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第二十一話

 ある週の金曜日の夕方、学校から帰ると坂下はかなりご立腹だった。

「ご主人様・・どうなさいました?」

「ユキ!ちょっと頼める!?」

「なんでしょうか?」

「大至急この人をここに連れて来て!」

坂下は俺に写真を手渡す。写真には美しい女性が写っていた。

「この人・・クラス担任の高橋綾香先生じゃないですか!」

俺達のクラス担任の高橋綾香先生は普段は優しい先生だが一度怒るとかなり怖い。一時期二重人格の噂が出たくらいだ。おそらく坂下は先生の逆鱗に触れたのだろう。

「そうよ!」

「なぜですか?」

「先生がね今日私がクラスの女子にプレゼントした腕輪について文句を言って来たの。だからちょっと説得しようと思ったから」

(・・かなり胡散臭い。絶対先生に何かする・・)

「出来るの?出来ないの?返事は?」

「畏まりました」

「ご主人様、綾香先生についての情報はありますか?」

すると坂下は数枚の紙を俺は取り出して俺に渡す。それには綾香先生の事細かな情報が書かれていた。

「今すぐにここに連れて来て!手段は任せるわ!ちなみに服装はメイド服でね」

「畏まりました。ご主人様・・ってなんでですか?」

「だって今からユキは人の家に忍び込むのよ。忍び込んだのがメイドさんだったら萌えるじゃない」

「わかりました・・」

俺は情報の書いてある紙をすべて完璧に暗記して紙を焼却処分した。(坂下・・こんな時に萌えるだなんて・・)

部屋を出た俺は薬品の入ったビンとハンカチと数種類の道具を持って家を出た。

走る事数分、先生の住んでいるマンションに着いた。

情報によるとこの時間帯は家でくつろいでいるらしい。しかも情報の中には俺の事をかなり好意に思っていると書いてあった。マンションに入るとインターフォン?があった。住人がいる部屋番号を押して部屋を開けてもらうシステムだ。幸い声だけで姿は見えないらしい。もしかしたら俺の服装(メイド服)を見たら追い返されるかも知れないからだ。そして紙に書いてあった部屋の番号を押した。すると綾香先生が出た。

「どちら様ですか?」

「先生、担任のクラスの坂本ですけど・・今大丈夫ですか?」

「さっ、坂本さん!?いっ、今開けるから!」

かなり動揺している。情報どうりだ。

そして扉が開いて先生の部屋に向かった。まあロックを抜ける方法はいくらかあったが先生が俺に好意に思っているため使わないでよかった。(俺はこんな犯罪まがいな事も完璧に学習している。ちなみに坂下家で準備した道具は家に忍び込むための道具である)そして部屋の前で呼び鈴を鳴らした。すると慌てた様子で先生が出て来た。

「よう・・どうしたのその服!」

「先生、中で話します・・」

「そっ、そうね!中に入って!」

「お邪魔します」

そして中にはいった。そしてリビングのテーブルに座り対面に先生が座った。

「とりあえず聞きたい事は沢山あるわ・・とりあえず・・用件は?」

「実は坂下さんが先生に怒られたらしくて・・」

「誰に聞いたの?」

「本人です。私相談されまして・・どうして先生は怒られたのですか?」

「いや・・坂本さん・・たいしたことじゃないの・・」

「でも坂下さんは凄く悲しんでました」

「いや、・・彼女がクラスの女子にプレゼントしたらしい腕輪みたいなものが気になって・・問いただしたの」

「それって・・これですか?」

俺は左手を出し腕輪を見せる。腕輪を見た先生は動揺を隠せない。

「なっ、なぜあなたが・・?」

「それは私の服装も関係あるんです・・」

「どっ、どうゆうこと・・?」

「坂下さんは私のご主人様なんです」

「ご、ご主人様って・・どう・・んっ!」

俺は素早く背後に回り薬品を染み込ませたハンカチを先生を口に当てた。

「おやすみなさい、先生・・」

「坂本さ・ん・・」

俺はすべての証拠(指紋など)を隠滅して眠らせた先生を担ぎマンションを後にした。そして人目に着かないように急いで帰った。

「ご主人様、ただ今帰りました」

「ユキ、遅いわよ」

「申し訳ありません、ご主人様」

「じゃあそこの部屋に先生を運んで。それと私が中から出るまで絶対に中に入らないでね」

と坂下はある部屋を指差す

「畏まりました」

そして先生を部屋の中に運んだ。部屋は真っ暗で中は見えなかった。

そして坂下は部屋に入り中から鍵をかけた。

・・・そして中から坂下と先生が出て来たのは日曜日の夕方だった。幸か不幸かクラスの女子は誰もバイトに来なかった。先生はなぜか目に生気が無い。俺は出て来た坂下に声をかけた。

「ご主人様!」

「・・ユキ、先生を家に帰してきて。その前にご飯ね。お腹が空いたわ」

「畏まりました」

俺は準備していた夕飯を出した。先生は黙々と食事をしていた。

「ご主人様、先生に何を?」

「別に何もしてないわよ。ただ先生と話し合いしてただけ」

絶対に嘘だ。だったらあんな目にはならない。

「本当ですか?」

「文句あるの」

「ございません」

「それと先生の家に着いたらこれを渡しておいて」

坂下は紙袋を取り出す。

「わかりました」

夕食を食べ終わり俺は先生を家に帰す事にした。帰りはタクシーだ。帰り道先生眠っていた。しばらくしてタクシーを降りて先生のマンションの部屋に着いた。俺は先生をベットに寝かせて紙袋をテーブルに置いて玄関に鍵をかけて帰った。なぜ先生の玄関の鍵があるかというと坂下に命じられて休みの内に俺が作ったのだ。

 次の日、登校中に先生に合った。

「先生、おはようございます」と俺と坂下は先生に挨拶すると

「おはようございます、坂本さん、ご主人様」

と先生が挨拶してきた。俺はビックリした。先生が坂下をご主人様と呼んだからだ。

「坂本さん、どうしたの?」

「い、いえ!別に・・」

「じゃあご主人様、私は職員会議があるので失礼します。坂本さん、またホームルームでね」

と足速に学校に向かった。その時先生の左腕が一瞬光った気がした。

学校で賑やかに話していると先生が教室に入って来て朝のホームルームが始まった。

先生の左腕にはしっかりと俺やクラスの女子がしている腕輪と同じ物が嵌められていた。

しかも休日には坂下家に坂下が渡した紙袋をもって来てメイド服を着て家事をした。(紙袋の中はメイド服と腕輪だったらしい)しかも先生は俺に家事の仕方を熱心に聞いてきて内容をメモしていた。どうやら先生は家事が苦手らしい。(確かに部屋が少し散らかってたかな?)そして先生は坂下のメイドになった。・・ちなみに坂下が先生とした行為についてはこれまたご想像にお任せする。

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