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11.トイレに関わる収入

 アカデミー研究室の住人になったけど、正直何をしたらいいのかわからない。


 ただ、トイレの構造と肥だめでの肥料作成に関わる収入が凄まじい…早くも金貨百五十枚に届く勢いだ。

 金貨一枚で平民一家が一年過ごせるらしいので、結構莫大な金額だ。


「リリィ先生、僕は何をすればいいんでしょうね」

「さぁ?やりたい事をやってればいいんじゃない?」

「そうは言われても、学聖?としての義務とか無いんですか?例えば、学生に何か教えたり…」

「書き言葉も書けないのに、何をどうやって教えるの?」


 そう言われると、ぐうの音も出ない。


「じゃあ論文執筆とか…」

「同じ言葉を繰り返させないで」


 確かに、論文もグンマー王国の言葉で書かなきゃいけないんだ…


「では、家庭教師時代と同じく写本でもしますかね…」

「でも、あの写経とやらは、結局セドリックの書き言葉を全く上達させてくれなかったじゃない?」

「かと言って、何もやることがないのは辛いですよ」

「写本じゃなくて、自分で文章を書いてご覧なさい。間違った所は私が指摘してあげるから」

「うげぇ…」


 実は、一度だけ挑戦しようとしたことはあるのだ。しかしその紙は訂正の指導文で真っ赤に染まったのだ。

 本当にグンマー言語の教育はどうなっているんだと、最低限の法則性でもあれば…


「まあ、いいじゃない。トイレの収入で今や富豪じゃない?本当に羨ましいったら」

「人は、金があるだけじゃ幸せになれないんですよ」

「それ、平民の前で言ったら殺されるわよ?」


 いや、金があるだけで確かに助かるんだけど、生きがいっていうか…

 そんなことを考えていると、慌ただしいノックの音がした。


「セドリック・トイレ学聖!突然で申し訳ありませんが、数学の教授が体調を崩したので代理をお願いできませんか?」

「喜んで!」


 ふっ、数学っていっても、あの『数学大全』水準だろ…教えるのなんて楽勝だ!

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