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GOGOパワーレベリング~少年魔導士は犬耳・尻尾つき。でもモフられるのは苦手です~  作者: 於田縫紀
第14話 野外遠征実習に向けて

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45 フィンの新兵器

 夕食時、学校の食堂にて。

「やっぱり今日の昼食の方が美味かったよな、絶対」

 ライバーがついこんな本音を言ってしまう。

「確かに3品とも絶品だったわ。あれで実習過ごしたら後が辛そう」

 ミリアがここまで言うのは珍しい気がする。

 確かにそれくらいには美味しかったけれど。


「それにしても今回の面子、思った以上に有能だったよな」

 6人ともパーティにいればなかなか役に立つと思うのだ。

 ミリアも頷く。

「そうよね。誰もが絶対役に立つと思うのに」

 俺と同意見のようだ。


「それはうちのパーティだからだよ」

 一方でフィンはそんな事を言う。

「うちは元々ハンスかミリアがいる時点で戦力には困らないよね。でも他のパーティはそうじゃない。同じように戦えて戦力になる面子が欲しいんだ。戦闘要員としては難しいクーパー、ショーン、ケイト、エマなんかはまさにそう。ケビンやメラニーも本来は単独行での接近戦特化だから戦術的には組み込みにくいんじゃないかな」


「確かにそうだよな。うちのパーティが戦力に余裕があってある程度何でも出来るからこそ、ああいう特化した面子でも有効なんだと思う。他のパーティだとそこまで余裕が無い。だから一緒に戦うのにちょうどいい面子を選びたくなるんだろ。それに6人とも割とグループ組むタイプじゃないしさ」

 モリさんもフィンと同意見のようだ。


「確かにそうかもね。でも勿体ないわ」

 ミリアの言いたい事はわかる。

 まさに俺もそう思っているのだ。


「まあ任せてよ。それぞれ面白い装備を考えたから。特にショーンは化けると思うよ。実は火属性、水属性、氷属性、風属性全部使えるようだしね」

 さてはフィン、また何か作るつもりのようだ。


「でも本人は料理用としてしか発動できていないんだろ」

 本人もそう言っていた筈だと俺は思い出す。


「武器が悪いんだよ。まあその辺は任せておいて。あとクーパーとエマも既に強化武器は思いついている。あとD級の3人は少しずつ装備を良くするだけでも大分変わると思うな。でもどうせだからとことん本人にあった物を作るけれどね」


「無理はするなよ。手間的にも費用的にも」

 とりあえずフィンにそう言っておく。


「心配いらないよ。この前貰った素材が大分残っているし、今日もゴブリン装備を大分手に入れたからね。ただ材質調整がちょっと大変だからそこはハンスに手伝ってもらいたいかな。そうすれば明日には充分間に合うから」

「わかった。それくらいは問題無い」

 俺としてもフィンがどんな武器を作るのか楽しみではあるのだ。

 俺にはない発想を見せてくれるから。


 ◇◇◇


「それでどうだったの、フィンと作った新しい武器は」

 翌日の授業開始前、ミリアにそんな事を聞かれる。


「それなら朝食の時に聞けば良かっただろ」

「フィン本人がいるから聞けないじゃない?」

 うーむ。

 フィン本人がいるのだから本人に聞けばいいだけだと思うのだけれども。

 その辺俺には理屈が良くわからない。

 でもまあいいか。

 俺も実は話したかったのだ。


「ひょっとしたら天才って、フィンみたいな奴の事を言うのかもしれない」

 これは昨日俺が思った本音だ。


「どういう事?」

「今回作った武器のうち3つは、今まで俺が見た事がない、おそらくこの大陸の何処にも存在しない新しい武器だ」


「それってどういうものなの?」

  自分一人では絶対思いつかない代物だけれども説明は出来る。

 昨日一緒に作ったのだから原理も構造も全部わかっているから。


「水に熱を加えると水蒸気になる。これを利用して水属性魔法と火属性魔法を併用させて爆発を起こす魔法があるよな」

「あの風属性魔法を使えなくても使える爆発魔法ね。それがどうしたの?」

 そう、そこまでは魔法使いのほとんどが知っている知識だ。


「鉄製の筒の片方を塞いで、水と鉄の玉を入れる。その後に熱魔法で水を急激に熱するとする。そうすれば当然中で水が水蒸気になって爆発し、鉄の玉が筒の中を反対方向へ飛んでいく。それもわかるよな」

「言われれば勿論わかるわ。それで」

 そう、言われればわかるのだ。


「それじゃ鉄の玉を長細く、筒の中で動くぎりぎりまで太く重い塊にする。さっきと同じように筒の片方はふさいであり、塞いだ側に水、そしてそれに蓋をするようにさっき言った細長く重い鉄を入れて熱魔法をくわえれば、鉄の細長い塊は飛んでいく。これに当たったら人や魔獣でも矢と同じくらい被害を受けると思わないか」

「……確かにそうなるわね」


「今度は同じ筒の塞がった部分に熱の魔法陣と水の魔法陣を描いておく。先程の鉄の塊を入れて魔力をくわえればやはり鉄の塊は飛んでいく。これは鉄の塊部分をうまく作れば矢と同じようなものになるよな」

 ミリアも理解出来たようだ。


「それが新しい武器なの?」

「今言ったのは原理だけで、実際はもっとよく出来ている。飛んでいくのは鉄の塊ではなく土を加工して作った塊だ。これは専用の器具に粘土質の土を詰めて魔力をかければ簡単に作れるようになっている。これを細長い杖のような装置に30個入れる。この細長い杖はさっき言った筒と同じように水の魔法陣と熱の魔法陣が描いてあり、更にレバー操作で入れた土製の塊を簡単に入れる事が出来るようになっている。

 実験したところ20腕(40m)までの距離なら弓以上に強力だ。俺の氷衝撃弾魔法とほぼ同じ威力だろう。だがこれは最低限の魔力さえあれば誰でも使える」


「とんでもない武器じゃない、それって!」

 良くわかってくれたようだ。

「ああ。この原理を使った武器をエマとクーパー、ケイト用に作った。大きさと構造は少しずつ違うが基本は同じだ。力が無くてもゴブリンくらいなら簡単に倒せる。しかも粘土質の土さえあれば矢も買う必要はない」


「何でフィンはそんな物、思いつくのよ!」

 そう言われても困る。

 俺もそう思うからだ。


「まあその辺の話と実物については午後だ。威力については俺が昨夜試したが、3人がこれを使いこなせるかどうかはまだわからない。あと他3人にもそれぞれ専用武器を作った。防具までは昨夜では手が回らなかった」


「そんなとんでもない武器まで作ったんなら仕方ないわよ。でも楽しみだわね、今日の午後」

 確かにそうだろうなと俺も思う。

 俺も同じだからだ。

 勿論威力そのものは昨夜試したからわかっている。

 でも実際に使うとなるとそれはまた別なのだ。


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