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第十六話

「ねえユキ、借金帳消しにしてあげようか?」

という一言から今回の物語はスタートする。

「本当ですか?」

「条件付きよ」

借金が帳消しになれば俺は坂下から解放される。

「どんな条件ですか?」

「・・条件はあなたが永久に私の傍に居ることよ・・」

「えっ・・?」

「・・借金返済って形じゃ無くて純粋に一緒に居たいの・・」

「ご主人様は私と一緒に居たいのですか?」

「うん・・」

「私は今首輪をしているのでご主人様の思う通りに出来ますけど」

「あなたの本心が聞きたいの」

と坂下は俺の首輪をはずした。

「・・ご主人様・・少し考えさせて下さい・・」

俺は自分の部屋に入った。

俺は借金返済の為に坂下と一緒にいる。しかし借金はかなりの金額であり普通の人は一生働いても返せない額である。しかし俺は坂下のお陰で普通の人よりかなり長生きできるらしい。なのでいつかは返済出来る日がある。(と思う)坂下が言うには

「借金を返済するまで」

という果てしなく長いが有限である期間を無期限にしようとしているのだ。

この条件を承諾すると借金は帳消しになり俺は永久に坂下と一緒に人生を歩む事になる。条件を承諾しないと借金はそのままでいつかは別れる時が来る。俺はいつも坂下が思い付く我が儘に振り回されてお仕置きを受けている。とても苦痛で嫌だ。しかし俺は彼女が好きなのだ。坂下を愛している。俺の頭の中では愛と苦痛が葛藤を繰り返していた。

そして長い長い葛藤の末、一つの結論を出して彼女の部屋に入った。

「ご主人様、一つお聞きしたい事があります」

「なに?」

「ご主人様は私を愛していますか?」

その言葉を聞いた瞬間に坂下は動揺していた。

「う、うん。・・この世で一番ユキを愛してる」

「そうですか・・私もこの世で一番ご主人様を愛しています」

「えっ・・」

坂下は涙目だ。

・・俺はしばらくの沈黙の末に口を開いた。

「・・条件をお受けいたします。これから私、坂本祐樹・・いや坂本ユキは永久にご主人様の傍に居ることを誓います」

「本当・・?」

坂下は涙を流している。

「ご主人様は私が嘘をつかない性格なのを誰よりもご存知な筈です」

「ユキ!」

「ご主人様!」

俺と坂下は抱き合ってキスをした。お互いに知り合ってから初めてのキスだった。

「ユキ・・私ファーストキスだったの」

「私もです。ご主人様」

しばらくして彼女が二枚の紙を持ってきた。一枚は以前サインした奴隷契約書である。もう一枚は新たな奴隷契約書だった。坂下は以前サインした契約書を破り捨て、新たな契約書にサインした。俺は契約書を見ると以前と違っているのを見つけた。契約期限が

「借金全額返済まで」

だったのが

「サイン後無期限」

となっていた。借金の額が書いてあった所は

「サイン後借金全額返済完了」

となっていた。俺は契約書にサインした。これで俺は借金が無くなった。サインした瞬間心の中で何かつっかえが無くなったような清々しい気分になった。これで純粋に坂下の傍にいて愛する事ができる。そして俺は自分でも変な事と思う事を質問した。

「私とご主人様は女の子どうしですから結婚できませんね」

俺は今や外見だけでなく法律上も完璧に女なのだ。すると坂下から返って来た返事は

「そんな事はどうでもいいの。私男の人と結婚する気は全然無いから。さっきの契約書が私とユキの婚姻届のかわりよ。だから男の人と結婚したら重婚になって逮捕されるわよ。・・だったら女の子同士が結婚できる国にでも行って国籍を取得して結婚する?」

だった。

「ご主人様がお望みになれば私は構いません」

「ユキ・・」

「ご主人様・・」

俺と坂下はしばらく抱き合ってキスを何度かした。 数日後、坂下は一枚の紙を手渡した。それは俺の戸籍のコピーらしく性別が男から女になっているのは前に見たが名前が坂本祐樹から坂本ユキに変わっていた。これで俺は法律上名前が坂本ユキという事になった。ちなみに学校などにする名前が変更になったための手続きはみんな坂下が行ってくれた。

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