16.美人ママ、現る
~1~
闇の空間。
ミラが"不思議な鏡"を眺めていた。
鏡「こんにちはご主人様。お捜しの人物の条件をおっしゃって下さい」
ミラ「鏡よ鏡よ、女神の聖剣を宿す者を教えよ!」
鏡「…条件に一致する人物は見つかりませんでした」
ミラ「なにっ!?…え~い、全然使えぬではないか!」
ギギギっ…
鏡「あ~やめてっ!割れてしまいます!」
ミラ「すまぬ、私としたことが冷静さを失っていたようだ。どうやら女神の聖剣はその強大すぎる力ゆえに鏡では探せぬということか…」
鏡「では、持っていそうな人物の条件で検索をされてはどうでしょう?」
ミラ「なるほど。そうだな…清らかな気を持つ女を教えよ!」
鏡「…条件に一致する人物が見つかりました」
ミラ「ほう、この女か」
鏡には空色の瞳の美しい女性が映し出されていた。
~2~
学校。
数学教師「テストを返します」
ユキコ「あみチャン、自信ある?」
あみ「まあ、それなりに良い点数だと思うわ」
ユキコ「そう、私は数学がちょっと苦手で…。あっ、蒼汰くん、どうだった?」
蒼汰「じゃーん♪98点!」
あみ「まぁ、すごいわ」
ユキコ「さすが蒼汰くん」
蒼汰「いやぁ、それほどでも~」
かな「ふーん、その程度でいい気になるなんて、まだまだ甘いわね」
蒼汰「なに!?じゃあお前はどうなんだ?」
かな「おほほ!ごらんなさい、わたくしの高貴なるスコアを!」
ば~んっ!!
蒼汰「ひゃ、100点!?」
ユキコ「カナちゃん凄い…」
かな「おーほっほっほっほ!プリンセスハンドレッドと呼んでちょうだい!」
蒼汰「ぐっ…」
あみ「あら、ここ採点ミスじゃないかしら?」
かな「え!?」
ユキコ「ホントだ」
蒼汰「3点の問題ってことは…97点か~。早く訂正してもらってこいよ、プリンセスナインティセブンww」
かな「くっ…。先生、貴方の口座に1000万円振り込んで差し上げます。どうか見逃して下さい!」
数学教師「ダメよ。だいたい、そんなお金あるの?」
かな「もちろん、蒼汰くんに払わせます☆」
蒼汰「はぁ!?無理に決まってんだろ!」
かな「じゃあ500万払って」
蒼汰「だから無理だっつーの」
かな「はぁ~、ワガママなお子ちゃまね」
蒼汰「お前がな!」
~3~
下校の帰り道。
かな「はぁ~、勉強頑張りすぎて疲れちゃった…。もう、だめ…」
ふら…ふら…ばたっ!
~4~
???「カナ…カナ…」
誰かがカナを呼んでいた。
かな「…ん?…わっ!」
カナが声のした方を振り向くと、空色の瞳を持ち、白銀の輝きを纏った竜がいた。
神々しき竜はカナを包み込むかのように大きな翼を広げている。
竜「お前は、おれが守ってやる…」
かな「は?アンタ一体何者?ねぇ、ちょっと答えなさいよ!」
~5~
かな「は!…あれ?」
蒼汰「お、目が覚めた?家に着いたけど、上がってく?」
かな「家?…わぁ~!」
なんと、カナの目の前に、豪華な龍の装飾と鮮やかな朱色が彩る荘厳な宮殿が聳え立っていた!
いかにもドン!…って擬態語が似合いそう。
かな「ここが蒼汰くんのお家…。すごい、宮殿じゃん、パレスじゃん☆」
豪華絢爛な宮殿にカナのテンションが上がる。
かな「ったく、自分で稼いだこともねぇガキが、こんな家に住みやがって。…ん?」
カナは蒼汰にお姫様抱っこされている事に気付く。
かな「コラ!降ろしなさいよ~、この痴漢!」
ばたばたばた!
蒼汰「わぁっ!危ないって!」
ドッ…
かな「イタタ…。ちょっと、どういうつもり!?」
蒼汰「いや…お前が道端で倒れていたから、家のベッドで寝かせてあげようと思って…」
かな「ふん!アタシに恩を着せて頭を上がらなくさせようったって、そうはいかないわよ!」
蒼汰「そんなこと考えるわけないだろ。お前性格悪いなぁ」
かな「はぁ!?ケチで恩着せがましいおチビさんに言われたくありませんよ!」
蒼汰「なにぃ!?チビは関係ないだろチビは!」
???「あら蒼汰ちゃん、ガールフレンド?」
かな「へ?」
振り向くと白いドレスを纏った空色の瞳の美しい女性が立っていた。
傍には不思議な犬もいる。
かな「あなたは?」
白娘「はじめまして。蒼汰の母、『白娘』と申します」
かな(キレイな人…)
蒼汰「白娘、どこ行ってたの?」
白娘「美味しい中華まんを買っちゃいました♪お天気も良いですし、シナ茶と一緒にいただきましょう。…クルル、お客様をお庭に案内して差し上げて」
クルル「はい、奥様」
かな「そのワンちゃん話せるの!?」
To Be Continued.




