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第2話 始まりはトマトから①

前回までのあらすじ→ストーカー召喚したったw


「私の名前は高坂 紅音。 恥ずかしながら晶くんのストーカーをやらせて頂いています。」


彼女の言葉を理解するのに俺は時間がかかった。

ストーカー? すとーかー? 酢斗尾下亜(すとおかあ)?言葉の意味を頭の中で反芻(はんすう)していく内にようやく意味を理解出来た。

そう言えばさっき天使がなんかストーカーいるって言ってたっけ?あーだからかー。それで召喚されたのかー、、、


「ちょっといいかな?天使さん。」


俺はできるだけ優しく天使に問いかけた。


「な、なんでしょう、、、」


「最初の召喚は俺と縁が深いものがモンスターとして召喚されんだったよね?」


「はい、、、」


「なのに、なんであの娘が召喚されたのかな?」


「私もおかしいなーと思って改めて調べてみたら、、、」


そう言うと天使は真っ青な顔から打って変わり急に満面の笑顔になると言葉の先を続けた。


「なんか、あなたの部屋とかにも入られてたみたいで日々の大半をあの娘と過ごしていたことになるので思ってたより二人の縁が深かったみたいです! てへっ♡」


「こんの駄天使ぃぃぃぃぃ!!!」


「あーーーほっぺはやめてください!! ひはひでふ!(痛いです) ひはひでふ!(痛いです)ふひはへん!(すみません)」


マジでこの天使、このままほっぺ引きちぎろうかな、、、 そんな風に考えながら天使のほっぺをつねり続けていると横から声をかけられた。


「あのー、晶くん、、、私は、、、」


そうだ、とりあえずこの娘にまず状況を説明しないといけない。

、、、にしてもこの娘、本当に可愛いな。こんな娘が本当に俺のストーカーなのか?そう思いながら俺は自称ストーカーこと紅音さんに話しかけた。


「紅音さん、、、でいいですかね? えっと、なんて言うかこの状況はですね、、、」


俺が言葉を選んでいると彼女は何でもないように返事をした。


「あっ! 大丈夫だよ晶くん。 ここに来た瞬間に晶くんの事やこれから起こることの状況?みたいなのが頭の中に入ってきたんだ!」


へぇー、そんなことも出来るんだ。スゲーな天使。たまに仕事出来ないけど。

ってそれより、もっと大事なことあったわ!


「あの、俺の部屋に入ってたって聞いたんですけど」


「あぁ、ごめんね。1秒でも長く君と同じ空気を吸いたくて密かに合鍵作っておいたの。でも、安心して!部屋のものとかはゴミ以外いじってないから!」


はい、只今をもって彼女を自称ストーカーからストーカーに変更します。どなたか俺の代わりに通報してください。


「てか、俺の部屋のゴミ漁ってたの!? 何してんだよアンタ!!」


「いや、私も世界のためにゴミを再利用しようかと、、、」


「その心がけはよろしい。ちなみにそのゴミはどんな風に使ったの?」


「袋にパックして鑑賞したり、空気を吸ったりしてました!」


「きっしょ。」


「ブゴハァッ!!!」


きしょいと言った瞬間、紅音さんは口から凄い量の血を吐いて倒れた。そんなに否定されたことがショックなのか、、、でもしょうがないじゃん?きしょいもんこの娘。

仕方ないので 喀血(かっけつ)しながら凹んでる紅音をなんとか慰めながらフォローしていると駄天使が痛みから復活したらしくこちらにやってきた。 って、うわっ!ほっぺが凄い赤い。やりすぎたかな?


「あのーもういいですか?早く戻ってほっぺ治したいんでモンスターとの初交流が終わったのならさっさと異世界におくりますよ。」


ほっぺがそんなに痛かったのかちょっとだけむくれている。そんな怒るなよ。悪かったって。

女の子と二人で異世界転生なんて不安しかないけど、まぁお金も貰えるしいいか。それに紅音さんは確かにストーカーだけど結構可愛いしラブコメ展開もあるかも!


「晶さんは準備OKみたいですね。そちらのモンスターさんは準備いいですか?」


「はい!晶くんと一緒なら刑務所の中でも異世界でもどこでも行けます!」


うん。刑務所の中には1人でいってね?


「では、お二人共準備が出来たみたいなので異世界に送りますね。あ、これ向こうのお金で200ルマ入ってます。」


天使は俺に茶色の布袋を渡してきた。異世界のお金が入っているから結構重い。どうやら向こうの世界での貨幣の単位はルマと言うらしい。


「向こうでは基本犯罪を犯さなければ何してもいいですよ。大冒険するのも、ゆっくり暮らすのも晶さんの自由です。」


そう言いながら天使は俺に笑いかけてくれた。何やかんやで俺のために色々としてくれたよなこの天使。


「ありがとうございます。それは向こうに行ってからゆっくり考えますね。」


「私はまず晶くんと結婚式を挙げたいな♡」


あー聞こえない聞こえない。


「それでは晶さん、目を瞑ってください。次に目を開けたら向こうの世界についてます。」


俺は天使に言われた通り目を瞑った。隣に居る紅音さんも目を閉じたのが何となく分かった。


「良い旅を!」


それが白い世界で聞いた、天使の最後の言葉だった。


―――――――


次に俺が目を開けるとそこは緑一面だった。


白の次は緑かよ、、、


そう思いながら俺は辺りを見回した。綺麗に1列ずつ並んだ緑の葉が横に何列もあり、周りが柵で囲まれている。


「ここ、畑かな?」


紅音さんが戸惑いつつもそう俺に聞いてきた。


「そう、、、みたいですね。取り敢えずここが畑なら近くに民家もあると思いますしそこで話を聞いてみましょう!」


いよいよやってきたぜ異世界!! 俺と紅音さん。今はまだ二人だけしかいないがこれから新しい出会いが俺を待っている!俺たちの冒険はこれからだ!!


「コラーーー!!誰っすかお前らーーー!」


突然、後から怒鳴られて驚いた俺たちは慌てて振り返るとそこには髪の短い少女がいた。

小麦色の肌と陽の光を受けて輝く赤毛が活発的な印象を与える。紅音さんは人見知りなのか俺の後ろに隠れているので仕方なく俺が話をすることにした。


「この畑の子かな?良かったら少し聞きたいことがあるんだけど、、、」


「うるさい!泥棒なんかに教えることなんかないっす!」


ん?泥棒?なんでこの子は急にこんなことを、、、

そう思いつつ改めて自分の状況を考えてみた。

①今、俺達がいるところは畑で恐らくこの赤毛の子が畑の所収者かその関係者。

②俺達がいる畑は柵で仕切られていて俺達はその柵の中にいる。

③赤毛の子から見れば知らぬ間に畑の中に見知らぬ男女二人組が現れたことになる。

④どこからどう見ても泥棒の完成\(^o^)/


あぁ天使様、、、ほっぺたつねったことは謝るのでこの状況どうにかしてください、、、

どうも。マジ卍本能寺です。やっと行ってくれましたね、、、異世界。ここから主人公達の冒険(笑)が始まります。ちなみに魔王とか伝説の剣とかそう言うドラ〇エみたいなのは今のところ出てきませんね。

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