい・・」

と先生は小さく呟いた。

そんな声はまったく坂下に聞こえておらず写真を撮りまくっていた。

「あぁ・・」

先生は檻の中で涙を流した。写真を撮り終わると坂下は言った。

「先生、安心して。私は先生をこの写真で脅迫したりしないわ」

「・・本当ですか・・?」

「本当よ。先生がご飯食べたらデータを消すから」

「わかりました・・」

先生は皿の中のスープを猫のように舐め始めた。しばらくして 「・・ご主人様、食べ終わりました・・」

「よく出来ました!じゃあデータを消すわね。見てて」

坂下はデジカメをパソコンに繋いで画像データを消した。

「・・ありがとうございますご主人様・・」

「じゃあ約束どうり檻から出して上げる。ユキ、先生を出してあげて」

「はい!」

そして素早く俺は先生を檻から出した。

「どうだった?人生初めての檻と首輪は?」

「かなり恥ずかしかったですけど・・ドキドキしました・・」

「クラスのみんなも同じ事を言うわ」

「そうですか」

と先生と坂下はクスクス笑った。その後先生は家で働く時に首輪をするようになった。

 次の休日バイトに来たクラスの女子は驚いていた。なぜならクラスの担任がメイド服を着て首輪を嵌めて腕輪をして働いているのだから。

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