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見つけた、運命の恋  作者: 足尾緒里
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東川君が転校してきて早一週間、喋ってみたいとは思いつつも機会がなくて関わりのないまま1日1日が過ぎていった。

転校生というだけども人は集まってくるのに、それに加えてイケメンとなると、そりゃあ休み時間になったとたんに人だかりができる。

私たちのなかでは真澄が一番席が近いが真澄も私と同じく、おとなしい方なので話したことはない。

初めて東川君としゃべったのはふとしたきっかけだった。

私、律花、真澄はとても仲いいのだが、あまり群れたりはしない方なので、休み時間などはしゃべったりもするけれど基本は各自自由行動だ。

その日の昼休み、私はここ数日図書室で自分でひっそりと名前を付けた棚と棚の1人が座れるくらいのあまり人が来ない「紗雪の読書コーナー」で本を読んでいた。

「藤井さん?」

声をかけられてふと顔を上げた視線の先にいたのは……東川君だった。

「東川君?教室にいたんじゃないの?」

さっきまでたくさんの人に囲まれて教室にいたと思ったのに。

「コッソリ抜けてきた。いきなりだけど、ずっと気になってたんだけど、」

少し言うのをためらってからまた口を開いた。

「藤井さんて、北川三大美女の藤井紗雪さん?」

「そう……だよ、うん」

北川三大美女とは私が住む北川南地区を含む北川北、北川東、北川南、北川西のなかで特に美人の三人、私と双子の妹、千尋と前東川君が通っていた北川東中学の斉藤美琴(さいとうみこと)ちゃんをまとめた言い方だ。気付いたらそう呼ばれていたので、どういう経緯でそうなったのかは知らないがこの北川4地区では私は結構な有名人である。

「やっぱりそうだった!一回喋ってみたかったんだ!」

というわけで私たちは予鈴がなってあせって教室に戻るまでしゃべり続けた。好きな食べ物、本、色、スポーツとか、誕生日とか、血液型とか、苦手なこと、いろんなことを話した。割と話が合ったので、昼休みの短時間で友達になった。私が、また明日もここで話したい、と言ったら笑顔でいいよと言ってくれたので図書室の空いている日は「紗雪の読書コーナー」で話すことになった。

楓太や陸、律花や真澄にも東川君との2人のヒミツにしておきたかったのでしばらくは言わないことにした。東川君もそう思っていたのか、だれにも何も言われなかった。

毎日図書室に通い続けて5日目、東川君が遠慮がちに言った。

「東川君ってのはなんか恥ずいし、せっかくだから陵って呼んで」

私達の仲がさらに深まったと思ってうれしくてうん!ってそこが図書室だということも忘れて少し大きい声で言ってしまった。

さらに、さっきよりももっと遠慮がちに言った。

「俺も紗雪って呼んでいい?」

今度はうれしさのあまりうんといった声がかすれてしまった。

陵と呼ぶにはまだ慣れなくって陵君と呼んでいたころからまた少したって陵と呼べるようになったころにはさすがにあまり鋭くない律花達にも関係を気付かれていた。

気付かれてからはすぐに律花達と陵は仲良くなり、いつの間にかよく6人でいるようになり、あっという間に夏休みに入った。


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