【ヒント】歌の天才
百人一首で一番「上手い」と思う歌は何かと聞かれれば、私は、小式部内侍の歌を挙げる。
小式部内侍は「三才女」に名を連ねる歌の天才であるが、より有名なのは、その母親である和泉式部だろう。「同僚」であった紫式部から、「歌は素晴らしいが、プライベートには感心できない」と評された恋多き天才歌人である。
小式部内侍は幼き頃から頭角を表したものの、当初はあまりの歌のクオリティに、親の和泉式部の代作ではないかと疑われていた。
歌合の際、小式部内侍は、藤原定頼から、「遠くに住むお母さんに作らせた歌は届きましたか?」という趣旨のイヤミを言われた。それに対して、小式部内侍が即興で読んだ「大江山」から始まる歌が、百人一首にも採用される名歌となったのである。
この歌では、上の句の「生野」と「いく野」、下の句の「踏み」と「文」がかけられている。その技巧を用いることで、「大江山も生野の道も行くには遠いので、天橋立の地を踏んだことがない」と答えると同時に、「母からの手紙も受け取っていない」と伝えただけでなく、「親の七光り」ではない自らの才能を一気に証明したのだ。
【ヒント】
小式部内侍の歌を知らなかったとしても、SSの誘導から、論理的に歌を特定できるはずです。
三角形は5つできます。




