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旅立ち

「「「「、、、、、」」」」


 リリとヨシト達4人は固まる


(あれ?おかしいこといったかなぁ??)


 リョウはは全く気づいてはいないが、普通いきなり今までいた世界から違う世界にきたものは混乱や不安などを感じるものである。しかしリョウはいたって冷静であり、あまつさえ王族の庇護下に入れると言うのにそれを断り、まったく未知の世界で一人立ちしようというのだ。


 ヨシト達はもちろん余りに冷静でいるリョウに驚きを、


 リリについては王族の庇護を断ることに驚きを現したようだ。


「ん?なにか問題でもあった?」


 そんなリョウの考え無しの発言に


「王家の保護をことわるのですか!?」


 とリリがいい、


「いやいやいや、冴杉くん!!問題あるよ!こんなところで一人ででてどうするの!?僕たちと一緒にいたら安全なんだよ!?なんか街の外れには魔物といったものもでるそうじゃないか」


 そうなのだ、この世界では魔族の他に魔物といったものが存在し、動物とは違い魔物は『魔力』を体内に宿しているようだ。


(そうはいってもたぶんここでも俺の『力』は使うことはできると思うし)


 リョウはそんなことを考える


(それに今回の転移はのんびり異世界を楽しみたいよなぁ、前の二回の転移はバッタバタだったからなぁ、今回の勇者は俺じゃないみたいだし)


「うん、なんとかなるよな!」


 なぜかリョウは大きな声でいう


「「「「ならないよ(わ)!!」」」」


 そう言われるリョウであった。



+++++++++++++++++++


「おー、しっかりと異世界だなぁ」


 そんなのんきな独り言を言いながらリョウは城下町を歩いている。


 あのあと同級生3人と姫様からいろいろ言われ、とにかくうかつに城下町を出ないでいるならといった条件をヨシトに付けられ、晴れて自由の身となったのだ。


 特に目的のないリョウはフラフラと町中を歩き回り、、、そう、典型的な路地裏へ迷いこむというイベントを発生させるのであった。


「あれ?ここどこだ?」


(こんだけ広かったら町中を覚えるだけで苦労しそうだなぁ)


「や、やめてください!!」


「ん?」


「うっせーよ!さ、早く有り金だしなにーちゃん!!」


 またまた典型、テンプレ通りチンピラ3人に絡まれる青年をリョウは見かける。


 そしてリョウはそのそばを通り抜けるのであった


「はい、ごめんよー通してねー」


 スタスタスタ・・・


「「「「・・・・・・」」」」


「えぇ!?た、助けてくれないんですか!?」


 絡まれていた青年がリョウに声をかける


「え?俺が?」


「なんだい兄ちゃん、あんたには関係ないだろーが!」


「だ、そうなので。じゃっ」


「いやいやいや、待ってくださグベッ!?」


 青年はリョウの足に捕まろうとしたところをリョウに蹴り飛ばされる。


「な!?あんた一般人に暴力すんのか!?」


 ちなみにこれはチンピラAの発言


「だって、あんたら4人、仲間だろ?」


「「「「な!?」」」」


「おおかた俺に追い返されるふりして後ろからか、または隙を見て俺を出し抜く、とかだろ?」


「な、なんでわかった?」


「そっちの蹴り飛ばしたほう、チンピラに絡まれてるわりに動悸が平常、呼吸も正常。そんな人間はある程度自分の力に自信があるか、あんたらの仲間かのどっちかだけだ」


「まさか、そんなことが瞬時にわかったのか!?」


 リョウは過去の経験から人間に対する観察眼には自信がある。そして多少の魔法も活用している。


「で、俺から何か奪うのか?」


 ニヤリと嫌な笑みを浮かべる


「い、いや、やめておこう。あんたからは嫌な感じしかしない」


 そう言うとチンピラ3人、いや4人は裏路地に消えようとする


「おい!!」


「はい!?」


 チンピラはビクリと背筋を伸ばす


「表通りはどっちだ?」


「「「「・・・・・・。」」」」


 親切なチンピラに道を教えてもらうのであった。



(さーてと、大体町中の見学も終えたし、知りたいことも知った、あとは宿だな)


 リョウはチンピラとの件以降、町中の食品店、観光地、露天。あとついでに武器などがある店、そして冒険者ギルドといったものを確認してきた。ちなみに今の服装はこの町の服である、お金は城で少しもらっているため当面不自由しそうにない。


 宿を探して、冒険者ギルドの近くをブラブラしていると、


「おぉ!こ、これは!!」


 リョウの背中に電気が走る、それは長年夢見た、憧れた、念願の!!


「静寂のメイド亭・・・だと」


 そう、メイドさん。主に使える可憐な乙女、男性なら一度は自分のメイドを持ちたいと思うであろう。

 リョウもその一人なのである。


(ふ、ふふふ。今日はもう遅いしここらで宿を決めないとなぁ、いやぁ困った困った。仕方ないからここにしよう)


 心の中で訳の分からない言い訳じみたことを考えながら扉をあけ、


「あらぁ~~、いらっしゃ・・・」


 バタンッ


 閉めるのであった。


(なんだあれ!?髭面親父のメイド服!?意味不明だ!い、いや落ち着けサエスギ リョウ16歳独身、こんなことがたとえ異世界でもありえ・・・)


「やだわぁ~いきなりドアを閉めるなんて、はい静寂のメイド亭へようこそ♪ウフン♪」


 扉の前でフリーズしてしまったリョウは見事、髭面メイドに捕まるのであった。



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