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GOGOパワーレベリング~少年魔導士は犬耳・尻尾つき。でもモフられるのは苦手です~  作者: 於田縫紀
第24話 門番待機室でのお仕事 ~夏休みの過ごし方(3)~

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70 俺達の出番

 アンジェに差し入れを持って行って貰い、その後睡眠魔法でひと眠り。

 時間まで起こされる事なくゆっくり寝た後、早めの夕食を食べて出動だ。


 門番待機室の中は会議室風。

 10人くらいが囲める大机があって、それぞれに門番さんとうちの面子が陣取っている形だ。

「お疲れ様、交代の冒険者です」

 待機中の門番さん達に挨拶して、奥の机のところにいるミリア達の方へ。

 

「ああ、やっと交代か」

 ライバーが立ち上がる。

「やっとって、あんた此処にいただけで何もしていないでしょ」

「待機だからな、仕方ないだろ」

 そんな雑談の後、引継ぎに。


「まず下の水の状況。堰堤でそこより下へ鉄砲水が行かないような構造になっているわ。堰堤そのものはかなり頑丈な造りだから壊れる可能性は無視していいと思う。

 魔獣は今のところ左右の尾根に向かっていてこっちには向かって来ていない。でも堰堤でできた湖沿いには結構いるわ。ハンスがいるから心配していないけれど。

 昼の出動は私が堰堤の確認に行った1回だけ。門番さん達の方は1時間交代で2人ずつ立っている。以上よ」


 雨の中4半離(500m)以上先、高度にして40腕(80m)下の堰堤まで行った訳か。

 進化種(スペルド)でもなければ危険だな。

 だからミリア単独で行ったのだろうけれど。


「堰堤の確認は俺も行った方がいいか?」

「必要ないわ。ただの構造物じゃなくて永続魔法効果までかけてあるから。地形はテーブルに置いてある地形図の通りよ。水位はハンスならこの距離でも魔法でわかるわよね」

「ああ」

 堰堤湖からここまでおよそ4半離(500m)

 この距離なら水位も魔獣・魔物の様子もある程度わかる。


「なら問題ないわ。あと差し入れありがとう。そっちは大丈夫?」

「ああ、同じものを用意してきた」

「明日もお願いね。モリさんもハンスもそっちの班だから。見回りの方は朝やっておくわ」


 料理当番は概ねモリさんで手伝いが俺。

 一応ミリアも出来るけれど他の皆さんは壊滅的な腕前だ。

 フィンなんか器用だから出来そうだよな。

 以前そう思ってやってもらったら酷い事になった。

 奴はどうしても自分なりの工夫を入れずにはいられないのだ。

 結果出来上がった者が原型とはかなり異なったものになってしまう。


「モリさんがそっちのパーティ分の夕食と朝食を作ってくれている。自在袋に入れてある」

「助かるわ。それじゃこれでいい?」

「ああ。あとは引き受けた」


「それじゃうちは撤収。ご飯食べて寝るわよ! 明日は朝食食べたら朝一で巡回だからそのつもりでね」

「はーい」

「それじゃ後は宜しくね」

 ミリア達が防雨マントを着込んで帰っていく。


 さて、門番さん達に改めて挨拶しておこう。

 なお中にいる門番さんは4名で、うち2名が女性。

 今の時間外に立っている2名とはまだ顔をあわせていない。


「どうもはじめまして。村付き冒険者代理のハンスです。こちらのモ―リとアンジェと3人で当分の間ここで夜間待機をします。よろしくお願いします」

 定型句として学校で教わった通りに挨拶する。


「お疲れ様。私が今日の班長のレリクスだ。あとは右からシーラ、サリナ、レヴィ。あとはエミリアとガリィが今、立っている。

 昼は差し入れありがとう。美味しくいただいた」


 レリクスさんは普人の30歳くらい、この中では一番年長に見える。

 それにしても門番さんは昼も同じ人なのか。

 なら差し入れを変えればよかっただろうか。


「門番勤務は1日交代なんですか?」

 レリクスさんは頷く。

「ああ。朝8の鐘交代で1日勤務だ。その代わり夜8の鐘から朝8の鐘までの間、3人ずつ勤務にして4時間ずつ寝る。そっちはどうする?」


「こっちは寝て来たので大丈夫です。朝7に今、交代した3人がまた来ますから。あと昼と同じものになってしまいましたが差し入れです。こっちの3人分も含んでいますけれど」

 素焼きの皿入り甘焼きのふわふわトーストと、葉に包んだままの串焼きを出す。


「ありがとう。この串焼きも悪くないがこの甘いふわふわのパンは初めて食べた。夜食用に共用の自在袋に入れておこう」

 レリクスさんがテーブル上の自在袋に両方をしまう。


「これって立ち番の後に食べると甘みが体に沁み込みますよね。どうやって作るんですか?」

 サリナさんが身を乗り出して来た。

 早速モリさんが説明を始める。


「それにしても若いよな、君達は。冒険者学校の生徒だと聞いたが、それにしては冒険者として慣れている気もする。昼の番のミリアさんなんか、大雨で足場も悪く魔獣も多い中を何でもない事のように堰堤まで行って戻ってきていた。今時の冒険者学校の学生は皆あれだけの事が出来るのかな?」


「ミリアとハンスは特別よね。モリさんはそれでも隠れながら偵察は出来るけれど、私がやったら強行偵察になっちゃうから」

「強行偵察って、アンジェさん武闘派なの?」

「こう見えてもうちの前衛担当ですよ。雨の日は延焼の恐れがない分、更に派手になるし」

「モリさんは水属性魔法と弓担当だから雨には弱いよね」


 そんな雑談をしていた時だった。

 俺とモリさんが気付いた。

 2人で顔を見合わせる。

 他の皆さんは気付いていないようだ。

 俺は立ち上がる。


「この程度なら俺1人でいい。何かあったら伝達魔法で呼ぶから待機頼む」

「何かありましたか」

 レリクスさんに軽く頷く。


「ゴブリン、今のところ6匹です。もう少し多くなるかもしれません。これくらいなら俺1人で問題ありません。あとはモリさんに聞けばどの辺に何匹いるかわかりますから」


 俺は乾かした防雨マントを着込んで待機所を出る。


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