1.ゴスロリAngelかな、降臨!
~1~
ここは女神さまと天使達の住む天界。
おや?誰かが叫んでいるぞ。少し覗いてみよう!
天使「おーい、カナ!」
かな「なぁに?」
天使「女神さまが呼んでいるぞ!」
かな「女神さまが?一体アタシに何の用だろう?ま、行ってみよっと」
~2~
宮殿の玉座には、絵に描いたように美しい女神が腰掛けていた。鳳凰のように豪華な衣装や羽衣を身に纏い、全身から金色の光を放っている。
この女神の名は『西王母』という。
西王母「遅いわねぇ、呼んでいるんだから速く来なさいよ!」
かな「すみません」
西王母「で、あんた、カナっていったわね?」
かな「あ、ハイ」
西王母「あんたさぁ、たかが天使の分際で可愛くないかしら?」
かな「え?やだ~。まぁアタシも自分の事カワイイかな~って思うけど女神さまに比べたら…」
西王母「おだまりっ!この天界に私以外の美人は要らないの、分かる?だからね…」
かな「な、なんですか?」
西王母「人間界に堕ちてもらうわよ、いいわね?てゆーか強制よ!」
かな「そ、そんな~」
その時、カナの頭上の光輪と背に生えた翼が消えてゆく!
そして強い突風がカナを吹き飛ばした!
~3~
かな「きゃ!…いたたた、ここどこだろう?」
辺りを見回すと、翼のない天使たちが歩いていた。いや、天使ではない、人間だ!
かな「人間…界?あれ、アタシ…翼がない!…そっか、あたし人間になっちゃったんだね。…って呑気なこと言ってる場合じゃない。アタシこれからどうすればいいのぉ!?」
人間たちは地面に座り込んでいるカナを変な目で見ている。中にはカナをカワイイと思っていやらしい目で見ているキモいオッサンやオタクもいる。
ちょこちょこちょこ…♪
かな「?」
カナの側を青い甚平を着た少年が通りかかる。綺麗な空色の瞳をしており、左頬には二本の傷がある。髪は銀髪で青い鉢巻きを巻いていた。
少年「お前、道のど真ん中に座り込んで何してんだ?怪しい奴だなぁ。あ、不審者とは関わっちゃダメって言ってたな、行こ行こ」
かな「なによ~失礼ねぇ!」
女性「きゃ~!」
今度は女性の悲鳴が聞こえてきた。
???「もぉ、どうしてみんなこのナイスガイな僕から逃げるのかしら?」
どうやら悲鳴の原因はこの男らしい。赤いマントの付いたきわどい紫の衣装を着たいかにも怪しい男だ。
怪しい男「あ~ら、カワイイ女の子じゃない!僕の好みよ」
かな「え、アタシのこと?」
怪しい男「お嬢ちゃん、300円あげるからスキンシップさせてちょうだい」
かな「はぁ?無理に決まってんだろうが、このヘンタイ!」
リゲル様「なんですって!?この『リゲル様』に向かってヘンタイって言ったわね?もう許さないわよ!出てらっしゃい、追跡怪人『ストーカー』!」
ボーン☆
爆煙とともに怪人が現れた!
ストーカー「オレ様の名はストーカー。趣味は女の子を追いかけ回してペロペロなめることだぜ!」
リゲル様「ストーカー、後は任せたわよ。ではさらばっ!」
ストーカー「さーてお嬢ちゃん、ペロペロさせてもらうぜ」
かな「い…いやぁああ!」
ちょこちょこちょこ…♪
ストーカー「あ、待て!」
かな「もぉ、ついてこないでよ!」
~4~
数分後。
かな「なんとか逃げ切れたかな?」
???「のう、そこの娘さん?」
かな「え…ぎゃああ!」
なんと、クマの生首が話しかけてきた!しかもコワモテ!
ホド「おどかしてすまんの。ワシは『ホド・セフィロト』、こう見えても魔法使いじゃ。それより何かお困りのようじゃな?」
かな「うん、怪人に追いかけられているの。ホドさんの魔法で何とかしてよ!」
ホド「ではこれを使いなさい」
かな「これって…香水?」
ホド「それはワシが発明した魔法少女に変身できる香水じゃ」
ストーカー「どこに隠れたぁ?出てこ~い!」
ホド「ほれ、早く使わんか」
かな「うん、変身!」
シャキィィン!
かな「なにこれ~!?カッコイイ!」
カナはゴスロリのバトルコスチュームを着た魔法少女に変身した!
ホド「あ、言っておくが一日4分2秒しか変身しておられんぞ」
かな「え~!じゃあ早くやっつけなきゃ」
ちょこちょこちょこ…♪
ストーカー「どこだぁ?」
かな「お待ちなさい!」
ストーカー「お嬢ちゃん!あれ、さっきと何か違う…」
かな「バーカ、全然違うわよっ!女の子を追いかけ回してペロペロしようだなんて許せない!夢と希望の天使、『ゴスロリAngelかな』、降臨!」
シャキィィン!
To Be Continued.