日常
ここは日本のとある県のとある山奥、人が誰も住んでいないわけではないが、家族以外の人とは一日数人ぐらいしか挨拶をかわさない、とゆうか出会わない、そんなところ。
「このくそじじじぃ!!!」
山の頂上にある小さな屋敷で少年の怒声がこだまする。
「父にむかってなんつぅ口のききかたじゃー!!!」
すぐにその父親らしき人物の怒声もこだまする。
「お、おまえが、おまえが『魔法は現代の最先端?都会のみんなは魔法使いまくりじゃ、このテレビも魔法で動いてるんじゃ』何て言うから俺は、、、俺は!」
「もしかして学校で言っちゃった?魔法使えるって言っちゃった??ぷぷぷw」
「こんのじじい!ぶっ殺してやる!!」
「かかってこい若造が!!!」
静かなはずの山で怒声が響き渡る、、、
この少年の名前は亮、とある事情で現代日本で魔法を使うことができる少年。
そして、その対面にいるじじい、、、もとい男性は亮の父親で寿である。
「世間知らずのおまえが現代日本の常識を教えてほしいって言うから教えてやったのだろうが!」
「なーにが、教えてやっただ!女の子はみんなメイド服を着てて、男はみなもてはやされる、んでもって魔法使いまくりだぁー!?それはおまえの願望だろうが!!!」
「いいだろ!せめて脳内だけでも夢見たいんだよ!!」
「その夢に俺を巻き込むんじゃねぇー!!!」
そもそも現代日本では【魔法】といったものはない。というよりも使用することができない。では何故亮は使うことができるのか、それは、
「おまえは異世界か別世界か知らんが、漫画みたいな所で楽しんできて、魔法も体力もつきました?しかも美女達に勇者ともてはやされてハーレム味わいましたー??この、くそっ、死ね!!」
「楽しくねーよ!むっちゃ死にかけたよ!話しただろ!それと息子に死ねとか言うな!」
「ハーレムは、、、?」
「それは、、、、まぁ」
「死ね!!」
「うわっ、このやろう行きなり殴りかかってきやがって!許さん!!」
寿のパンチを避けた亮は寿に殴りかかる。
「じじいのせいで俺は学校では転校そうそう痛い子だよ!なんか皆優しい目をしてんだよ!」
「ぐっ!いいじゃないか!みんな優しくて!」
「そんな優しさいらねーよ!」
今日亮は高校に転校した。とゆうよりも最近まで異世界にいたので高校には通っていなかった、しかし亮はまだ16歳。日本では高校1年生の年齢であり、この夏休み明けに転校生ということで学校にいったのだ。
そこで亮は魔法のことを話してしまったのだ。
「くっそ、明日からの登校が憂鬱だ、、、」
「まぁまぁ、なんとかなるって!がんばって!」
「お前には言われたくねーー!」
「ぐはっ!!!」
亮のアッパーが綺麗に決まり、夜が更けていくのであった。
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「あぁー、、、憂鬱だぁ」
亮は教室の扉の前で肩を落として、中に入ろうとしない。
田舎の学校のためそれほど学生の数はいないが、それでも昨日の発言はクラスメイト全員が聞いていただろう。転校生にはクラス全員が質問しに休み時間に迫るといった洗礼がある。もちろん亮はそれを受けており、そのときの発言が魔法の下りである。
「冴杉、、、君だよね?どうしたの?」
少しどもった感じで亮に話しかけてきたのは、クラス委員長を勤める爽やか、長身、優しい、そしてイケメンと神様に二物も三物も与えられた人物、佐世 芳人であった。
「あぁ、えっと、、、」
「佐世だよ、冴杉くん」
「悪い、まだ名前をしっかりと覚えれてなくて」
「仕方ないよ、まだ昨日の今日だしね。それより教室に入らないの?」
「い、いや、入るよ」
亮は少し苦笑いをして教室のドアを開ける、
ガラララッ
「あ、えっと、みんなおはよう」
「おはよー」
「おはよ、冴杉君」
亮の挨拶に何人かが普通に挨拶を返してきた、
(あれ?なんか皆普通だな)
亮に反応した学生はもちろん、反応しなかった学生も特に奇異の目を亮に向けることはなかった。
亮は不思議に思いながら椅子に座ると、
「冴杉くーん、佐世君に感謝しときなよー?」
後ろの席にいる女の子、
「えー、、、っと」
「真奈美だよ、楠瀬まーなーみ!」
「あぁ、楠瀬さん。感謝って?」
亮は体をねじって後ろえお向きながら真奈美を見る、
「昨日冴杉君が変なこと言ったでしょう?魔法がどーのこーのって」
「あ、あぁ」
早速昨日の失態の話をされて顔色が悪くなる亮、
「放課後、冴杉くんがかえってから佐世君が皆に『冴杉君はまだ転校してきたところで緊張してたんだよ』って、みんなにフォローしてたんだから」
「そ、そうだったのか」
「そんなことないよ、冴杉君が緊張してたのは本当のことだと思うし、ちょっといい間違いとゆうか、そんなこと皆にあることだしね。」
佐世は自分の席に鞄を置いて、こちらに来てそう言った。
どんな言い間違いだよっておもう亮であったが、クラスメイトから変人扱いを受けなくてすむということはありがたいことだった。
「ありがとうな、なんか、、緊張してて」
「仕方ないよ、気にしないで」
佐世はニコリと笑いながら寮に言った
(めっちゃいいやつなんだけど俺こーゆうやつ苦手なんだよなぁ。なんか良い人過ぎて裏がありそうっていうかなんていうか、、、)
恩人に対して失礼な考えをしながら亮はカバンから教科書と筆箱をだす
「佐世くん、真奈美ちゃんおはよー。冴杉くんもおはよー」
三人で話していると長い髪が特徴的な女の子須々木 椎菜が席に寄ってくる。
この三人は小学生のころからの幼馴染らしく、常に一緒にいるみたいだ。長髪の椎菜は少したれ目気味の優しい顔をしており、内面も優しくとてもおっとりとしている。顔も整っており、つまり美人。高校1年生で一番人気の女子である。
そして短髪で茶色に染めている真奈美は、活発的で運動部には入部してないが、助っ人として多数の部活を行ったり来たりしているほどの身体能力保持者である。そんな真奈美も顔は整っており美人、恐らく椎菜に匹敵するほどの人気があるだろう。
そんな幼馴染といつも一緒にいる芳人は周りから嫉妬の目で見られることも多い。
しかし、周りの生徒は芳人なら仕方がないなって思うことが多い。
それは1年生の一学期で芳人は成績学年トップ、身体能力も高く、中学生のとき剣道の全国大会で優勝の経験もある。顔もなかなかのイケメンであり、性格も穏やかでつまりいいやつなのである。
そんな芳人は1年はもちろん2、3年の女生徒からも注目をあびている。
そんな三人の中にいる亮には、昨日とはまた違った憐みの優しい視線が贈られるのであった。
放課後、亮は特に部活をしていないため、すぐに帰り支度を済ませると教室を出る、
「冴杉くん、ちょっと時間ある?」
佐世が教室をでたタイミングで声をかけてくる
「佐世、、くん、どうした?」
「呼び捨てでいいよ、それより今から暇かな?」
「暇なら私たちとちょっと出かけない?近所に東京で有名なケーキ屋さんができたんだって!こんな田舎にめずらしいよねー」
「冴杉くんもどうかな?甘いもの苦手ー?」
佐世の後ろから真奈美と椎菜がでてくる
「この二人がそこに行きたいって言っててね、それならって冴杉くんも誘おうってことになったんだよ。まだお互いのことあまり知らないからね、これをにきにと思ってね」
(うーん、特に用事はないがこの三人かぁ。なんか俺すっごい惨めな気持ちになるんだよなぁ)
亮も別に顔は悪いほうではない、それどころかイケメンに分類されるだろう。
しかし、いつもやる気のない表情をしており言葉づかいも悪い。そんな亮はイケメンというより少し残念なやつという烙印をこのクラスでは押されている。そこに初日の痛い発言も含まれているのはもちろんのことである。
「そーだぁ、じゃあ俺も、、、!?」
廊下で話していた4人の足元に光り輝きながら多くの文字らしきものが浮かび上がる、
(これは転移門?いや、見たことのない術式だ)
亮は過去の経験から素早くこれが何かとゆうものを考える、
「な、なんだ!?」
「なによこれ?光ってるの?どんな仕掛け?」
「わーきれいですねー」
どんどんと光力が強くなり
(あーぁ、やだなぁー)
亮はやる気なく
芳人たちは三者三様の反応を示す
「ま、まぶしい!」
「どーなってるの!?」
「すごい光ってますよー??」
パニックになる3人
光り輝く廊下、、、
光が収まった廊下に4人の姿はなく、いつもの放課後の廊下が残るのであった。