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黒姫

(うん、しっくりくるなこの『黒姫(コッキ)』)


 リョウは先ほど行った武器屋で手に入れた武器、『黒姫』を腕にはめ込み手を握りしめる。


(なんだかなぁ~)


 リョウは先ほどのことを思い返す


===================


『なんだぁ~リョウ君はお金ないのぉ~?それは困ったわね~』


『いやいや、だからこれはいいです。なんか安い武器でもくれれば・・・』


 リョウは辺りを見渡し、


『あ、これなんかちょうどいいかも』


『だめよん♪一度気に入った子を捨ててほかに浮気しちゃぁ』


『浮気って・・・』


『ならこうしましょう♪』


=========-========


(とかいって、これをくれたのはいいけど。なんだかなぁ)


 店主が付けた条件はこうだった、

『これを使った感想を教えてほしいの♪いろんな武器作ってきたけど、徒手格闘用の武器はあまりないのよん、だ・か・ら・ね♪』


 と言って黒姫を無料でリョウにくれたのであった。

(なーんか裏がありそうで怖いんだよなぁ。ま、いっかぁ)


 貰えたんだからラッキーと気持ちを切り替え、


(次は冒険者ギルドだな、面倒なことは早めに終わらすか)


 リョウは続いて冒険者ギルドへと足を向ける


 数分で昨日下調べしてあった冒険者ギルドに到着

 

 冒険者ギルドに入ると中はあまり人がおらず、カウンターにも2人しかいない。


 ギルドの奥は食堂になっているようで、そこにはいくつかのグループの冒険者が確認できる。


「いらっしゃいませ、何か御用ですか?」


「あ、すんません登録しに来たんですが」


 リョウは不意にカウンターの中の女性に声をかけられ、そう答える


「かしこまりました、ではカウンターにお座りください。こちらの用紙にあなたの情報をご記入ください。」


 リョウは促されるままに手続きを始める


「字は読めますか?」


「あぁ、なんか大丈夫そうだ」


 もちろんハイケント王国の字など読めないはずだ、しかしなぜか転移した先の言語が必ず使えるようになるということを過去に経験しているため、特に戸惑うことなく書き込みを開始する。


「・・・・ん?あの、これって?」


 名前にはリョウと、特技には徒手格闘と記入したところ次の覧で止まる


「記入したくないことがありましたら、特に空欄でも大丈夫ですよ。ただしパーティーを組む時に多少不利になることもあります・・・が?あ、レベルですか?」


 そう、記入覧にはレベルといった記入項目がある


(召喚された際にリリから告げられたレベルについても疑問になったんだよなぁ、レベルってなんだ?)


「こちらのレベルについては、その人の能力の総合得点のようなものです


「総合得点?」


「えぇ、そうです。腕力、魔力、知力などそれぞれの能力を数値化し、それを得点化したものを合計したものがレベルと言われています」


「へぇ~、そんなものがあるのかぁ」


(すごい仕掛けだなぁ、こんなもの今まで見たことがないな。それにしても、俺以外の三人はレベル1ってことだけど相当低くないか?俺なんて不明だったし?)


「えぇ、すごい便利なんです。これで冒険者ギルドの中にあるランク分けも行ったりしています。でもまぁ、このレベルを表示する魔道具は遺跡の発掘品で、仕組みはよくわかってないんですけどね」


 そういいながら女性はカウンターの中からガラスの板を取り出した


「そうなんですか、・・・これでわかるんですか?」


「えぇ、そうですよ。有料になりますが行ってみますか?」


 リョウは少しのお金を支払い、測ってもらうことにした


「それでは早速。この板の上に手をのせてください」


「わかりました。ところで、レベルの平均ってどんなものなんですか?」


「少し時間がかかるのでこのまままってくださいね。そうですねぇ、一般の町民でレベルは5~10ってところでしょうか。冒険者はそれこそ幅広いですね。一番低くて10ぐらいで、今冒険者で一番高いと言われている人で確か80ぐらいだったでしょうか?王国の精鋭騎士たちは平均60はあるといわれたりしていますよ。」


「へぇ~」


(よくわからんが数値が高ければ強い?有能ってことなのか?しかし総合ってことはあいまいだなぁ。知力とかが高くてもあがるってことは、研究員みたいなやつも高レベルになるし・・・・。まぁ単なるモノサシみたいなものなんだろうか)


「あ、でますよ」


 ボウっ、っと青い光がでると同時に文字が浮かび上がってくる


(まぁ、王城では不明だったし、ここでも不明だろう)


リョウ

レベル:765

称号:怠惰 中二病 歴戦の勇者 *** *** ***


「な、な!?」


 ガバッッッッ!!


 女性が大きな声を出そうとしたのでつかさずリョウの手で口を押える


「い、いやぁ~これって壊れてるんじゃないですか~?」


 あはははは、と乾いた笑いをあげながらゆっくりと手を放す


「あ、あなたいったい何者なの?」


「いやぁ、ただの旅人?になろうとしている人?ですよ」


 青ざめたカウンターの女性と、乾いた笑い声をあげる少年に注目の目が集まるが、しばらくこの状態が続くのであった。


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