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百鬼夜行  作者: ダンテ
第1章 百鬼夜行と暴食のマントス
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② 地獄の底は氷に覆われ、吐く息をも凍らせる。地獄の王は鬼を呼ぶ。

鬼達は地獄の王から呼び出され、地獄の最下層に向かった。

最下層は全てを凍らせる地獄で、王の間はその奥にある。大罪を犯した人間が様々な格好で氷漬けにされ、体は動かないので目だけで歩く鬼を追う。


沢山の装飾の施された金色の扉は鬼達が近づくと自然と開き、足を止めることなく中に入れた。

王の間は広く、黒く巨大な椅子が置いてあるのみで、時折吹く風に鬼達は歯をカタカタならし、震える身体を擦りながら身を寄せあった。

寒さで気を失いそうになる頃、最下層を覆いそうな程の影が頭上に伸びる、鬼達は一瞬見上げてから、地面に頭をつける。


赤い肌に金色の王冠、大きな目玉は全てを見抜き、大罪人を突き刺す鋭いキバは豊かな髭に隠されている。


王は静かに椅子に座り、鬼達の面を上げさせた。


地獄の王「良くぞ参られた鬼達よ!急な呼び出しで申し訳ないが、急ぎでな。」

王は巨大な小指に何かを乗せて鬼達の前に持ってくる。そこには象牙の様に白く、波に磨かれた様に滑らかな楕円の宝石が輝いていた。

地獄の王「西にある島国に私の言う事を聞かずに人の食べ物を根こそぎ喰らい、溜池の水を飲み干してしまった鬼が今度は人を喰らい始めた、呼び出しにも応じず好き放題している!鬼は死なないのでこの百鬼夜行に封印して連れてきて貰いたい」


ハイレンは王の小指から宝石を受け取り、頭を下げた、それに習って他の鬼も頭を下げる。

頭を上げると王は霧が晴れるかのように消えていった。


鬼達は玉座に背を向け、門をでる。

帰りも大罪人に見送られながら墓にもどる。


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