20.混沌の爪痕
~1~
かな「はぁ、勝った…」
ドサッ…
蒼汰「大丈夫か不審者?」
かな「ちょっと疲れちゃったかな?」
カナはすててこマン、そしてリゲル様と力を合わせミラに辛うじて勝利を収めた。
しかし、ミラが随分と派手にやらかしたため、宮殿一帯は驚いた住民たちで騒ぎになっていた。
すててこマン「ヤバイな、どう収拾つければ…」
ホド「カナ!」
かな「ホド…どうしてここに?」
ホド「ここから異常な時空の歪みを感じてな。…げっ、リゲル!」
リゲル様「あ~らホド、最近見ないと思ったら、元気そうね」
ホド「ふん!おぬしと話すことなどない!…してカナよ、ここで何があったのじゃ?」
かな「…ミラよ!」
ホド「ミラじゃと!?なるほど、混沌の魔法じゃな」
かな「うん。手強い相手だったけど、アタシの新・必殺技で厚化粧の年増女をぶっ飛ばしてやったわ☆……でね、大変なのよホド!あのオバサン、女神の聖剣っていうスゴい剣を手に入れて悪い神様を復活させようとしているの!」
ホド「なんじゃと!?」
かな「とにかくいろいろゴタゴタ続きで…蒼汰くんのお家もメチャクチャだし……って、あれ?元に戻ってる!?」
蒼汰「い、いつの間に!?」
リゲル様「町中の騒ぎも静まり返っているわね」
すててこマン「この感じ、まさか…」
~2~
その頃。
ファントム「あなた方の予想通りですよ…読者の皆さん!ミラのおかげで天城さんのお宅はメチャクチャ、近隣住民も大騒ぎ♪でも私が宮殿を元通りにし、モブキャラどもから記憶を消しちゃいました☆……おやおや、カナちゃん達が感づいたようだねぇ」
~3~
天城宮。
かな「そっか~、ファントムの仕業ね」
すててこマン「くっそ~、アイツ、一体何がしたいんだ…。ミラと組んでいるんじゃないのか?だったらわざわざ宮殿をも…」
かな「ちょっと待って、組む!?ファントムがあのババアと?どうして?」
すててこマン「そうだな~、どこから話せば…」
すててこマンはミラと共にいたニビルが元は宇宙人であること、ニビルを追い払おうとするもファントムに阻まれたことを話す。
かな「そんな事があったのね…」
すててこマン「おそらくその後ファントムに操られてミラの手下になったんだろう」
リゲル様「ふん、ファントムとやら…ますます妖しいウサギちゃんね」
かな「大丈夫だよ二人とも。ファントムはアタシの友達。まだ知らないこともいっぱいあるけど、ワルモノなんかじゃないよ…」
リゲル様「でもアンタ、ファントムには気を付けたほうがいいわ。…そんなことよりそこのボウヤ!」
蒼汰「な、なんだよ?」
リゲル様「まさか本当にすててこマンとは別人だったなんて!驚いたわ~」
蒼汰「だからただのそっくりさんって言っただろ?」
かな「でもホント激似…」
蒼汰「……」
すててこマン「……」
蒼汰とすててこマンは互いをじっ……と見つめあう。
すててこマン「は、はじめまして…。なんか変な気分だな。気まずいと言うか照れると言うか…。と、とにかく、用が済んだし、おれは帰るぞ!…じゃあなっ!」
ビュッ!
すててこマンはそそくさと飛び去っていった。
かな「行っちゃった…」
リゲル様「オレンジツインテール娘!」
かな「なに?またセクハラ発言でもしにきたの?」
リゲル様「ちがうわよっ!それに"また"ってなによ!?僕は今日、アンタにリベンジを果たすために来たのよ!!…でも、アンタとの対決はひとまずお預けね。女神の聖剣探しで忙しくなりそうだし。フフフ…、絶対にあのオバサンより先にゲットしてみせるわよ~」
かな「そうはさせないわ!あのババアの手に聖剣は絶対に渡っちゃダメだけど、アンタの手に渡るのもロクなことにならない。だから聖剣はこのカナ様が頂戴するわ!…まぁ、アタシも個人的に欲しいって言うのが本音なんだけど。だって女神の聖剣って名前…、なんだか惹かれるじゃない?」
リゲル様「フッ、面白いわ、競争ね。じぁあ、僕はこの辺で失礼するわ。…あらん?」
かな「どうしたの?あっ、これって…」
カナはシュガーランドで拾ったときと同じような不思議な黒い鍵を見つけた。
夜の闇を思わせる黒い鍵にはコウモリの翼のようなデザインがあしらわれている。
かな「カッコイイ☆アタシ好みのデザインね♪」
ホド「前に拾ったモノに似ておるの。よし、これも一緒に調べておこう。…ではカナよ、ワシは先に帰っておくぞ。まだ話したい事がたくさんあるんじゃろ?家でゆっくり聞かせておくれ」
かな「うん」
ホドとリゲル様はそれぞれ天城宮を後にする。
~4~
かな「やっと落ち着いたね」
蒼汰「そうだな」
白娘「ん…。蒼汰…ちゃん?」
蒼汰「おっ」
白娘「わたくしは今まで何をしていたのでしょうか?」
蒼汰「さ、さぁ…天気がいいから気持ちよくなって寝ちゃったんじゃないの?」
白娘「あら、いやですわ。わたくしったらつい♪」
かな「蒼汰ママ、無事でよかった…」
蒼汰「あとは大丈夫だから任せて。もう夕方だし、帰っていいぞ。ホドも待ってるんだろ?」
白娘「またいつでも遊びにいらして下さいね、カナちゃん♪」
かな「ええ、またお邪魔いたしますわ、お母さま…」
To Be Continued.




