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アルカディアの誘い 8

★部分を削除改定しました。

完全ver.はムーンライトにて。

……いいことばかりじゃなかった。

寝室に準備されるお茶の味が、また変わった。

ジョージオさまは、何も変わらないおっしゃるけれど……。


「気にしすぎではありませんか?まさか、この館でまで、そんな……誰も、私たちを傷つけませんよ。」


そう言われてしまっては、それ以上何も言うことができない。


「そうですか。ごめんなさい。私、神経過敏になっているのかもしれませんね。」


そう申し上げたら、ジョージオさまは私を優しく抱きしめてくださった。


「大丈夫ですよ。私が、あなたをお守りします。もう二度と、あなたを傷つけません。」


現実的に可能かどうかはともかくとして、そのお気持ちがうれしくて……私は幸せだった。


「ありがとうございます。……ジョージオさま。お慕い申し上げております。どうか、お守りください。」


花のように甘い甘い新婚生活は、まだ始まったばかりだった。



***


……いや……。

ちょっと……おかしい……気がする……。

お茶の味だけじゃない。

寝室に毎日準備してくれてる水挿しの水も、かすかに嫌な甘味を感じる。


あまり騒ぐのも得策じゃないけど……これは……やばいかもしれない。

なるべく飲まずに、捨てて、様子をみた。


……飲んでいるふりを続けていたら……お茶の味が元に戻った気がする。

でも怖くて、もう、どちらも飲みたくない。

めんどうだけど、自分で飲み水を確保しなきゃ。


ようやく面会謝絶が解かれるのを待って、一度、兄の店を訪ねたいと申し出た。

でもジョージオさまは許可してくださらなかった。


「あなたはもう、タルゴーヴィ大公家の人間なのですから、実の兄上であっても、市井の商館に行くことを許可できません。……どうしてもお会いしたいなら、この館に来ていただきなさい。」



「……私以外の男に会いに行くなんて、絶対ダメですよ。昼も夜も、ずっとずっと一緒にいる、と約束したじゃありませんか。いけない子だ。フィズ。」



……実際、ジョージオさまの束縛は、ちょっと度を超していた。


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