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第十七話

日は過ぎ去りもう大晦日です。では大晦日の坂下宅を覗いて見ましょう。

「ユキ〜年越蕎麦まだ〜?」

「もう少し・・ご主人様、出来ました」

俺はキッチンで年越蕎麦を作ってテーブルに置く。俺は麺やスープもすべて一から作った。(彼女がそうしろと命令した)素材はすべて最高級品を惜し気もなく使い、俺の頭の中の料理の知識を総動員させて完璧に作った。それが意味するのは彼女のコメントでわかる。

「美味しい〜!!ユキ、凄く美味しいよ〜」

「ありがとうございます。ご主人様!」

俺も食べるがかなり美味い。

「やっぱり大晦日は年越蕎麦だよね〜」

「そうですね」

「そういえば私、毎年年越しを一人でやってるのよね」

「えっ、ご主人様の両親はどうなさっているのですか?」

「両親は年中海外で仕事してるわ家に帰るのは数年に一度だけよ」

「私の家も両親が共働きで年中出張で家にいません。ですから年越しは家で一人です」

「ユキはモテるから彼女とかと年越ししていると思ってた!」

「いいえ、今まで告白された事は多々ありますが付き合った事は一度もありません」

「そうなの?もったいない・・・」

「モテるのはいいのですが相手を幸せに出来るかと思うと・・。しかし今はご主人様がいらっしゃるので私には十分です」

「ユキ・・」

しばらくして

「ご主人様、正月の特別番組を見ませんか?」

「う、うん。そうだね!」

そしてテレビの中でカウントダウンが始まった。あと十分で今年が終わる。

「今年はいろいろとありましたね。ご主人様」

「そうね」

「私がご主人様の家に泊まりに来て花瓶を壊したのが始まりでしたね」

「そうね」

「そしたらご主人様は私にメイド服を着せて薬を投与して手術までして女の子にして首輪着けてしまいには檻にまで入れましたから」

「ユキ、思い返さなくていいから・・頭が痛くなるわ」

「ご主人様、それは精神的なもので安静にしていればすぐに良くなります。・・・そうそう睡眠学習でいろいろな知識を・・・」

「ユキ、もうやめて・・命令よ」

「はい」

俺はピタリと話を止めた。

「あと一分で今年も終わりね」

「はい」

テレビの中のタレントがカウントを始めた。俺と坂下もカウントを取り始めた。

「五、四、三、二、一・・ユキ〜新年あけましておめでとう〜今年もよろしくね!」

「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします、ご主人様」

そして朝になると

「ユキ、初詣行こう」

「はい!」

「はい。これ浴衣ね」

坂下は素早く浴衣を取り出した。

「着替えますので少々おまちください」

俺は浴衣を着た。初めて着るがちゃんと着れた見たいだ。携帯と財布を持って玄関に向かう。

「お待たせしました。ご主人様」

「じゃあ行きましょう」

「はい・・て、首輪取って下さい!」

「可愛いからだめ」

「わかりました・・」

・・今すぐに壊そうかな?

そして俺は首輪が見えないように何とか工夫しようとしたが彼女の命令で出来なくなった。

なので諦めて初詣に行くことにした。

神社につくと参拝客でいっぱいだった。

何とかお参りしようと人込みをかきわけて進み、賽銭箱にお金を投げた。

(賽銭箱は遠くから投げて入れられるように大きく作ってある)そしてお願いをして戻ろうとした時に坂下と逸れてしまった。やはりこの人込みである。当然といえば当然か。何とか俺は人込みを抜けて鳥居の下にいて坂下を探そうとしたがすぐに坂下が人込みから出て来て一直線に俺に向かってくる。今俺と坂下はかなり離れているが迷いなくこちらに来る。(毎度のことながら何で居場所がわかる?)

「ユキ〜あ〜よかった」

「ご主人様、よく居場所がわかりましたね?」

「人込みから抜けたらあなたが見えたからね。私視力は良いのよ」

聞くと坂下の視力は両目2.0らしい。ちなみに俺の視力は肉体強化液のおかげで両目5.0以上あるらしい。

「ユキ、おみくじやるわよ」

「はい」

そして二人でおみくじをひくとどちらも大吉だった。

「ご主人様、私のおみくじに転機がくるって書いてあります。去年来ましたよ凄い転機が」

「そうね。ユキ、私思うんだけどおみくじで凶ひく人って凄い運あると思うのよね」

「そうですね、確かに凶って枚数少なそうですし・・」

と笑いながら歩いていると

「それより屋台に行かない?」

「はい!私屋台とか好きなんです!」

そして二人で屋台に向かって歩いている。

「ねえユキ、なにお願いしたの?」

「今年もご主人様と楽しく暮らせますように。とお願いしました。ところでご主人様はどんなお願いを?」

「私も今年ユキと楽しく暮らせますようにってお願いしたわ」

「うれしいです。ご主人様・・」

「私もよユキ・・」

歩いているとクラスの女子が数人歩いて来て俺達に声をかけてきた。

「坂下さん、坂本さん、あけましておめでとう〜」

「おめでとう、みんな」

と坂下。

「みなさん。あけましておめでとうございます」

と俺。

「何で一緒にいるんですか?」

「私が坂下さんに大晦日に呼ばれまして・・・」

答えている間みんなは俺の首を見ている。なんせ浴衣に首輪しているのだから。

「何で首輪みたいなのしてるんですか?」

「実は坂下さんと大晦日の夜にゲームで勝負して負けまして・・罰ゲームでしてるんです」

「坂本さんゲーム弱いんだ〜」

(もちろん坂下に命令されて首輪しているなんて言えない。みなさん!俺はオンラインゲームで世界一位ですよ!)

「じゃあ一緒に屋台に行きませんか?」

と俺は提案する。

「賛成〜」

屋台に向かって歩いていると坂下はクラスの女子に話しかけた。

「そういえば私がプレゼントしたメイド服どうしたの?」

「実はたまに家で着てます・・」

「今度私の家でメイドさんとして働かない?バイト代奮発するわよ」

「・・・失礼ですがちなみにおいくらですか?」

と耳打ちする。

「時給・・円」

と耳打ちした。

金額は聞こえなかったが女子の反応でわかる。

「本当ですか?ぜひ行かせてもらいます!」

おい、恐ろしい事言わないでくれ・・。一体いくら払うんだ?

そして坂下に耳打ちを受けたクラスの女子の一人が他の友達に

「坂下さんの家で働かない?」

と提案していた。

「ユキ、よかったじゃない仕事が楽になるわよ」

と囁く。

「そうですね・・」

大丈夫かな?仕事は半端な辛さじゃないぞ。

そして屋台に到着するとみんなテンションが高い。(俺以外)そして屋台の定番の射的をやる事にした。

俺はプロ並?の実力でリクエストされた物を一発でゲットした。

みんな嬉しそうだった。

終わる頃には射的の景品で手が塞がっていた。坂下は射的の景品をすべてゲットしようとして財布を出して俺に命令しようとしたが俺が坂下の口を抑えて静かに店を離れた。(あぶねえ、命令されたら店の店主に怒られる所だった)そして坂下はみんなに自宅に来る日を決めて住所を教えていた。別れる時に坂下は

「他の友達も誘っていいからね」

と言った。・・・やめてくれ。そして俺と坂下は帰宅した。

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