表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/15

魔族

 「な、な・・・魔族!?」


 同行していたトールは目を見開いて呟いた


 魔族は人魔戦争以来人間の前に姿をあらわしたことはなく、姿を見たという噂も、眉唾物の話を覗きないのである。もちろん情報が多く集まるギルドの職員であるトールはそのことを知っている。知っているからこそ今目の前に現れている魔族に対しおどろきを隠しきれないのである。


 「・・・・・・・。」


 「・・・・・・・。」


 「で、その魔族とやらは無言でこっちを見ているようだがなんかあるのか?」


 リョウが後ろ頭を掻きながらボソッとリリにはなしかける


 「そんなことわしが知るわけなかろう!なんじゃ、案外派手に出てきたのはいいが次に何をすればよいのか悩んでるのではないか?」


 こそこそとリョウとリリが話をしていると


 「にゃ、にゃんげん(人間)!!」


 魔族と思わしき男?が声を張り上げてきた


 「ひ、ひぃ!?」


 トールは腰が抜けたのか地面に座りこみガタガタと震えている


 「「あ、かんだ」」


 と、リョウとリリについては正常どおりである


 「に、にいさん!?」


 「「うぇ!?」」


 ここでも二人の声は見事にはもるのであった、


 それはともかく、兄さんとの発言をしたのはトールではなくもちろんリョウとリリではない。残り一人サユリである。


 「人間!俺の妹をかえせ!!」


 「「??」」


 リリとリョウは二人で見つめあい、


 「リョウ、この依頼はキャンセルじゃな」


 「そうだな、よし!違約金はらってくるわ!」


 「えぇ!?なんでですか!?受けてくれるって言ったじゃないですか!?」


 サユリ(魔族?)はあわててUターンを決める二人の前にまわりこんだ


 「き、貴様!この人間!もう俺のかわいい・・・・そう!めちゃくちゃかわいい妹に毒牙を!!?」


 新たに表れた魔族(兄)は空中でなにやらわめいているようだ


 「いやいや、なんかかなりややこしそうじゃん?」


 リョウは魔族(兄)を指さしサユリに言う


 「そうじゃ、ここはさっさととんずらするにかぎるのじゃ!」


 めんどくさいことをしたくない二人はすぐにでも依頼を放棄することに決めたのだ。


 魔族、本来なら北の大地に住んでいるはずであり、高い魔力を誇り過去には人間と大戦争を起こした種族である。そのためトールの反応が正常であり、リョウとリリの反応はありえないのである。


「た、確かに兄はめんどくさいですが!」


「さ、サユリーーーーーー!?」


愛する妹にめんどくさい呼ばわりされる兄の悲鳴である。


「き、きききききききっ!!!」


「ん?なんだ?サルか?」


「き、貴様ーーーーーーー!誰がサルじゃーーーーー!!!!!!」


すごい大声を出しながら急降下してきた、


「なんじゃリョウ、相手をするのか?」


「いや、ここは穏便にっと!」


ゴスッ


「がはっ」


バタ


シスコン野郎もとい、サユリの兄は地面に伏した


「で、どの辺が穏便なんじゃ?」


「んーっと、今のうちに逃げてなかったことに」


ガシッ


「に、逃がしませんよ!!」


サユリが必死に腰に捕まってきた、


「きさまぁーーーーーーーーーー!」


兄復活である


「マジか・・・結構強くみぞ打ちしたのに・・」


「この喜劇はいつまで続くんじゃ・・・?」







 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ