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第二十二話〜前編

 先生が坂下家に初めて来た(坂下が俺に命令して拉致した)次の休日、先生はメイド服にはまってしまい休日に教師の仕事が無ければ家に来ているらしく、来る頻度と払っている給料の額はかなり多い。

こんなに先生が頻繁に来る理由としては、先生は独身で今は彼氏がおらず、(先生は顔とスタイルは凄く大学のミスコンでグランプリに輝いたとか)特に休日は仕事くらいしかやることがないらしく、坂下家にバイトに来れば好きなメイド服も着れるし、家事の勉強が出来るし、暇が潰せるしと一石二鳥どころか一石三鳥なのだ。ちなみに仕事はバイトの合間にやっているらしく、いつもノートパソコンを持って来ている。ちなみに今俺は先生に料理を教えている。今日の昼食は料理の上達具合を知るために先生にお願いした。そして昼食が出来上がり先生と俺と坂下で食べた。(今日はクラスの女子が来ていない)

「坂本さん、ご主人様、美味しいですか?」

と恐る恐る聞く先生。先生は緊張して俺達を見ている。・・どうやらこの家では坂下と先生の立場が学校と逆転するらしい。

「・・ユキには及ばないけど美味しいわ。先生、腕を上げたわね」

「最初の頃よりだいぶ上達しています。美味しいですよ先生」

「ありがとうございます!嬉しいです。坂本さん、ご主人様!」

と先生は俺と坂下に深々と頭を下げた。学校じゃ絶対に見れない光景だ。

「さあ先生も料理が冷めない内に食べてください」

そして先生は自分で作った料理をそっと一口食べる。すると先生は涙目になった。

「どうしたの?先生」

「こんなに美味しい料理を自分が・・嬉しくて涙が・・」

あ〜泣き出しちゃった。

「先生は凄く熱心に勉強してましたから」

「いえ、坂本さんの教え方が丁寧だったので・・」

と泣きながら話す先生。

「よかったね先生。料理が上手になって」

「はい、ご主人様!」

そして食べ終わると

「じゃあユキ、デザートをお願い」

「畏まりましたご主人様」

「えっ坂本さんデザートを作っていたのですか?」

「はい、先生に料理を教えている合間に作ったんです」

「凄い・・」

そして俺は冷蔵庫からお手製のケーキを取り出してテーブルにおいた。

「ご主人様、先生、お口に合えばいいのですが・・」

「今までユキが作った料理で口に合わなかった物は無かったわよ。じゃあいただくわ」

「美味しそう・・いただきます、坂本さん」

と二人同時にケーキを一口。

「・・美味しいです!坂本さん、こんな美味しいケーキを食べた事はありません!」

「美味しい!・・流石ねユキ、更に腕を上げたわね」

「先生、ご主人様、ありがとうございます」

俺は二人に頭を下げた。

「そういえば坂本さんはどうしてこんなに家事が上手いのですか?」

「それは・・両親が共働きで家事を自分一人でやっていたからです」

「そうだったの」

「では仕事をしましょうか先生」

「そっ、そうね!」

先生は慌ててケーキを食べ終わった。

「坂本さん、今度お菓子の作り方も教えてね」

「わかりました」

そして俺は先生と屋敷の仕事に取り掛かる。

「先生、食器洗いと屋敷の掃除どちらがいいですか?」

「大変なのはどちら?」

「断然掃除ですね」

「じゃあ掃除をやるわ」

「どうしてですか?」

「生徒に大変な仕事を任せておけないわ」

「じゃあ私は自分の仕事が終わり次第手伝いに向かいますから頑張ってください」

「まかせて!これでも体力には自信があるのよ」

先生は日頃ジムに通っていて体を鍛えているらしい。そして先生と別れた。俺は食器洗いを素早く終わらせて先生の掃除をしているであろう部屋に向かった。(クラスの女子のバイトを監督している経験から)すると見事先生は俺の予想どうりの部屋で掃除をしていた。しかし先生の顔色がヤバイ。

「先生、大丈夫ですか?顔色が凄く悪いですよ」

「・・坂本さん?大丈夫よこれくらい・・それにしても広い屋敷よね・・」

「あまり無理しないで下さいね。以前ご主人様が家事をして倒れた事がありましたので」

しかもバイトに来たクラスの女子も何人か倒れている。

「・・そうなの?ご主人様が・・」

先生は操り人形の糸が切れたようにその場に倒れた。

「先生!大丈夫ですか?先生!」

どうやら疲労で倒れたらしい。そして先生を担いでベットに寝かせた。

 しばらくして先生が目を覚ました。

「先生!よかった目が覚めて」

「先生無理しすぎですよ」

「坂本さん、ご主人様・・私・・駄目なメイドですね・・」

と先生は涙を流した。すると坂下はクスクス笑った。

「ご、ご主人様・・?」

「大丈夫よ先生。私も倒れた事があるから。しかも先生もみんなと同じね」

「何がですか?」

「仕事中に倒れて目が覚めるとみんな同じような事を言うのよ」

「そうなんですか・・・」

「今でも家事を全部一人で出来るのはユキだけですよ」

「ご、ご主人様!・・恥ずかしいです・・」

「それではご主人様。みなさん目が覚めたらどうしているのですか?」

「それはね、私が駄目なメイドにお仕置きするの」

「ほっ、本当ですか?!」

先生の顔が青ざめる。絶対先生が来た日に坂下が何か恐ろしい事をしたな。

「嘘よ嘘。倒れた人はユキによる特別マッサージを受けてもらって明日に疲れを残さないようにするの。ユキのマッサージは最高よ先生」

「ありがとうございますご主人様・・」

と先生の顔に安堵の表情が出た。余程坂下に初めて来た日に凄い事をされたようだ。

そして俺は先生にマッサージを施した。

「坂本さん、気持ちいいわ・・」

「ありがとうございます先生」

そしてマッサージが終わると先生はぐっすり寝ていた。俺は先生の横に置き手紙をして電気を消して部屋を出た。(手紙には夕飯は起きたお腹が空いたら食べてください。と書いた)

キッチンには坂下が待っていた。

「ユキ、夕飯は?」

「今からお作りしますのでしばしお待ち下さい」

「わかったわ。急いでね」

「はい。ご主人様」

そして俺は素早く夕飯を作った。夕飯を食べ終わった坂下は自分の部屋に帰った。俺は食器を洗いそして先生の夕飯をテーブルに置いてキッチンの電気を消して自分の部屋に行きメイド服からパジャマに着替えて眠りについた。

 次の日に朝食を作ろうとキッチンに行くと先生が朝食を作っていた。

「先生!体は大丈夫ですか?」

「あら、おはよう坂本さん。おかげさまで体はバッチリよ。それと夕飯も美味しかったわ」

キッチンの流しに昨日先生の夕食を入れた食器が入っていた。

「朝食作りは任せて。坂本さんはご主人様を起こして来て」

「わかりました。お願いします先生」

そして坂下を起こして朝食を取った。

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