第一章ー6ー
「もう、その男には関わらないようにしなさい」
叔父さんはそう言い残し席を立った
「叔母さん、何か知っているの?」
僕は尋ねると叔母さんは困った顔をしながらも答えてくれた
「アナタが保護された時、憲兵の人に「虹の麓ってどこにあるの?」って言ったらしいの…
その後アナタは気を失ってしまって目を覚ましたときには、あの日の記憶をなくしていた
だから、その言葉はアナタの両親を殺害した犯人に繋がる唯一の手掛かりだったの…
…私達も便り受けて貴方の家に向かう途中……」
声が遠くなってきて目眩がする
(あの日、あの場所で起きたこと
僕が失った記憶?あの男が犯人なのか?)
…丈夫…大丈夫?
気がつくと叔母さんに肩を揺さぶられていた
「ごめんなさい。
まだ顔が青ざめているわ…
今日はもう休みなさい?歩けるかしら?」
僕は叔母さんに支えられながら歩き、部屋までたどり着くとお礼をいって無理しながらも笑顔を見せた
何かあったら声をかけてね?と言い残した叔母さんが部屋から出ていくまで見送ると倒れるようにベットに横になり意識を手放した。
~~
断片的な映像と流れてくる感情
何かを大事に抱き締めながら隠れる僕
虹の麓……どこにある?…
途切れ途切れ聞こえてくる男の声
お願い…静かに…お願いだから…
もうダメ…見つかってしまう…
…もっと奥に隠れないと…
自分だけを世界から切り離すように
目を耳を塞ぎ息を殺し丸くなる
「可笑しいですねぇ…狂しいですねぇ…オカシイデスネェ…」
~~
あの日の両親と同じ黒緋色に染まった月
その妖しい光に照らされながら
零れる涙は眠る僕の頬を伝う
閲覧ありがとうございます




