第十八話
初詣から数日たって朝早く俺が朝食を食べ終わり食器を片付けていると呼び鈴がなった。確認するとクラスの女子が十人ほどやって来た。俺は坂下に報告した。
「ご主人様、クラスの女子の皆様がやって来ましたよ」
「時間どうりね。ユキはお茶の準備して。出来たら私の部屋に持ってきてね。私は彼女達を中に案内するわ」
「畏まりました」
そして坂下は玄関に向かい、俺はお茶の用意をした。俺はお茶を持って坂下の部屋に行くと部屋の中から話し声が聞こえる。
「失礼します」
と俺はお茶を持って部屋に入った。
「ユキ、ご苦労様」
と坂下は普通に声をかけるが、他の人達は固まった。まあ俺がこんな姿(メイド服、首輪、腕輪)をしているからだろう。そして一人が話始めた。
「もしかして・・同じクラスの坂本さんですか・・?」
「はい」
「なぜここに?」
「あなたがたと同じでアルバイトみたいなものです。みなさんよろしくお願いします」
俺は笑顔で答えた。そしてクラスの女子が俺に飛び掛かる。何とかかわそうとするが怪我をするかもしれないのでそのままかわさないでいた。そして俺は揉みくちゃになった。
みんなが離れた後に着衣の乱れを直した。
「なにするんですか!」
「・・・ごめんなさい、つい可愛いかったから・・・」
そして俺はみんなにお茶を入れてケーキを出した。俺は古今東西のお茶の美味しい入れ方の知識が頭の中にある。みんなはお茶とケーキに舌鼓をうっている。お茶とケーキを食べ終わり、片付けていると坂下はみんなに言う。
「じゃあ今日からよろしくね」
「はい!」
みんなが返事をすると袋や鞄からメイド服を取り出した。そして着替え始めたので俺は素早く部屋を出た。そして部屋に戻るとみんな(坂下以外)がメイド服に身を包んでいた。
「じゃあ基本的なことは今説明した通りでわからない所はユキに聞いてね」
「はい。ご主人様!」
凄い・・みんなやる気満々だ・・。
そしてみんなで役割を分担して取り掛かることにした。俺は愛川さんと松本さんとで料理をすることになった。ちなみにほかの人は家の中の掃除をすることになって料理が終わり次第掃除を手伝うことになっている。そしてキッチンで昼ご飯を作る事になった。
「坂本さんっていつから働いているのですか?」
と愛川さん。
「夏休みに坂下さんから家に招待してもらいまして・・」
と俺。
「しかし手慣れてますね。凄いです」
と松本さん。
「自宅では家事を私一人でやっていますので慣れているんです」
と俺。
と会話をしていると昼食が出来た。
すると匂いにつられてかみんながキッチンに入って来た。
そして昼食は賑やかなものになった。
そして昼食が終わり俺は愛川さんと松本さんに片付けを任せて掃除にいった。
すると一つの部屋を一人が担当しているが一つ一つの部屋が大きいから苦労している。俺は素早く掃除を手伝い(実際は彼女達が俺を手伝った)終わらせた。やはり人数が多いのでかなり早い。そして三時になったのでみんなが坂下の部屋に集まっておやつの時間とした。おやつは俺の手作りのお菓子と紅茶である。みんなが美味しそうに食べてくれて俺は嬉しかった。
「そういえばなぜご主人様の部屋に檻みたいな物があるのですか?」
「それはね・・・」
「それは私がご主人様とゲームをしたときに罰ゲームで使用したのです」
と坂下の口をふさいで説明した。
「だったらこれからゲームしましょう。一番負けた人がこの檻に入る罰ゲームをするってことで」
坂下が提案する。するとみんなは賛同した。しばらくして結果を発表した。結果は高橋さんが檻に入る事になった。(ちなみに一位は坂下で二位は俺)そして高橋さんが檻に入ろうとしたときに坂下はどこからか首輪を取り出して彼女の首に嵌めた。そして檻に入り鍵をかけた。
「ねえ、高橋さん。中にいるとドキドキしない?」
「凄くドキドキしますね」
彼女は顔が真っ赤だ。するとみんなが
「本当に?」
とか
「私も檻の中入ってみた〜い」
とか
「首輪いいな〜私もしてみた〜い」
とか言う。すると
「ここに首輪あるけどどうする?」
とみんなに向かって言う。
するとみんなは首輪を受け取って首に嵌める。
そして坂下は首輪の鍵をかける。
すると鍵をかけられたときにみんなは顔が赤くなる。おそらくみんなは首輪をして鍵をかけて外せなくなって興奮しているのだろう。その興奮した姿を見ている坂下は笑っていた。おそらく彼女の計算どうりに事が進んだのだろう。そして俺は加藤さんと山本さんとで夕飯の準備をした。もちろん首輪をしたままだ。
「首輪って興奮するね」
と山本さん。
「そうよね〜この拘束感が萌えるよね〜」
と加藤さん。
どうやら家に来た人方はみんな坂下との類似点が多い。
「坂本さんはどうですか?」
といきなり二人が同時に聞いてきた。
「い、いや特に・・」
と俺は慌てて答えた。
夕飯も終わり風呂の時間になった。するとみんなが俺と一緒に入浴しようとした。流石に断ろうとしたが強制的に浴室に連れて行かれた。首輪を外して服を脱いだ。そして坂下宅の大浴場がお披露目になった。俺は浴槽の隅で暖まっていたが加藤さんが俺の腕を引いて椅子に腰掛けさせて体を洗われた。
「凄いスタイルですね・・羨ましいです・・」
と加藤さん。
「そうですか?加藤さんの方が綺麗ですよ」
と笑顔で答える俺。彼女は褒められて顔を赤くする。
「そういえば坂下さん腕輪してますね?取らないのですか?」
「これはご主人様がプレゼントしてくれた物で鍵がしてあって外せないのですよ。しかも特注品らしいです。ご主人様のメイドという証みたいなものですかね?」
「そうなんですか。いいな〜メイドの証か〜私もご主人様に頼んでみよ〜」
う〜んどんどん彼女達が坂下の思い通りになってきている気がして怖くなるな。
風呂から出て着替えていると他の人達もでてきたため素早く着替えて浴室をあとにした。
流石に何人か帰ると思ったが誰ひとり帰らなかった。
そして坂下は彼女達に部屋を割り当てた。
そして俺はパジャマに着替えて眠りについた。
次の日に寝苦しさで目が覚めると俺の寝ているベットにこの家にいるすべての住民が首輪をして(坂下以外)寝ていた。
俺はみんなを起こさないように部屋をでて朝食の準備をして部屋に戻りみんなを起こした。
そして数日後みんなが帰るときに坂下が一人一人に封筒を手渡した。そして坂下は封筒とともに何かを渡していたがよく見えなかった。
みんなは封筒の中よりも坂下に渡された何かにとても喜んでいた。その後よくクラスの女子が坂下の家にバイトをするようになった。おそらく最初に来た女子が紹介したのだろう。中には今やっているバイトを辞めてまで来ている人もいた。学校が始まるまでにクラスの女子がメイド服持参で数回にわけて全員来た。ある人は何回も来て仕事をした。
学校が始まりクラスの女子と久しくない対面をするとクラスの女子は全員俺と同じ腕輪をしていた。
坂下が彼女達に渡していたのは腕輪だったらしい。
彼女達は坂下を見ると腕輪の鍵を渡した。
これで彼女達は坂下の許可がないと一生腕輪を外せなくなったわけだが気にしていないようだった。
それどころか坂下を差し支えがない時にはご主人様と呼ぶようになってしまった。
「よかったじゃないユキ。みんなお揃いよ」
「そうですね。ご主人様」
それから休日になると坂下宅でクラスの女子はバイトとして俺と共にメイド服、首輪、腕輪のスタイルで働くようになった。しかも頻繁に大勢で来るので坂下は雇用契約書を書かせて彼女達がしている腕輪にICチップを埋め込んで彼女たちの仕事を管理した。給料はその日の内に銀行口座に振り込むか現金を手渡しすることにした。これにより坂下家バイトシステムが完成した。クラスの女子は給料のいいバイトとして、坂下にとってはメイドが増えた事で萌えている。両者どちらも得があるので問題は無かった。俺も仕事の量が減るので異論は無かった。