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異世界へ

「う、うーん、、、ん?」


 転移と思われる魔法陣の光がおさまると目の前にはピンク色のドレスを着た金髪のかわいらしい、年齢で言うと亮と同じぐらいの女の子が立っていた


「はぁ、はぁ、はぁ、、成功したのですね」


「ここは!?え、なんだ?」


「なによここ!?」


「え?ここは?」


 芳人、真奈美、椎菜はそれぞれに戸惑っているようだ


「あー、えっとあんたは魔術師かなにかか?」


「え?」


 亮は前にいた女の子に話しかける、


「貴様!姫に対してなんという口の利き方を!」


 姫と言われた女の子の横にいた騎士が剣を鞘から抜き、亮に迫る


「やめなさい!」


 しかし姫に怒鳴られ動きが止まる


「はっ!失礼いたしました」


 騎士はその一言ですぐに剣を鞘に納め姫の斜め後ろ、元の位置に戻る


(すげぇな、一言で騎士をせいするのか。まぁ王族ならあたりまえか)


 しかし騎士が表情すらすぐに平然たるものにもどしたことを不思議と思う。


 普通相手が自分より目上の者であったとしても多少表情をゆがめたりするものだが、そういったことは少しもなかった。これは相当な訓練を受けているものか、または姫と呼ばれるものが相当の力と信用をもっているかのどっちかだとゆうことだ。


「あ、あの、すいません。ここはいったいどこなんでしょうか?」


 芳人が遠慮がちに姫へと話しかける。


「ここはハイケント王国、私はこの国の王族リリ=ハイケントです。このたびは私の呼びかけに応じていただきましてありがとうございます勇者様」


「ゆ、勇者!?」


 芳人はそう言われて戸惑う


「はい、ヨシト様」


「え!?なんで俺の名前がわかったんですか?」


「失礼ながら鑑識の魔法を使わせていただきました、ヨシト様、マナミ様、シイナ様。皆様は勇者称号が確認できました」


ヨシト

レベル1

称号:勇者 剣の達人


マナミ

レベル1

称号:勇者 韋駄天


シイナ

レベル1

称号:勇者 慈愛の女神


「お、俺たちが、、、勇者、、、?」


「え?なんなのそれ?どうなるの私たち!?」


「どーなるんですかー?」


「勇者様たちには突然のことで戸惑っていることでしょう、少し休まれてから、、」


「それよりどーゆうことか先に教えてくれない!?」


 マナミが姫の声にかぶせて詰め寄る


 すぐに騎士が剣を抜こうとするが、姫に目で制され動きをとめる


「分かりました。それでは、」


 姫の話はかなり王道の話であり、遥か昔魔族と人間の大きな戦い人魔戦争があったそうだ。


 その人魔戦争は苛烈を極め、100年と続き人族と魔族は共に疲弊していった。そんな時魔族の中に大きな力を持つ者が現れた。


 それは魔王と呼ばれ次々に人族の街や村、そして国を滅ぼしていき一気に人族は追い詰められそうだ。


 そんな時、ある高位な魔法使いが勇者を別の世界から呼び出す。勇者は魔王との戦いでなんとか魔王を滅することができ、その後魔族みるみるうちに疲弊、魔族が戦争を放棄することにより人魔戦争は終結。

北にある魔族が住むといわれる魔大陸へと魔族はこもったのであった。


 とまぁなんとも微妙な終わり方をした話をしてくれた。


 それ以来魔族と人族の交流はなく、人族にとって平和が続いたそうだ。


 しかし、ここ最近魔王が誕生するといった神託がくだされたそうだ、そのため人族は再度勇者を呼び起こすために高位の魔法使いの血をひく王族の姫が勇者を召喚したそうだ。


(なんともまぁ身勝手な話だよなぁ、まだ魔王がいるのかもわからんのに人を呼び出して戦ってくれって、、、)


 リョウは会話に混ざらず端っこで話を聞いていた。


(それにしても今回のこの世界も前回とは違った世界みたいだな、いったいどれだけの世界がこの世には存在してるんだ?)


 リョウはあきれながら全く違うことを考えていた。


「その戦争では多くの人が、、、死んだんですか?」


 話を聞いたヨシトはそう姫に問いかけた。


「はい、そのように伝えられています。多くの者が魔族によって殺され奪われたと。」


「「「・・・・・・・。」」」


 3人は黙り込む、


「俺たち、いや、僕たちにはその、ここの人たちを救うだけの力があると?」


「はい、伝承によれば勇者はこの世界の誰よりも強く、その力ははかり知ることができないと」


「す、少し考えさせてくれ、マナミとシイナもそれでいいかな?」


 さりげなくリョウの存在が消されている


(・・・・・・・・。まいっか)


「わかりました、少し休める部屋へご案内します。」


「あ、あの!」


 シイナが急に大きな声をだす


「どうされました?」


 姫、、リリは立ち止まり振り返る


「もとの、元の世界には帰れるんですか?」


「もちろん、魔王を殺した時にでる大きな魔力を使うことで帰れると伝承にはあります」


 リリはニコッとそう伝える


(ほぉ、ほんとにそんなものがあるのか?数ある世界の中で一つの世界に狙いを定めて転移だぞ?)


 リョウは疑問に思うが特に興味も無いのでスルーする


「よかった」


 シイナはホッとした表情をうかべる


「あ、あのー」


 今度はリョウがリリに話しかける


「俺はどーしたらいいでしょうか?」


「??」


 リリは先ほどヨシトたちの能力を調べたのであろう水晶を取り出しリョウに向ける


「あ、あれ?」


リョウ

レベル***

称号:怠惰 中二病


「「「「・・・。」」」」


 リリとヨシトたちは無言になり固まる


「えっとー、俺は勇者じゃないから無用ですねー・・・」


(おいいいいいいいいいいいいいいいい!中二病ってなんだよ!!!)


「あの、えっと」


 リリは言葉を詰まらせる、そこに


「姫様、彼も私たちと同じ世界から来ました。私たちと同じようにここで生活させていただいてもよろしいでしょうか」


 ヨシトはつかさずそう姫に伝える


「もちろん、よろ・・・」


「いや、いいですよ。俺はここから出ます」


 リリの言葉にかぶせてリョウがそう伝える


「「「えっ!?」」」


「え?」


 ヨシト3人とリリはまたしても固まるのであった。


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