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第一章ー4ー

本日二話目です


振り向くとシルクハットを胸に当てタキシードを着こなした小洒落た男が立っていた。


男は人好きそうな笑みを浮かべ再度問いかけてきた


「その絵を拝見させていただいても?」


僕は片付けかけた絵を横一列に並べ

「どうぞ、ご覧ください」と声をかける


「此方ではなく、そのイーゼルにかかった方を」


そう言われ僕はイーゼルから絵を外し手渡すと

男は僕の絵を見ながら呟いた

「微かにだが魔力の残痕がありますね」


「お客様、お気に召したでしょうか?」


男に話しかけると、我に返ったように顔をあげる

「失敬、少し考え事をしていました

 そうですね、この絵は写実的で発色もいい

 まるで街並みを切り取り、

 そのまま張り付けたようだ…

 旅の思い出の品には丁度良い」


饒舌に語る男に掴みがいいと感じ

僕は売り込みをかけようとしたが

男は言葉を止めなかった


「だが、描き手の存在を感じない

 癖がないといえば聞こえがいいが持ち味がない

 …おっと、批判をする気はないのです。

 申し訳ありません、

 どうか気を悪くしないで欲しい。

 この絵は、いかほどでしょうか?」

申し訳なさそうに男は言った。


僕は男の言葉に思うところがあったが買ってくれるというならと文句は言わず

淡々と、大銀貨で1枚です。と

いつもの10倍の値段を吹っ掛けてやった


男は胸元に手を入れ金色のコインを一枚出すと

目を見開いている僕の手に握らせた。

「お釣りは謝罪の気持ちとして受け取ってください」


歩き始めた男が振り返る

「あと、もう1つ言い忘れていました。


虹のふもとには、どんな願いも叶える宝がある。

 こんな言葉を知っているかな?」


男はまた、笑みを浮かべそう言い残すと

まだ唖然としている僕の返事を待たずして、すっかり沈んでしまった日に向かい去っていった。



「果たして少年は何を願うのか…」

男は一人、笑みを浮かべ呟いた



閲覧ありがとうございました

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