エピローグ
街に戻った二人が納品をしていると、そこにハーゲンがやってくる。
「それで、どうだった?」
ハーゲンの〝どうだった?〟は、同時に〝最初のつかみはどうだった?〟の省略だ。
ジークはチラとハーゲンの顔を見てから、ちょいちょいと手招きをする。
「なんだよ?」
「あいつ、今までどんだけカモられてきたんだ?」
ヒソヒソと問うたジークに、ハーゲンはかなり複雑な顔をした。
「なんだ、老後積立の相談されるほど、親しくなったのか?」
「クエストの受注、必ずあんたを通せって言ったんだって?」
ジークの質問返しに、ハーゲンはため息を吐く。
「カモられるだけじゃなく、あの性格でトラブルも多い。ぶっちゃけ、あんたみたいな堅実タイプが、サポートしてくれりゃ助かる」
「やっぱり……」
今度はジークが、大きなため息を吐いた。
「しばらく、様子は見る。が、あとで契約書の内容を更新したい。期間は決めず、俺が耐えられなくなったらパーティーが解消できるって内容にな」
「俺としちゃ、永遠に組んでて欲しいが……。まぁ、当面、あの問題児にかかわらずにいられるなら、大歓迎だ」
ハーゲンは、ニッと笑った。
§
「ハーゲンと、なに話してたの?」
納品が終わったところで、ブリーが訊ねた。
「おまえさんとの、契約内容の変更に関してだ。あとで、またギルド長に立ち会ってもらうから」
「ジークのごはん……」
「飯は作ってやるよ」
パーティー存続が叶って、ブリーは嬉しそうにしたが。
ジークはその鼻っ面に人差し指を突き出した。
「だが、いくつか条件がある。まず、発情の抑制剤をちゃんと飲め。次にアレをやったら、俺はもう金輪際、おまえさんと関わりにならないからな」
「うん、しない!」
がばっとジークに抱きつき、ブリーは鼻をジークのバンダナの内側にこすりつける。
「んん〜、やっぱりジーク、いいにおい……。……食べたい……」
「だぁから! それをすんなつってんだ!」
ばあっと手を上げて、ジークはブリーを振りほどくと、ダダッとギルド長の部屋へと駆け込んでいった。
終わり。




