第一章ー2ー
なにも見えない暗闇の中で、
男の声だけが聞こえてくる
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この物語は ベンジャミン・ロックベルという男なくしては、語れないだろう
彼は絵画、彫刻、建築、作曲など芸術と言われる様々な分野で類い稀な才能を発揮し、芸術の神とも賞され、初代国王ドルチェ・フェルドナンの盟友として、このフェルドナン王国の建国にも深く携わり、5つの街の設計と建造をした彼の貢献を讃えて1つは、ロックベルと名付けらた。
その後、街は芸術家が集まり独自に発展した結果、芸術都市と言われるまでになった…
「退屈そうな顔だね…
だが君は彼を知らなくてはならない」
そういって声は、また語り始める
…生涯、芸術家として数多くの作品を産み出した彼の最後の作品であるNo.20までの作品群と、彼の死後、7人の弟子達によって完成されたNo.21の絵画は、ベンジャミン・ロックベルの芸術家としての全てが表されていると言われている。
「続きといきたいが、
申し訳ない時間のようだ。」
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「…変な夢」
僕はそう呟き、目を覚ました。
時計を見ると朝の8時を少し過ぎたくらい
しっかりと7時間は寝たはずなのに長い間、考え事をしたような重たい頭を掻きながら部屋から出てリビングへと向う
この家は、両親を亡くした僕を引き取ってくれた母方の叔父夫婦の家で10才から15才になる今までお世話になっている。
「おはよう、今日も絵描きの通り道に行くかい?
朝ごはんできているよ」
ハムと目玉焼きをのせたトーストと野菜のスープは、僕が降りてくるのが分かっていたかのように食卓に並べられ食欲を誘っている。
「おばさん ありがとう、いただきます。」
叔母さんにお礼を言って手早く食事を済ませた僕は、部屋に戻り木の板とカンバス、家で仕上げた作品、叔父さんの作ってくれたイーゼルと折り畳み式の椅子を持って絵描き通り道に向かった。
絵描きの通り道
ロックベルの街は、分野別に露店を開ける道が決まっていて、それぞれの通り道では多くの人が自分の作品を展示し賑わっていて、通り道という名の如く、ここで名を売る事が1つの登竜門となっている。
僕は、いつもの場所で完成した作品を展示しイーゼルを立てカンバスを板に張り置くと椅子に腰掛け、いつもと変わらぬ風景を見つめカンバスをなぞる指先に力を集中させた。
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