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第二十章 後輩の戦いを見よう

リラとシルヴィアは、エレノアたちとの朝練を始めてから三週間後、冒険者ギルドへと向かった。

心身ともに充実し、この三週間で得た自信が、二人の背中を押していた。

ギルドの依頼掲示板の前で、アリーナは、いつものように簡単な依頼を探していた。


「全く、ゴブリンやコボルトの討伐依頼ばかりで、私の魔法力の見せ場がないわ。リラとシルヴィアが、もっと高レベルの魔物を倒せる剣士と弓士なら、私がもっと活躍できるのに」


独り言のようにそう呟くアリーナに、リラが声をかけた。


「アリーナ、次に受ける依頼、私たちが選びたいんだけど」


アリーナは、鼻で笑った。


「あなたたちが? あなたたちが選ぶ依頼なんて、どうせ、あなたたちが活躍できる程度の、レベルの低いものばかりでしょ。私の魔法の炎が、くすぶってしまうわ」


シルヴィアは、エレノアの言葉を思い出し、冷静に反論した。


「アリーナ、私たちのパーティーは、いつまで経ってもゴブリン討伐ばかりで、成長がない。だから、あえて、高レベルの依頼に挑戦したいの」


リラは、意を決して、掲示板の一枚の依頼書を指さした。


「これよ。ドレイクの討伐依頼。ブリマースク山脈で、最近、ドレイクの群れが出現し、街道を騒がせているらしいわ」


アリーナは、その依頼書を見て、一瞬、言葉を失った。

そして、すぐに激昂した。


「馬鹿げているわ! ドレイクよ!? しかも群れ! 私たち、まだ新人パーティーなのよ! あなたたち、何を考えているの!? ドレイクは危険な魔物だって、知っているでしょう?」 


リラは、エレノアから仕込まれた知識を披露した。


「私たちのパーティーは、アリーナの攻撃魔法に頼りすぎている。だから、あえて、火魔法が効きにくいドレイクに挑戦することで、私たち前衛と後衛の役割の重要性を、証明したいの」


アリーナは、リラの言葉にカチンときた。


「ふざけないで! 魔法耐性があるからって、私の魔法が通用しないわけじゃないわ! ただ、効きにくいだけ! それに、ドレイクの強靭な皮膚を、あなたたちの剣や弓で、どうにかできるとでも思っているの!?」


シルヴィアは、鋭い眼差しでアリーナを見つめた。


「やってみないと、わからないでしょう? 私たちを、いつまでもあなたの引き立て役にするのはやめて。もし、この依頼を成功させたら、アリーナの、私たちへの考え方も変わるかもしれないわ」


アリーナは、二人の変化に戸惑った。

いつもの二人なら、自分の意見にすぐに反論せず、萎縮していただろう。

だが、今の二人は、確固たる自信と、揺るがない決意を秘めている。


「…いいわ」


アリーナは、毒づくように言った。


「そんなに自分の実力を試したいなら、やってあげてもいいわ。でも、そのときこそ、あなたたちは魔法士こそ最強だという私の言葉を、身をもって知ることになるでしょうよ」


リラは、その言葉に、胸の奥で闘志を燃やした。


「ええ、望むところよ。アリーナ」


こうして、アコルディアは、上級冒険者パーティーでも手こずるような、危険なドレイクの群れの討伐依頼を受注した。


翌日、三人はブリマースク山脈の麓へと向かった。

ドレイクの群れは、山脈の岩場で、日光浴をするように、のんびりと寝そべっていた。


「見てなさい。私の本気の魔法を見せてあげるわ」


アリーナは、高を括って、ドレイクの群れの中央に向かって、巨大な火球を放った。


「フレイム・バースト!」


凄まじい熱量を持った火球が、ドレイクの群れに着弾する。轟音と共に、周囲の岩が砕け散り、炎が立ち上る。


しかし、ドレイクの群れは、平然としていた。

火球が着弾したドレイクの体には、わずかに焦げ跡がついただけで、致命傷には至らない。

ドレイクたちは、驚きもせず、ただ不機嫌そうに、アリーナの方を向いた。


「なっ… 馬鹿な! 私の火魔法が、ここまで効かないなんて…!」


アリーナは、自身の魔法が、ほとんど効果がなかったことに、動揺を隠せない。

ドレイクたちは、一斉にアリーナに向かって突進してきた。

その巨体と勢いは、まさに岩の塊のようだ。


「リラ! シルヴィア! 援護して!」


アリーナは、叫んだ。

リラは、即座に、エレノアから学んだ、重心を低くした防御姿勢を取った。


「シルヴィア! 援護射撃! アリーナを守るわよ!」

「わかってる!」


シルヴィアは、素早く弓を構え、突進してくるドレイクの、目と口の中を狙った。


ヒュンッ!


シルヴィアの放った矢は、ドレイクの硬い皮膚を避けて、狙い通りにドレイクの口の中に突き刺さった。


グギャアアアア!


一頭のドレイクが、口から血を流しながら、動きを止めた。


リラは、その隙を見逃さなかった。


「今だ!」


リラは、全身の体重を乗せた、渾身の一撃を、ドレイクの急所とされる、首元の鱗の隙間へと叩き込んだ。

しかし、剣が鱗に弾かれ、有効打にならない。

リラは、ブリジットから教わった、敵の突進を完全に受け流す技術を使い、ドレイクの体勢を崩した。


「くそっ、効かない! でも、この体勢なら!」


リラは、体勢を崩したドレイクの背後に回り込み、アリーナに叫んだ。


「アリーナ! ドレイクの体勢を崩したわ! もう一度、魔法を!」


アリーナは、自分の魔法が効かないという事実に、完全に冷静さを失っていた。


「私の、魔法が… 効かない… 馬鹿な! 私の魔法は、最強のはずなのに!」


その動揺の隙に、別のドレイクが、アリーナに向かって突進してきた。


「アリーナ、危ない!」


シルヴィアが、叫ぶ。

アリーナは、目の前に迫るドレイクの巨大な顎に、恐怖で動くことができない。

間一髪、リラが、ドレイクの突進とアリーナの間に割って入り、剣で防御した。

しかし、ドレイクの突進は凄まじく、リラは、剣ごと吹き飛ばされ、岩に叩きつけられた。


「ぐっ!」


リラは、全身の骨が軋むのを感じた。


「リラ!」


シルヴィアが、あわてて矢を放つが、ドレイクは、もう二人を相手にする気はなかった。


ドレイクの群れは、一斉に、三人から離れるように、山脈の奥へと戻って行った。


三人は、散々たる状態で、山脈を後にした。

リラは、全身打撲で、シルヴィアは、極度の緊張で、顔が真っ青になっている。

そして、アリーナは、自分の魔法が通用しなかったという事実に、打ちひしがれていた。


「失敗よ… 大失敗だわ!」


アリーナは、地団駄を踏んだ。


「ドレイクなんて、受けるべきじゃなかったのよ! あなたたちの無謀な挑戦のせいで、私たちのパーティーの評判が、また落ちるじゃない!」


リラは、痛む体を起こし、アリーナを睨みつけた。


「無謀な挑戦? じゃあ、アリーナは、いつまでゴブリン討伐ばかりで、私たちを成長させないつもりだったの!?」

「あなたたちは、成長なんてする必要がないのよ!」


アリーナは、ヒステリックに叫んだ。


「私の強力な魔法があれば、全てが解決する! 剣士や弓士なんて、私の魔法を支援する引き立て役で十分なのよ!」


シルヴィアは、静かに、そして、力強くアリーナに反論した。


「アリーナ、あなたは間違っているわ。あなたの魔法が効かない魔物なんて、いくらでもいる。さっきのドレイクもそうでしょう? あのとき、私たち二人が、あなたの前に立ちはだからなかったら、あなたは、ドレイクに殺されていたかもしれないのよ!」


アリーナは、シルヴィアの言葉に、反論できなかった。

あの瞬間、確かに、リラが自分を守ってくれた。

そして、シルヴィアの的確な牽制射撃が、ドレイクの動きを鈍らせた。

自分の最強だと信じていた魔法が、全く役に立たなかった、という事実が、アリーナの自信を、ガラガラと音を立てて崩していく。


「馬鹿な… そんなことない… 私の魔法は、誰にも負けないはず…」


アリーナは、地面に膝をつき、泣き出した。

リラは、そんなアリーナを見て、初めて、彼女がただの傲慢な独裁者ではないことに気づいた。

彼女は、魔法士としての才能があるがゆえに、他の職業の重要性を理解できず、ただ、自分の才能に溺れていただけなのだ。

リラは、アリーナの前に座り込み、優しくいった。


「アリーナ、あなたの魔法力は、本当にすごいわ。それは、私たちも知っている。でも、魔法士がすべてではなく、連携が大事なのよ」


シルヴィアも、アリーナの隣に座った。


「私たち三人が、それぞれの役割を理解して、協力し合わなければ、ドラゴンなんて一生討伐できないわ。私たちが、剣士として、弓士として、成長したいのは、アリーナの魔法をより強力に、そして、アリーナ自身を守りたいからよ」


アリーナは、顔を上げ、リラとシルヴィアを交互に見た。

二人の目には、アリーナに対する敵意ではなく、真剣な仲間への想いが宿っている。


「あなたたち… 私を… 守ってくれる?」


アリーナは、震える声で尋ねた。

リラは、力強く頷いた。


「当たり前よ! 私たちは、アコルディアでしょう? 私たちは、仲間なのよ。あなたの態度に、腹が立っていたのは事実だけど、私たちは、あなたの魔法力と、あなたの可能性を信じているわ」


シルヴィアは、静かに付け加えた。


「私たちは、このパーティーを辞めようとしていた。でも、思い直したの。そして、あなたに、私たち剣士と弓士の役割の重要性を知ってほしいの」


アリーナは、これまでの自分の態度を思い出し、涙を流した。


「ごめんなさい… 私、あなたたちを、見下していたわ。魔法士の才能におぼれて、あなたたちが、どれだけ頑張っていたのか、気づこうともしなかった。私は… 独りよがりだったわ」


三人は、初めて、心から本音を語り合った。

アリーナは、自分の非を認め、リラとシルヴィアは、アリーナへの積年の不満を打ち明けた。


「アリーナ…」


リラは、アリーナの手を取った。


「もう一度、ドレイクの群れに挑戦しましょう。今度は、連携を考えて、あなたの魔法と、私たちの剣と弓、すべてを活かして戦うのよ」


アリーナは、うなずいた。


「私一人じゃ、ドレイクには勝てない。あなたたちの力が必要よ」


この日、アコルディアは、初めて、真のパーティーとして、生まれ変わった。

三人は、町には戻らず、山脈の麓に野宿して、ドレイク討伐のための戦略会議を開いた。


「ドレイクは、魔法耐性が高い。火属性は、ほとんど効果がないわ」


アリーナは、冷静に分析した。

以前の彼女からは想像もできない、客観的な視点だった。

リラは、ブリジットから教わった知識を活かし、提案した。


「ドレイクの鱗はとても硬いけど、目や口元、首元の鱗の隙間など、急所は存在する。私とシルヴィアで、どうにかして、その急所を狙う隙を作りたい」


シルヴィアは、弓士の視点から、意見を出した。


「ドレイクは、強靭だけど動きは単調よ。突進と噛みつき攻撃が主なパターンだから、フットワークで回避すれば、突進は避けられる」


アリーナは、腕を組み、考えを巡らせた。


「ドレイクは、群れでいるから、一人を攻撃している間に、別のドレイクに狙われる危険がある。そこで、私の魔法を、直接的な攻撃ではなく、戦術的な補助として使うのはどうかしら?」

「戦術的な補助?」


リラが聞き返す。


「ええ。ドレイクの群れは、岩場を住処にしている。私の火魔法を、地面や岩に当てることで、爆発や炎上を引き起こし、ドレイクの動きを制限したり、視界を遮ったりするのよ」


リラは、その発想に驚いた。


「アリーナ。でも、それって『支援職』の働きじゃない?」


アリーナは、少し照れながらいった。


「そうね。でも、あなたたちとの連携を考えたら、こういう魔法の使い方もあるんじゃないかって思ったの」


夜も更けてきた。

しかし、三人の顔に、疲労の色は見えない。

あるのは、連携への期待と、再挑戦への強い意志だけだ。


「よし。これで、私たちの戦略は完成したわ」


リラが、力強くいった。

アリーナは、笑みを浮かべた。


「今度は、絶対に失敗しないわ。リラ、シルヴィア。私たち、アコルディアの、本当の力を見せてあげましょう」


シルヴィアも、弓を構えるポーズを取り、うなずいた。


「ええ。アリーナの魔法は、私たちの最強の武器であり、私たちの最高の盾でもある。今度は、絶対に、ドレイクの群れを討伐するわ!」


こうしてアコルディアは、完全な連携戦略を引っ提げ、翌日、再びドレイクの群れが住む山脈へと向かった。

彼らの心には、三人で勝ち取る勝利への強い想いが宿っていた。


翌朝、三人は再び山脈の岩場に到着した。

ドレイクの群れは、昨日と同じ場所にいた。

アリーナは、以前のような傲慢さはなく、真剣な表情でリラとシルヴィアに確認した。


「リラ、シルヴィア、準備はいい? プラン通り、私から仕掛けるわ」


「いつでもいいよ、アリーナ!」


リラは、剣を構え、軽快なステップを踏んだ。


「任せて」


シルヴィアは、岩陰に身を潜め、ドレイクの動きを静かに観察した。

アリーナは、大きく息を吸い込み、魔力を集中させた。

しかし、彼女の標的は、ドレイクそのものではない。


「フレイム・バースト!」


アリーナは、ドレイクの群れが寝そべる岩場の周囲に、連続して火魔法を放った。

火球は、岩に激突し、爆発的な炎を巻き上げ、ドレイクの群れを炎の壁で囲い込んだ。


グルルル!


突然の炎の壁に、ドレイクたちは驚き、動きが一時的に鈍る。

これが、アリーナが作り出した攻撃の隙だった。


「今よ、リラ!」


アリーナが叫んだ。

リラは、炎の壁が閉じきる前に、その隙間を縫ってドレイクの群れの中に飛び込んだ。

彼女が狙うのは、最も群れの中央にいる、一番大きなドレイクだ。

ドレイクは、炎の壁に囲まれたことで苛立ち、リラに向かって、凄まじい突進を仕掛けてきた。


ドドドドドッ!


前回、リラを吹き飛ばした強烈な突進だ。

しかし、今日のリラは違う。

エレノアとブリジットの朝練で培った体幹と、突進の威力を受け流す技術と冷静な心が、リラを支える。


「ハアッ!」


リラは、突進の直前で、ブリジットから教わった通り、剣の角度を調整し、体の重心を移動させた。

ドレイクの突進は、剣の側面をかすめ、リラの体勢を崩すことなく、真横を通り過ぎていった。


グルアアア!


突進が外れたドレイクは、体勢を立て直すため、一瞬、動きを止めた。


「シルヴィア!」


リラは、叫びながら、そのドレイクの視線を自分に引きつけた。

シルヴィアは、この一瞬のチャンスを逃さなかった。

岩陰から、素早く二本の矢を、ほぼ同時に放った。


ヒュンッ!ヒュンッ!


一本目の矢は、リラに気を取られたドレイクの右目に、二本目の矢は、咆哮のために開かれた口の奥に、正確に突き刺さった。


グギャアアア!!


致命的な急所を射抜かれたドレイクは、苦悶の叫びを上げ、その巨大な体を前のめりに倒した。


「やったわ!」


リラは、歓喜の声を上げる。

しかし、戦いは終わらない。

倒れたドレイクの周りにいた他の四頭のドレイクが、リラに向かって襲いかかった。


「囲まれたわ!リラ、下がって!」


シルヴィアが、焦った声を出す。


「下がれない! このドレイクの群れは、一匹でも逃がすと、また街道に出るわ! ここで、仕留める!」


リラは、エレノアから教わった、無駄な動きをしない、最小限の剣さばきで、迫り来るドレイクの突進と噛みつきを、ギリギリで避け続けた。

体力の消耗は激しいが、リラの動きは、以前よりも格段に俊敏になっていた。

そこにシルヴィアが矢を放つ。

ドレイクたちは、リラから距離を空けた。


「アリーナ、お願い!」


リラが、アリーナに叫んだ。


「ヒール!」


アリーナの治癒魔法が、リラの全身を包み込んだ。

瞬時に、突進を受け流すことで消耗していた体力が回復し、リラの動きが、再び軽快になった。


「ありがとう、アリーナ!」


シルヴィアは、リラの動きに合わせて、次々と矢を放つ。

ドレイクの目や鼻を狙うことで、ドレイクは、リラに集中できず、攻撃が散漫になった。


「今よ!」


アリーナは、再び、岩場に魔法を放ち、リラを囲むドレイクたちの足元の岩盤を、一瞬だけ高熱で脆くした。


ズサッ!


リラに向かって突進していたドレイクの一頭が、足元の岩盤が崩れたことで、体勢を崩し、転倒した。


「いくよ!」


リラは、そのチャンスを逃さなかった。

エレノアの指導で鍛え上げられた、全集中の剣を、転倒したドレイクの首元の鱗の隙間に、渾身の力で突き刺した。


ブチッ!


今度は、剣は弾かれず、ドレイクの急所に深く突き刺さった。


グアアアッ!!


二頭目のドレイクが、絶命した。

残るドレイクは三頭。

二頭を仕留めたことで、アリーナ、リラ、シルヴィアの連携は、完璧なリズムを刻み始めていた。

リラが、残りのドレイクの突進を引きつけ、体勢を崩す。

シルヴィアが、その隙に、急所を射抜く牽制射撃。

アリーナが、リラの体力を回復し、地面に火魔法を撃ち、ドレイクの動きを封じる。

それは、まるで、一糸乱れぬダンスのようだった。

三頭目のドレイクは、リラの突進受け流しと、アリーナの治癒魔法の連発にあせった。

その隙を、シルヴィアは見逃さなかった。

矢を三連続で放ち、そのうち一本が、ドレイクの耳の付け根に深々と突き刺さった。


「これで、終わりよ!」


リラは、三頭目のドレイクに、最後のとどめを刺した。

残る二頭のドレイクは、仲間が次々と倒されたことに、恐怖を覚えたのか、炎の壁の隙間から、一目散に山脈の奥へと逃げようとする。

一頭はその後ろから、リラが剣で仕留めた。

シルヴィアは、もう一頭を、矢で射る。

その動きが鈍ったドレイクに、リラは剣で突いた。


「やったわ! リラ! シルヴィア! 私たち、ドレイクの群れを… 討伐したのよ!」


アリーナは、感極まって、喜びの声を上げた。

リラは、突き刺した剣を抜くと、大きく息を吐いた。

全身の疲労は激しいが、それ以上に、勝利の喜びが全身を満たしている。


「アリーナ! あなたの魔法のおかげよ! あの炎の壁と、治癒魔法がなかったら、絶対に無理だった!」


シルヴィアは、弓をゆっくりと下ろし、静かにいった。


「私たち三人の力で、初めて勝てたのよ。誰か一人が欠けても、この勝利はなかったわ」


アリーナは、リラとシルヴィアに向かって、深く頭を下げた。


「本当に、ごめんなさい。そして、ありがとう。あなたたちが、どれだけ重要な存在か、身をもって理解したわ。私の魔法は、最強なんかじゃなかった。あなたたちとの連携こそが、私の最高の力だったのね」


リラは、笑顔でアリーナの肩を叩いた。


「アリーナ! 私たち、いまこそ、本当の仲間として、一緒に冒険をしましょう!」


シルヴィアも、力強くうなずいた。


「新生アコルディアのスタートよ!」


三人の間に、真の絆が生まれた瞬間だった。

彼らは、もう、過去の独裁的なパーティーではない。

真の連携と深い絆で結ばれた、未来の実力派パーティーとして、新たな冒険の道を歩み始めたのだ。

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