【答え】歌の天才
百人一首で一番「上手い」と思う歌は何かと聞かれれば、私は、小式部内侍の歌を挙げる。
小式部内侍は「三才女」に名を連ねる歌の天才であるが、より有名なのは、その母親である和泉式部だろう。「同僚」であった紫式部から、「歌は素晴らしいが、プライベートには感心できない」と評された恋多き天才歌人である。
小式部内侍は幼き頃から頭角を表したものの、当初はあまりの歌のクオリティに、親の和泉式部の代作ではないかと疑われていた。
歌合の際、小式部内侍は、藤原定頼から、「遠くに住むお母さんに作らせた歌は届きましたか?」という趣旨のイヤミを言われた。それに対して、小式部内侍が即興で読んだ「大江山」から始まる歌が、百人一首にも採用される名歌となったのである。
この歌では、上の句の「生野」と「いく野」、最初の下の句の「踏み」と「文」がかけられている。その技巧を用いることで、「大江山も生野の道も行くには遠いので、天橋立の地を踏んだことがない」と答えると同時に、「母からの手紙も受け取っていない」と伝えただけでなく、「親の七光り」ではない自らの才能を一気に証明したのだ。
【答え】 わのこころ(和の心)
まずは、SSの誘導から、歌を特定します。
和歌は5・7・5・7・7です。
最初の5は、ここから始まると言われている「大江山」です。そして、上の句に「生野」「いく野」が入るとのことなので、次の7は「いく野の道の」が入ります。次の5は、文意的に、「遠ければ」ですね。
下の句には、「天橋立の地を踏んだことがない」という内容が入ることが分かります。すると、「まだふみも見ず」と「天の橋立」が下の句です。「最初の下の句」は、「踏み」「文」が入るとのことなので、「まだふみも見ず」「天の橋立」の順になります。
「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立」
が完成した歌です。素敵ですね。
そして、この歌の順に、点を結ぶと、下の図のようになります。
できた5つの三角形に入っているのは、それぞれ「わ」「の」「こ」「こ」「ろ」ですね。




