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美しくなびけ

作者: 永井晴


さあレールの上を進んでゆこう、


呆れるほどに真っ直ぐに、


口を揃える大人たちも、


ただ先へ先へと目指すだけ、


遠い日の線路の輝きのように、


いつもすぐに崩れてゆく何か、


転轍機は錆びきってしまったのか、


空々しい光に水をかけされられ、


望まぬ錆びは根強く僕らの行方を指定する、


怖いわけじゃない、


幸福を求める渇いた喉に、


その水を有効に使いたいだけ、


終わってしまえなんて思うけど、


やけに丈夫な線路は続く、


中身のない見栄を得て、


輝く屍を溜め込んで、


過剰な消費に酔っていくだけ、


その虚しさを見通した僕の予見は、


つまらない平坦の終点までも現して、


曲がらなくてはと心が震える、


でも凸凹で孤独な単線の続き、


そこに幸せはあるのかと、


九十九折の道は見通せない、


だから進むほかないだろう、


騙されていく同士を見ては、


苛立ちが静かに溜まっては、


哀れみの目は誰も救えなく、


サヨナラを言うこともない、


幸福の覚悟は孤独の覚悟、


近くにいるようでとても離れた距離は広がり、


振り返っては涙が風に刈り取られてゆく、


冷たい目尻のわだかまり、


僕の身体に染み込んで、


風に靡く僕の髪の毛は生きている、


得意げな口笛のか細さに、


彼らが気づくのはいつだろう、


何も見えなくなってから、


出鱈目ばかり嘆くのだろう、


幸福というのはささやかなもの、


欲望というのは溢れ出るもの、


的外れな嘲りに苛つく僕も、


きっと奴らの領域内、


耳を狭めて目を細めて、


小さな囁き拾えるように、


いつかきっとなっているから、



















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