6.占い少女ユキコ
~1~
カナのクラスには『ユキコ』という不思議な力を持った占い少女がいる。薄紫の髪をしたミステリアスな雰囲気の美少女だ。
ユキコ「あの、カナちゃん…」
かな「どうしたの?」
ユキコ「今週の土曜日に占いの館を開くことにしたの。でね、お客様にお茶やお菓子を出したりするのをカナちゃんに手伝ってほしいの」
かな「占いの館?すごいね、手伝うよ」
~2~
ホドの家。
かな「ただいまホド。何してるの?」
ホド「魔法の香水の変身時間を1秒でも伸ばす研究をしているのじゃ」
かな「アタシのために?うれしい、ありがとうホド」
ホド「で、学校はどうじゃ?」
かな「うん、楽しいよ。友だちもたくさんできたし」
ホド「それはよかった。じゃが、人前で変身してはならぬぞ」
かな「どうして?」
ホド「それは魔法少女モノの話のお約束だからじゃ。それに、謎の美少女って、なんだか話が盛り上がるじゃろ?」
かな「なるほど」
~3~
その頃、町中では…。
リゲル様「もうなんなのよ!あのオバサンさえ邪魔しなければ、オレンジツインテール娘を素っ裸にできたのに!悔しいわ!でもあきらめないわよ、絶対に悲鳴をあげさせてやるわ!…ん?」
マダム1「ねぇ知ってる奥様?ユキコちゃんが占いの館を開くらしいのよ」
マダム2「知ってるわよ。あの子の占いって本当によく当たるのよね。おかげで夫が隠していたエロDVDのありかが分かったわ」
マダム1「まぁ、あなたのご主人って見た目通りエッチな人だったのね」
リゲル様(ユキコ?ふふ、かわいらしい名前ね。オレンジツインテール娘は後回しにして、まずはユキコちゃんを襲ってあげようかしら?)
~4~
土曜日。占いの館。
ユキコ「ラッキーアイテムはピンクのリボンよ」
あみ「分かったわ、ありがとう」
かな「デート楽しんでね、あみチャン」
あみ「うん、じゃあね」
かな「はい、次の方!」
~5~
同じ頃、リゲル様は占い客の行列を眺めていた。
リゲル様「多すぎるわね、それほどユキコちゃんの占いが大当たりするってことなのかしら?これじゃあ並んでもユキコちゃんに会えないわ。こうなったら…ちょっとアンタ達、どきなさいよ!」
ギャル1「アンタ何言ってんのよ?」
リゲル様「僕が先に並んでいたのに、よくも順番抜かしてくれたわね!」
ギャル2「はぁ、ウチらが先に並んでたんですけど」
リゲル様「おだまりっ!屁理屈言ってないで、さっさと通してちょうだい!だいたい、アンタ達の運勢なんてたかが知れてるじゃない。週刊誌の占いで充分よ!」
恐いオジサン「あ?やんのかこの悪趣味マント野郎」
リゲル様「なんですって?言ってもダメなら力づくでも道を切り開いてあげるわ。いざ、勝負!」
ドカドカ、バキバキ、ボコボコ!!
リゲル様「痛っ!ちょーっと、バトルは1対1でするものでしょ…ごふっ!ぶへっ!ぐはっ!ごぎょぼえぇぇえ!!」
リゲル様…撃沈!
リゲル様「強いわ…。まるで占い客のバーゲンセールね。でも、ここで退くわけにはいかないのよ!」
ユキコ「どうしました?順番守ってくださいね」
かな「あっ、リゲル」
リゲル様「また会ったわね。でも今日はアンタに用はないわ。そっちの子に用があるの!」
ユキコ「えっ私にですか?」
リゲル様「はじめましてユキコちゃん。君のような可愛い子に会えて嬉しいわ」
ユキコ「やだぁ~照れちゃうな」
リゲル様「突然だけど、君のピチピチでフレッシュなふとももを頬ずりさせてくれないかしら?」
ユキコ「きゃ~、バカエッチスケベ、へんた~い!」
ごつっ!
リゲル様「いたっ。よくも僕をヘンタイ呼ばわりしたあげく、クリスタルボールなんかでどついてくれたわね!もう許さないわよ!!」
かな「それはこっちのセリフよ!たくさんの人がユキコちゃんの占いを楽しみにしていたのに、よくも台無しにしてくれたわね!」
リゲル様「うるさいわね!女子高生の分際でなに調子ブリブリぶっこいてんのよ!出てらっしゃい、鼻水怪人『ノーズマン』!」
ボン☆
ノーズマン「オレの名はノーズマン!リゲル様に仕える怪人。必殺技は美しく大回転しながら鼻水を飛ばしまくる『ノーズウォータートルネード』だ!」
かな「嫌な予感…」
ノーズマン「必殺・ノーズウォータートルネード!」
びちゃああ!
レディ達「きゃ~、不潔!」
かな「危ない、かかるところだった…」
リゲル様「あ~、レディ達の叫び声!たまらないわ!ふっふっふ…はっはっはっは!!!」
びちゃああ!
リゲル様「あ…。ちょっと、僕にまでぶっかけてどうすんのよ!やだぁ~、思った以上にベトベト…。もぉ、最低最悪よ~。トホホ…」
リゲル様は帰っていった。
ノーズマン「まだまだいくぞ、ノーズ…」
すててこマン「マックスレーザーショット!」
ノーズマン「ヴォー!!?」
かな「すててこマン!」
すててこマン「みんな、ここはおれに任せて安全な所へ逃げるんだ!」
ユキコ「はいっ!」
かな「よし、チャンス」
カナは魔法の香水をふりまいた。
かな「ゴスロリAngelかな、降臨!」
すててこマン「お前はあのときの!」
かな「あんた一人じゃ頼りないから助けてあげるね♪」
すててこマン「なんだとこのチビ!」
かな「あんただってチビじゃないのよ!」
ノーズマン「鼻水ビーム!」
かな・すててこマン「わ~!!」
すててこマン「お前、おれを盾にしようとしただろ?」
かな「バレちゃった?うふふ、ごめんなさぁい♪」
すててこマン「て、テメェ~」
ノーズマン「次は外さんぞ!」
すててこマン「マグネシウム光線!」
ノーズマン「どわぁ~!こうなれば最終奥義…ノーズビッグバンウォーターだ!」
ぷく~♪
かな「え、体が膨らんでる?」
ノーズマン「そう、この技は爆発と共に世界中に大量の鼻水を撒き散らすのだ!」
すててこマン「え~、なにそれキモイ!」
かな「その前にアンタを…」
ノーズマン「鼻水キャノン!」
かな「わっ」
ノーズマン「まだまだ」
かな「わっ、きゃ、ひゃっ!」
ピコン、ピコン、ピコン♪
かな「うそっ、もう時間がない!」
すててこマン「メガトンボール!」
ノーズマン「ぐあ~!」
すててこマン「今だ!」
かな「うん!」
カナは先に星のついた魔法の杖を出した。
かな「スターライトニング・クラッシュ!!」
杖の先から放たれた無数の流星が怪人に直撃!
ノーズマン「ぎゃ~やられた~!」
怪人は光となって消滅した。
かな「やった♪」
すててこマン「お前、足手まといじゃねーか!」
かな「じゃあ、あんた一人であの怪人倒せたの?」
すててこマン「あ、あたりまえだろ。でもありがとう、助かったよ。じゃあな!…でゅわっ!」
かな「え…」
ドキ、ドキ…
かな「も~あたしのバカ、何ドキドキしてんのよ!まぁ、生意気なトコも蒼汰くんにそっくりだけど、すててこマンの方が素直でいい奴なのかも…」
~6~
ユキコ「カナちゃん」
かな「ユキコちゃんごめんね。逃げる途中にはぐれちゃったの」
ユキコ「そう、無事でよかった…。さ、気を取り直して、占いの続きといきましょう」
かな「うん!」
To be Continued.