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葉子と夏  作者: 結姫普慈子
第一章 開かれたゲート
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4. 事後報告

 僕は家に帰った後、こっぴどく両親から叱られ、妹には不純異性交遊でしょお兄ちゃん、だなんて言われた。散々であったがみんな起きて僕のことを待ってくれていた。正直それはとてもありがたかったが僕は妹に真実を言われてちょっと動揺してしまう始末であった。それに対して両親は雅ももうそんな歳か・・・だなんて言われる。

「まあお父さん、高校生なんだし多少は大目に見てあげましょうよ」と母さんが言う。

「今度から十一時には帰ってくるだぞ、わかったか雅」

「わかったよ父さん、母さん」と僕が言うと、

「今度お兄ちゃんの彼女、紹介してね」と妹が言った。

「宮子はお兄ちゃんが大好きだもんねー」と母さんが妹に言うと、宮子はちょっとほっぺたを膨らましてすねた表情を浮かべてしまった。心なしかその顔は赤面していた。

「じゃあこれで解散、みんな早く寝ること」父さんがそう言ってこの場はお開きになった。


 そして自分の部屋にいると葉子から電話がかかってきた。僕は直ぐにその電話に出る。

「今日はありがとうね、雅。ご両親からは怒られなかった?」

「それがさ、めっちゃ怒られて、妹の宮子には恋人がいるってことバレちゃったよ」

「あら、自分から彼女と遊んでましたなんて言ったの?」

「いや、女の勘ってやつ?」

「あー、なるほどね。鋭いじゃない」

「今度からはあんな遅くまで遊べないからな、葉子」

「まあしょうがないか、卒業してからも恋人でいたら二人で夜の果てまで行きましょう」

「そのときは付き合うぜ」僕がそう言うと電話は切れた。



 翌日の7月15日は日曜日で学校は休みだった。それなのになんだこのうるさい音はと思って目を開ける。

 僕の部屋の扉を開きっぱなしにして宮子が目覚まし時計のアラームを手にしてそれをリリリリリリリンと鳴らしていた。

「なんだ、宮子。今何時だ?」

「8時。なんだじゃないでしょ。おはようでしょ?」と宮子は言う。

「おはよう。宮子。勝手に僕の部屋に入ってきてどういう了見だ?」

「ふんっ。お兄ちゃんどうせ今日デートでしょ?私も連れて行って。保護者になってあげる」

「保護者たって宮子は僕より年下だろう」

「あ、やっぱりデート行くんだ」

「はぁー、行くけどお前抜きだぞ」僕がそう言っていると宮子は部屋の中へとズカズカとスリッパで入ってきて、

「ねえ!」と言った。

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