【答え】節分
当初は答えは発表しないつもりでしたが、それだとあまりに不親切なことに気が付き、発表する方針に変えました。
今日は二月三日。節分の日である。この日を心待ちにしていた四歳の息子の期待に応えるべく、今日は一つサプライズを用意した。
ノックもせずにドアを開け、玄関から入って来たのは、鬼である。
「悪い子は食べちゃうぞ!」
目を見開き、「うわあ!」と声を上げた息子だったが、すぐにキリッと眉を上げ、果敢にも鬼に立ち向かっていった。豆を持って。
「鬼は外! 福は内!」
豆の散弾に、鬼は「痛い!」と叫ぶと、息子に背を向けて、玄関から外へと去った。
「やったね。鬼を退治したね」と声をかけると、息子は首を振る。
「あれは鬼じゃなくて、近所のお姉ちゃんだよ。だって、身体に『山』があったもん」
山?……ああ、胸の膨らみのことか。なんとも無邪気な表現である
息子は玄関でしゃがみ込むと、紙切れを拾った。
「これを家に落としていったみたい。何か書いてある」
まだカタカナの読めない息子は、私にしわくちゃの紙片を渡す。
そこには「ム」と一文字書いてあった。
【答え】 富士山
まずは「鬼は外 福は内」ということで、鬼という字を家の外側に、福という字を家の内側に移動させます。
その際、「鬼」という字から「ム」を落とし、家の中に残します。
すると、家の中にあるのは、「ム」「ウ」「士」「福」になります。
「福」という字を、「ネ」と「畐」に分解します。すると、家の中にあるのは、「ム」「ネ」「士」「ウ」「畐」となります。
「ム」「ネ」=「胸」なので、小説中のヒントから、「胸」を「山」に変換します。そして、「ウ」をウ冠と考え、「ウ」と「畐」を組み合わせると「富」になります。
よって、家に残った「富」「士」「山」が答えです。