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第2話 始まりはトマトから②

前回までのあらすじ→気づいたら泥棒なってた卍


「この泥棒共!また、家の野菜を盗みにきたんすか!! 絶対に逃がさないっす!」


赤毛娘は今にも噛みつきそうな勢いで怒鳴ってきた。一方、気づいたらこんな畑のど真ん中にいて気づいたら泥棒にされてると言う怒涛の展開に俺は既に元の世界に帰りたくなっていた。

けど、そんな事も言ってられない。早く分かってもらわないとこの世界の警察署的な場所に連れていかれてしまう。俺やだよ?異世界イベント1発目で前科持ちになるなんて。


「あー違うんだよ君。実は俺は新米冒険者で知り合いの魔術師に魔法で飛ばしてもらったらここに着いてしまったんだよ。」


俺はかなり苦しめの嘘を言った。ゲームなんかでよくある転移魔法をかけられてここに来たと言う()()で言ってみたがそもそも転移魔法自体の存在が無かったらその時点でアウトである。

頼む!存在してくれ転移魔法!


「嘘つくなっ!人を二人も同時に移動させる転移魔法なんて高位の魔導師ぐらいしか使えないっす!新米冒険者が知り合いのはずないっす!」


はい、おわったー。俺の異世界人生おわったー。

マジかよ異世界。転移魔法って偉い人しか使えないのかよ、、、。

いや、諦めるな俺!きっとまだ活路があるはずだ!

俺は辺りに何か言い訳に使えそうなものがないか必死に探した。すると俺は自分達がいる畑を囲っている柵の入口に目が止まった。その柵は獣避けのためか有刺鉄線のようなものが巻き付けられており、唯一の入口も鍵がついていて外からじゃ開けられそうにも無かった。


これだ!!


そう思った俺は新しい言い訳を赤毛娘に話し始めた。


「いや、それが本当なんだよ。だってよく見て!入口にも鍵が付きっぱなしだし、有刺鉄線を掴んで柵を超えたとしたら俺の手、綺麗すぎるでしょ?」


そう言って俺は自分の手のひらをを赤毛娘の前に突き出して見せた。

赤毛娘はまだ怪しんでいたがしばらくすると諦めたようにため息をついた。


「、、、確かによく見ると周りに足跡も何も無いし畑も荒らされてないみたいだから今回は信じるっす。、、、その、疑ってごめんっす。」


なんとか疑いは晴れたようだ。俺は安堵の息をついて、隣の紅音さんに話しかけた。


「いやー、なんとかなって良かったですね!紅音さ、、、

「殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す、、、」


悪魔がそこにいた――


あれ?この娘こんなに怖い顔してたっけ?もっと可愛かったような、、、ていうかどうやったらそんなに殺気出せるの?モンスターだから?

そんな事を考えているあいだにも紅音さんは今にも赤毛娘に飛びかかろうとしていた。


「ちょ、ちょっと!紅音さん!?どうしたんですか!」


「だってあの女、私のアキくんに怒鳴った挙句あろう事か泥棒呼ばわりなんて、、、天国と地獄を7往復させてやる、、、」


「いや、あれはこっちにも非がありますから落ち着いてください!殺気抑えて!森の動物達が逃げてるから!」


俺はなんとか紅音さんをなだめて落ち着かせた。

うーん、、、俺はもしかしたらとんでもない物を召喚したんじゃないのか?


「あ、あの本当にす、すみませんでした、、、。よ、よろしければお詫びをしますので命だけは、、、」


赤毛娘は紅音さんの殺気に当てられたのか唯一の文章でキャラの判断を付けやすい、〜っす。の部分が無くなって完全に敬語になってる。

相当怖かったんだな、、、分かるよ。俺も気絶しそうだったもん。

そんなこんなで俺達は赤毛娘サンのお宅にお邪魔することになった。


「先程はすみませんっす。これ、家で採った野菜とお水です。」


卓の上には人数分の水と、、、なんだこれ?赤くてみずみずしい野菜、、、トマト?


「挨拶が遅れたっす。あたしの名前はレオルと言うっす。 畑でマトの実を育ててるっす。」


マトの実って言うのかコレ、名前も似てるんだなぁ。名前とかも意外と似てるのが多いのかもな。


「俺の名前は近衛晶。アキラでいいよ。」


「私の名前は紅音。アキくんの使い魔よ。アキくんを泥棒呼ばわりしたことまだ許してないからね。」


「使い魔、、、あぁ、そう言う、、、」


あれ?この感じなんかすごい誤解されてない?そう言うってどういうのだよ!


「違うよ!?本当に使い魔だからね?」


そう言うと俺はレオルに説明するために紅音さんの召喚を1度中断した。そうすると紅音さんは目の前からパッと消え、再召喚を試みると再び目の前に現れた。


「すごいっす、、、!人型モンスターを召喚できるなんて!上級召喚者でも難しいんすよ!」


やっぱこれってすごい事なんだな。流石に天使に力を借りたなんて言えないけどね。


「まぁ、知り合いの魔術師から色々と教えてもらいましたから。」


「すごい、、、これなら!」


レオルはそう言うと意を決したように顔をあげ俺達二人を見て言った。


「お二人にお願いがあるっす。家の畑を荒らしているモンスターを退治してくださいっす!」


モンスター退治キターーーー(≧∇≦)


よっしゃあ!来たぜモンスター討伐イベ!やっと異世界らしいことができる!

あぁ、考えただけで心が踊る。どんなモンスターかな?やっぱ序盤だからスライム?ゴブリンもあるか。いや、ここはドラゴn


「はぁ?」


身も凍るほど冷たい声が隣から聞こえた。そう、我らが魔王紅音さんである。


「さんざんアキくんに失礼なこと言っといて虫が良すぎない?」


紅音さんは先程のことをまだ怒っていたようだった。レオルの方はもう既に涙目である。

ヤバい。ここは俺が止めなければせっかくの討伐イベも()()()()である。まぁ、言っても紅音さんなら俺が止めれば多分言うことを聞いてくれるだろ。


「まぁまあ、紅音さん。折角のお願いをそう無下にすることも、、、


「もし、アキくんがモンスターに傷を付けられるくらいなら私がアキくんを殺して私も一緒に死ぬ。」


あーそうだったね。この子、俺のストーカーでついでにヤンデレだったんだね。

どうしよう俺の異世界生活、初っ端から厳しすぎるよ、、、

遅くなってすみませんでした。

マジ卍本能寺です。ついこの間高校を卒業して新生活に向けての準備を色々としていたらいつの間にかこんなに時が経っていました。時の流れってはやいですね、、、

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