17.タマノコシ大作戦
~1~
天城宮の庭園。
カナたちは午後のティータイムを楽しんでいた。
白娘「…そうでしたの。わたくしはてっきり、蒼汰ちゃんのガールフレンドかと思っちゃいましたよ。でも、カナちゃんみたいな可愛い女の子が、蒼汰ちゃんのお嫁さんになってくれたら嬉しいですね♪」
かな「まぁ、可愛いだなんて…。わたくしなど、お母様のお可愛さには及びませんわ」
蒼汰「お前、いつもとキャラが違うぞ」
かな「あ~ら蒼汰さんったら、一体何のお話をしてらっしゃるの?(ふふふ、言葉遣いもアフタヌーンティーのマナーも完璧!上流階級のマナー本を読んでいた甲斐があったわ。蒼汰ママのアタシに対する好感度を上げて、玉の輿に乗ってみせる!夫が生意気なチビ助っていうのが不満だけど、贅沢な暮らしには代えられないわ!)
~2~
談笑する三人を怪しい男がこっそり見ていた。
リゲル様(見つけたわよ、オレンジツインテール娘。この前は負けちゃったけど、今度はそういかないわよ。パワーアップしたリゲル様の実力を見せてあげるわ!)
完全に不法侵入じゃねーか!
リゲル様(いざ、リベン…)
ゴロゴロ…ドッカーン!
かな「わっ!」
突如、雷が円卓を直撃した!
白娘「二人とも、大丈夫ですか?」
魔女「優雅な一時の邪魔をしてすまぬな」
白娘「え?」
カナたちの前に悪の女王然とした厚化粧の魔女が小悪魔を伴って現れた!
ミラ「我が名は混沌の魔女、ミラ!」
ニビル「オレっちはニビル!ミラ様に仕えし者!」
白娘「あの、映画か何かの撮影ですか?」
ミラ「ちがーうっ!!私はキサマの持つ女神の聖剣を奪いにきたのだ!」
かな「女神の聖剣?」
ミラ「はるか古、名もなき女神が地上に残したという大いなる奇跡の力を秘めた伝説の剣。その力で邪神ベテルギウスを復活させ、共に世界の覇者となるのだ!」
白娘「は、はぁ…」
ミラ「少し苦しむが安心しろ。ハッ!」
ミラは白娘に妖しい光を浴びせる!
白娘「きゃああああっ!」
ばたっ…
蒼汰「白娘!」
かな「蒼汰ママ!…大丈夫、気を失っただけみたい」
ミラ「ハズレだと?これほど清らかな気の持ち主であれば、女神の聖剣を宿していると思ったが…」
ニビル「次に行こうぜミラ様」
ミラ「そうだな」
かな「待ちなさいよ…」
ミラ「さぁ、次こそは女神の聖剣を手に入れて見せるぞ!鏡よ鏡…」
かな「待てっつってんだよクソババア!!」
ミラ「なにっ!?」
かな「玉の輿大作戦…じゃなくて、アフタヌーンティーをメチャクチャにした挙げ句、美人で優しい蒼汰ママにこんなことするなんて許せない!つーかオマエ化粧濃いんだよ!」
ミラ「し、仕方ないでしょ、わたし悪役なんだから…。こういうキツイお化粧じゃないと、子供たちが怖がらないじゃない……って、何言わせんのよ!!」
ニビル「落ち着いてミラ様!」
ミラ「おっと、私としたことが。とにかく、私をクソババア呼ばわりしたことを後悔させてやるわ!」
To Be Continued.




