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出会い

かなり久しぶりの投稿です。


仕事がひと段落ついたので、これからまた書いていきます。


基本的にのんびり投稿だとおもいますのでご了承ください。


感想などあればお願いします。

「フッ!ハッ!!」


 まだ朝日がのぼる少し前、静寂のメイド亭の裏にある広場でリョウは身体を動かす


「ッ!!セイ!!」


 左右に流れるように蹴り、突きを繰り出しながら仮想敵を想像し動き続ける。


(うん、徒手格闘はそれほど得意じゃないが、なんとか思っている以上に身体は動くみたいだな)


 一つ一つの動きを確認しながら速度を増していく


(ふぅ、今日はこれぐらいにしておくか)


 置いていたタオルで汗を拭きながら今日のことを考える


(もうこの町でやっておきたいことは終わったな、あとはここを出ることをあの三人と姫さんに伝えに行かなだめだな。)


 嫌だなぁ、そう思いながら宿に戻るのである


+++++++++++++++++++


 そして次の日


 早速リョウは王城に行ったのだが、


「すんません、ちょっとリリ姫にお会いしたいんですがー」


 なんとも覇気のない声で、リョウは城門前の衛兵に話しかける


「ん?なんだお前は?」


(なんだって言われても・・・あれ?俺ってなんだ?召喚されたとか言わないほうがいいだろうし・・・)


 確かに今のリョウは町人の恰好をしており、パっと見王城に用のありそうな風貌ではない。


召喚されたことを抜けばただの一般人、それがいきなり王族に会いたいなどむしろ不審者なのかもしれない。


「えーっと、リリ姫と知り合いなんですが、」


「お前のような奴と姫がお会いするわけないだろ、はぁ、さっさと帰れ。」


「いや、まぁそうかもですけど・・・では伝言でここを去りますとお伝えください。」


「わかったわかった、良いから早くいけ」


「へーい」


(まぁ、門前払いだけどこれはこれでラッキーかな?もう説得とかややこしいことしなくていいもんなぁ)


 と、リョウはこのままこの日ハイケント城下町を去るのであった。



+++++++++++++++++++


(さて、まずはどこに向かおうかねぇ)


 装備や旅で必要な食糧、日用品は購入したが地図は購入していない、というより販売していないのである。


 あるにはあるがかなり大雑把な内容であり、だいたいこの方角にどの国があるといった程度であり、細かい地形などは、国の軍が管理しているのである。


「まぁ、適当に歩くってのもいいまんだよな!」


 そういって見渡す限りの平原を歩きだすのであった。


 一時間後


(んー、中々平和だなー、まだ一回も魔物に合わないなんて)


 のんびりと景観を楽しみながらあっちへフラフラこっちへフラフラしながら歩いているのだがまだ一回も魔物に出会っていない。


 「ん?なんだあれは?」


 リョウは遠くに見える山の中腹辺りに見える祠のようなものに気が付いた、


 ちなみに普通は見えるような距離ではないのだが、それはリョウだからということで・・・。


(ちょっと飛行魔法でもためしてみるか)


「風よ」


 そう呟くと、リョウの周りに風がまとわりつき始まる。


(うおっと、久しぶりに使うからなぁ、うまくいってよかった)


(それでは行きますか!!)


『ゴウッ!!!』


 低い風の音とともにものすごいスピードでリョウは祠らしきものへと飛んでいくのであった。


「おっとと、ふぅ、あっという間だったなぁ。」


「にしても、なんだここは?」


 そこは祠というよりも、山に無理やりほられた洞窟の様なところであり、その入り口は呪符のようなものをつなぎ合わせたものが入り口に張りめぐらされている。


「これは祠っていうより何かが封印されてるって感じだよなぁ」


『そこに誰かおるのか?』


「ん?なんか聞こえた?」


『誰かおるのじゃな!?』


「いや、気のせいだろう。よし、もう行くか!」


『ちょっとまてぇい!絶対聞こえとるじゃろ!』


「いやいや、聞こえてませんって~」


『どこがじゃ!!いや、それはいい。すまんがここから出してくれんか?』


「ここから?ここからってこの洞窟からか?」


『そうじゃ!』


「いやだ。」


『なぜに!?』


「そりゃこんな厳重に封印?されてるっぽいやつなんてめっちゃ悪い奴にきまってるしな。」


 そういいながらリョウはスタスタとその場を離れようとする


『いやいやいや!わしなんもしてないから!』


「いや、絶対嘘だろ」


『う、うそじゃない!わし、悪いドラゴンじゃないよ?プルプル』


「・・・・・・・・・・・。」


『・・・・・・・・・・・。』


「さて、いくか!」


『まてぇぇぇーーーい!!』


「うるさいなぁ、てかお前ドラゴンかよ!」


『そうじゃ!聞いて驚け!わしこそブラックドラゴンじゃ!』


「ふむふむ、ブラックドラゴンって普通のドラゴンとどう違うんだ?」


『フフフ、色が黒い!!!』


「・・・・・・。」


『あ、あとブレスも黒いのじゃ!!』


「あっそ、」


『やめろ!やめるんじゃ!そんな冷たい目をするな!!』


「いや、見えてないだろ」


『なんとなくわかるのじゃ!』


「まぁ、いいや。ところでなんでそんな所に封印されてるんだ?」


 リョウは話こもうと洞窟の前に胡坐をかく


『うーむ、それがわしにもよくわからんのじゃ』


「え?」


 ブラックドラゴンの話を要約すると、


 ある天気の良い日、のんびり空を飛んでると昼寝にちょうどよさそうな草原を発見。


 そこでひと眠りしているといきなりの豪雨、別になんの害もなかったのだが、これまたちょうど雨宿りによさそうな洞窟を発見。そこで昼寝の継続。


 そして今である。


『な?わし悪くないじゃろ?』


「ほぉ、ちなみにそれっていつぐらいの話だ?」


『うーむ、10・・・いや20くらい前かのぉ?』


「20日前?」


『いや20年前ぐらいじゃ』


「あほすぎるだろ!!!?」


『なぜじゃ!?』


 リョウはあまりにも間抜けなドラゴンの話に憐みを感じたのであった。










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