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走れメロス
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かねばならぬと決意した。
メロスには政治がわからぬ、機微がわからぬ、怨嗟がわからぬ、慇懃がわからぬ、懊悩がわからぬ、含羞がわからぬ、桎梏がわからぬ、矜侍がわからぬ、瑣末がわからぬ、寂寞がわからぬ、韜晦がわからぬ、溌剌はわかる、面妖がわからぬ、吝嗇がわからぬ、憐憫がわからぬ。
メロスは村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らして来た。
ゆえに難しい言葉はよく分からず、「邪智暴虐」という言葉も実際のところよくわからぬ。
しかし、紆余曲折あって、メロスは友人セリヌンティウスのために走ることとした。正直なところ、「紆余曲折」という言葉もわからぬ。
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