固いイモと固いパン
ついに明らかになる主人公の名前!!
デュエルスタンバイ!
突如、目潰しアタックがオレの両目に炸裂した。
痛いというよりも目から何かが流し込まれて
いるような感覚だ。
ただオレは落ち着いていた。これは異世界で頭もチカラも非力なオレが何とかやっていくためのチュートリアル的な何かだろう。
都合よくチカラだけゲットできんじゃね?
そう思っていた。
それは半分正解で半分間違いだった。
ルージュ、もとい彼女は満足そうに頷くと言った。
「これで私との契約は完了したわ。こちらの陣営に背く行為を今後すればあなたは脳が壊死するように調整しといたわ。」
「まぁ後は勝手になさい。」
そう言うと彼女は部屋から姿を消した。
文字通り集まっていた煙が霧散するように。
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ここはひとつ脳みそをお花畑にして考えてみよう。
気を取り直してオレこと机ノ上 一浪丸は現状を
整理する。
3話目にして思い出したかのように主人公の名前
を紹介する辺りのことは気にしなくてもいいのだ。
とりあえず分かったことを整理する。
1、多分何かしら力をもらった。
2、オレは一先ず解放された。
どう考えても出来すぎな気がするがそれは今は
もう考えたくもない。
それよりも重要なことがある。
腹が減ったのだ。
小指を潰されたとは言え結構な時間、拘束されている間に寝かしてもらった気がするし左足の腱と小指は気づいたら治っていた。
あの女が治してくれたんだろう。
ということでオレはそこそこ大きそうな屋敷で
厨房を探すことにすした。
屋敷を見て思ったのはマジで人が誰もいない。
燭台に火はまだ灯っているし人のいた気配はする
のだが誰もいない。
そうして屋敷をてくてく歩いているといい感じに厨房を見つけられた。
やはりついさっきまで人のいた痕跡がある。
作りかけのスープからは湯気が立っているし、魚や肉と言った食材もまな板に乗せてある。
そんなこんなでそのまま食べられそうなパン
みたいな固いやつとあんまり蒸されていない固い
イモを味わっていると何処からか溜め息が聞こえて来た気がした。
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さぁ元気ハツラツ主人公ことオレ、一浪丸は
今日も元気に朝っぱらから森の中を散歩していた。
昨日はイモをたらふく食べて眠くなったので
適当に近くの部屋のソファの上で寝たので
体調も万全だ。
もうしばらくあのもの抜けの殻の屋敷でニート
生活をしていても良かったのだがやはり異世界と
いえばダンジョンで冒険とか魔法使うとかだろ。
そう思ってとりあえず人の集まる場所を探そうと決めた次第だ。
どうやらあの屋敷山の上にあったらしい。
山下りなので案外楽チンだ。森の中には魔物とか
いるのかと思ったけど全然そんなこともなく
山の麓まで降りることができた。
ときどき屋敷でくすねたカバンから屋敷でくすねた固いパンをかじるのに悪戦苦闘すること以外は平穏な時間が過ぎた。
それにしても第1村人が見当たらん。
そんなことを思っていると集落が見えてきた。
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