【答え】トンネルを抜けると
「ウワア、スゴイ! マッシロダ!」
「タカヒロ、興奮のあまり、全部カタカナになってるよ。それから、あまり大声を出すと、他の乗客に迷惑」
「ごめん。ついうっかり。でも、すごくない? トンネルを抜ける前は、周りは普通の野山だったのに、トンネルを抜けた途端に、一面が雪景色なんだぜ。サチコは感動しないの?」
「北陸の方は、山を境にして降雪量が変わるからね。中学の地理で習わなかったかしら?」
「習ったけど、山を抜ける前後でここまで劇的に景色が変わるとは思わなかったよ。マサカ、トンネルヲヌケタラナニモカモガマッシロニナルダナンテ!」
「またカタカナになってる」
「ごめんごめん」
「まあ、たしかに壮観だよね。感動しないと言えば嘘になる」
「閃いた」
「え? 何を?」
「俳句だよ。えへん。ここで一句。『トンネルを 抜けるとそこは 雪の国』」
「タカヒロ、それって……」
【答え】 トウサク(盗作)
トンネルを抜けることによる変化は、SSのタカヒロの台詞より、
① カタカナになる
② 白くなる
の二つです。
トンネルを抜ける前の漢字をカタカナにすると、「コンサイ」(紺)、「クキ」(黄)、「クロウト」(黒)と、いずれも色が入っています。ここを「シロ」(白)に置き換えると、それぞれ、「シロサイ」(白サイ)、「クシロ」(釧路)、「シロウト」(素人)となります。
そして、色のついたマスを当てはめていくと、答えは「トウサク」(盗作)となります。
なお、川端康成の「雪国」の有名な冒頭は「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」です。




