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嫌いになりながら  作者: 曉 論
1/1

傷つけ合い、寄り添い合う

初めまして、黒影 時です。


この本は、神秘なものを書きたいという僕の想像から織りなしました。

この本を手に取ってくれた方々、本当にありがとうございます。



「ちょっとずつ、お前を嫌いになるから」

そう言ったあいつの顔は、泣く寸前だった。

薄暗い用具保管庫の中で、あいつの声だけが滲んでいた。

私は、何も思わなかった。

これが当然、とばかりに黙っていた。

それが、なおもあいつのプライドを傷つけたかは定かではないが、それ以来あいつは私を見つけても見て見ぬふりをした。


あいつと私は、別々に個々の人生を成長していった。

私はあの時以来、あいつを見ることもあいつの噂を聞くことだって無かった。

卒業式も、あいつの名前は呼ばれなかった。

私は、最後だからとあいつとの思い出を周った。

放課後、いつもあいつと1on1をした体育館。

バスケットボールの音が、いつの間にか2つに分かれたり戻ったり。

自分の夢を語っていた、存在しないはずの空き教室。

存在しないから先公に怒られることも無く、授業をさぼることが出来た。

初めて、あいつの暖かさを知った美術室。

あいつの青空みたいな瞳に恋をした。

そして、

最後に話した用具保管庫。


あいつは、もうここにはいない。

そして、

私も

ここからいなくなる。






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