干支を検証
「ママ、どうして年賀状にトカゲの絵を描いてるの?」
「サチコ、これはトカゲじゃなくて竜よ。ママは絵が下手なの。ごめんね」
「竜? ママはドラゴンが好きなの?」
「違う。ママは厨二病じゃない」
「チュウニビョウ?」
「何でもないわ。その言葉は忘れて。それより、サチコは、どうして年賀状に竜の絵を描くのかが知りたいのよね?」
「うん」
「それは、今年の干支が竜だからよ」
「エト?」
「昔、動物たちがレースをして、順番を決めたの。それが干支よ。一番初めにゴールをしたのが、ネズミ。その後に、ウシ、トラ、ウサギ、竜、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、トリ、イヌと続いて、ビリがイノシシなの」
「そのレース、オカシイよ! ネズミが一位になるはずない! それにイノシシがビリなはずない!」
「まあ、そこはレース中に色々あって……」
「絶対にドーピングだよ!」
「ドーピング?……サチコ、その言葉どこで覚えたの?」
「一位は、常識的に考えてドラゴンだから、それより早くゴールに着いた動物は、みんなドーピングで失格! あと、ヒツジとサルとトリも、イノシシより速いはずないから、ドーピングで失格! これでどう?」




