5.すててこマン参上!
~1~
翌日、女子トイレ。
あみ「ルーズベルト様…」
悩める美少女は鏡を見つめて呟いた。
リゲル様「やあ、かわいいお嬢さん」
あみ「あなた誰!?ここは女子トイレよ!」
リゲル様「大声を出さないでちょうだい。僕は見ての通り怪しい者じゃないわ。アナタ、最近恋人の事で悩んでいるでしょ?悩み事があるなら僕が相談に乗ってあげるわ。そのかわり、僕のおケツにキスしてちょうだい。ぷりんぷり~んっ♪」
あみ「きゃあ変態!」
リゲル様「ぬぁんですって!?もう怒ったわよ。僕を誰だと思っているの?いでよ、鏡怪人『ミラージュン』!!」
ぼん☆
ミラージュン「ミラージュン、見参!」
リゲル様「可愛いからって生意気な事言っちゃって。さぁ、ミラージュン!」
ミラージュン「おう!」
ミラージュンの持つ鏡が、妖しく光る。
あみ「きゃ~!」
あみは鏡の世界に封印されてしまった!
~2~
事務室。
ルーズベルト「あみ、遅いな…」
~けて…助けて~
ルーズベルト「この声は…」
~助けて、ルーズベルト!~
ルーズベルト「あみ!」
~3~
ルーズベルト「君たち!!」
リゲル様「あら、ずいぶん早かったわね」
ルーズベルト「あみはどうした!?」
ミラージュン「この鏡の中さ」
ルーズベルト「今すぐそこから出したまえ!」
リゲル様「そんなにあみチャンを愛しているなら、あなたも鏡の中に封印してあげるわ」
ミラージュン「はっ!」
ルーズベルト「うわ~」
ちょこちょこちょこ…
かな「あ、ルーズベルト先生」
リゲル様「来たわね、待っていたわよ」
かな「またアンタ?ルーズベルト先生に何をしたの?」
リゲル様「愛し合う二人を鏡の世界に閉じ込めてあげたのよ。ロマンチックでしょ?」
かな「まさかあみチャンも?」
リゲル様「ふふ、返してほしいなら、僕の目の前で素っ裸におなりなさぁい」
かな「くっ…(変身するしかない)
京子「とりゃあ!」
ドカッ!
リゲル様「ぎゃあっ!」
かな「京子先生!」
リゲル様「何すんのよ!?邪魔しないでちょうだい!」
京子「キサマ、ウチの生徒に何をしているっ!?」
リゲル様「もぉんサイアク~。ミラージュン、後は任せたわよ。それ逃げろ~」
京子「こらっ、待て~!」
かな「よし、変身!」
カナは魔法の香水を振り撒き変身する。
かな「ゴスロリAngelかな、降臨!」
ミラージュン「何!?」
かな「えーい!」
ミラージュン「ミラーバリア!」
かき~ん!
かな「うぉ~りゃあ」
バシ、ドカ、バキ!
ミラージュン「ぐわっ。おのれ~、リフレクションビーム!」
ピカッ…
かな「うわ、眩しい!」
ミラージュン「ミラーアタック!」
ドカーン!!
かな「きゃっ!」
ミラージュン「これで終わりだ」
蒼汰「マックスぱぁ~んち」
ぼこっ…
ミラージュン「いてっ」
かな「蒼汰くん!」
なんとカナのピンチに蒼汰がかけつけた。
しかし蒼汰はいつもの甚平姿ではなく、ステテコパンツを穿き、ボロ布のマントをまとっていた。
ミラージュン「ボウズ、まさか最近テレビで大人気の…」
すててこマン「おれは正義のヒーロー『すててこマン』、参上!」
しゃき~ん!
ミラージュン「まあよい、チビが1人増えたところで、何も変わらん!」
かな「チビだって?」
すててこマン「お前、2対1ってこと、分かってないな?」
ミラージュン「え?」
ばこっ、ばこっ、ドカッ、
ミラージュン「いたっ、いたい!」
かな「おらっ、早く立てやコラッ!」
すててこマン「まだ終ってねぇぞ!」
どかっ、ばきっ、ごすっ!
ミラージュン「ご、ごめんなさい、カンベンしてくださいっ!」
すててこマン「ふん、これくらいにしといてやる」
かな「これに懲りたらもう二度と悪いことしちゃダメだよ?」
ミラージュン「はい、申し訳ございませんでした!に、逃げろ~!」
ピュ→
すててこマン「正義は勝つ!」
かな「ありがとう、蒼汰くん。まぁまぁカッコよかったよ」
すててこマン「蒼汰?誰の事か知らないけど、おれはすててこマンだ。じゃあな…でゅわっ!」
すててこマンは飛び去っていった。
かな「え!?蒼汰くんじゃないの?」
ピコン、ピコン、ピコン♪
カナの胸にある星形のブローチが点滅する。これは変身時間が残りわずかである事を知らせるためのものだ。
カナは変身を解除し、元の姿に戻る。
あみ「ふう、出られたわ」
怪人の落としていった鏡からあみとルーズベルトが解放される。
ルーズベルト「あみ…」
あみ「来てくれてありがとう。独りで怖かったわ」
ルーズベルト「僕が君を独りにするわけないだろ。君は世界でただ一人の僕の愛しいプリンセスなんだから…」
あみ「ああ、ルーズベルトっ!」
かな「よかった二人とも」
あみ「カナちゃん」
かな「すててこマンが悪い奴らをやっつけてくれたんだよ」
ルーズベルト「すててこマンが?」
あみ「まぁ、ゆっくりお礼を言いたかったわ」
~4~
翌日。
かな「おはようございます、京子先生」
京子「おう。昨日の怪しい男はわたしがきっちり追い払ってやったぞ」
かな「そうですか…ありがとうございます」
ドカッ…
かな「ごめんなさい、あっ、蒼汰くん」
蒼汰「いてーな。ちゃんと前見て歩けよ不審者。警察呼ぶぞ!」
かな「あんたの方こそぶつかったってことはよそ見してたんでしょ?それにアタシはカナ。せっかく朝早くからこんな可愛い子がぶつかってあげたんだから、名前くらい覚えなさいよ!」
蒼汰「なに言ってんだよ、おブスのくせに…」
かな「なんだとテメェコラ!」
蒼汰「ひっ!…ご、ごめんなさい」
かな「それより蒼汰くんってすててこマンなの?」
蒼汰「ああ、すててこマンね。似てるからよく間違えられるんだよ。…ほら、早く来いよ不審者。ベルが鳴るまでに教室入らないと」
かな「もう、待ちなさいよ~」
ちょこちょこちょこ…♪
To Be Continued.